根管治療には常につきまとうリスクです。
リーマの破折?(アメリカ)

日付、時間:Tue Dec 12 8:48:41 Japan 2000    氏名: mori   
所在都道府県:千葉   職 業:その他   年 齢:31歳      性別: female  

質問:
こんにちは。現在アメリカに在住し、根管治療を受けている者です。根管治療について の質問です。
 先日レントゲンをとったところ、左側切歯の根に膿の袋があったため、痛みはありませんでしたが 根管治療をうけました。その歯は、日本で10年ほど前に虫歯治療をし(神経を抜いたと思います)、 歯の裏は銀歯と同じような素材で補強してあり、歯の表面は数年前から黒っぽく変色していました。 今回の治療は合計2回で終わるとの説明を最初に受けました。
 1回目の治療2日後、その歯のすぐ上の歯茎が赤くなり表面の皮膚が少しはがれました。痛みは なく、単に薬が効いているのだと思いました。さらにその2日後、他の歯の治療のため根管医に行く と、その側切歯の歯茎の状態をみて、治療を終了させた方がいいとのことで、詰め物をして治療終 了となりました。しかし、治療後のレントゲン写真を見て根管医が、「根管に薬を詰めた際、その薬が 根管先端を突き抜けてしまった。少し様子をみたあと、はみ出した薬を歯の根尖と一緒に切る手術を するかもしれない。」と言ったのです。レントゲン写真を見ると、針がね状の棒が膿の黒い袋を少し通 り越していました。これは誰のせいでもなく、治療の結果しかたないことだと先生はおっしゃいました。
 そこで質問ですが、これは治療ミスといえるのでしょうか。それとも、治療上起こり得るやむを得ない ことなのでしょうか。ご承知のように、アメリカの治療費は高く、今回の治療費は約1,000jだったため、 さらに手術となると同じ位かかるかもしれません。もし治療ミスだと言えるのであれば、この手術費も 前回の費用に含めるようお願いできるのではないかと思い、お聞きしたいのです。また、それ以上に 心配なのがこの歯の今後の処置についてです。現在の症状としては、まだ歯の補強を終了していな いためかもしれませんが、舌でその歯を下から軽く押すと、鋭い痛みはありませんが、歯茎に圧力が かかるのを感じ、歯茎の中で何かが動いて刺激するような、少しこそばゆいような感覚があります。 歯茎は赤黒く、鼻の付け根の辺に痛みがあります。これは根管医の言うように、歯の先端を切り取ら なければ治らないものでしょうか。それとも、そのままでも支障がなくなる可能性が見込まれるものな のでしょうか。
 また、詰めた薬を全部抜いて、いちからやり直すことは考えられますでしょうか。河田先生のHPを 拝見し、根尖切断手術をすると、歯の根が短くなりゆくゆくは抜歯になる可能性が高い等問題がある ように思えるので、できれば避けたいと強く思っています。根管の清掃は済んでいるので、そこは考慮 できるかもしれないのですが・・・。
 もう1本要根管治療の歯があるため、このまま治療を継続したものかどうか迷います。つたない説 明でレントゲン写真もなく申し訳ありませんが、先生のご意見をいただきたく、よろしくお願い致します 。

ご意見・ご感想:
”根管治療”のキーワードで検索すると、先生のHP関連が多い(ほとんどです よね。)ことに驚かされました。

回答  抜髄時の根管治療が問題なければ今回の根管治療はなかったわけです。日本の根管治療の 成功率が50%?程度であることが悲劇の始まりのように感じます。100%は無理ですが、このよう な悲劇がもっと少なくなることを望みます。  薬剤の逸脱なのか治療用機材(リーマ等)の破折なのか不明瞭ですが、いずれにしても根管治療 には常につきまとうリスクです。薬剤の逸脱なら程度はともかく90%?、リーマ等の破折なら1%程度 の頻度で起こり得るリスクです。医療事故の定義や解釈はわかりませんが、注意をすれば100%防 げるものが該当するのではないでしょうか。注意しても数%起こるものは該当しないように思います。

 医療事故の裁判にが該当しないと思いますが、順調に治療が行われていれば予定の金額で終了 していたはずですので、目的が達成されなかったことを含めて、追加処置に対する何らかの救済処置 を求めても良いのではないでしょうか。日本なら、保険適応ですので¥5000円程度ですから問題になる ことも少ないようですが、何しろ全てが高いアメリカの歯科治療費ですから感情的になりますね。

 アメリカの歯根端切除術の実態は分かりませんが、できることなら 避けたい術式です。しかし、状況によっては、歯根端切除術でしか解決できない場合もありますので 、他の代替方法も含めて治療方法の可能性は推測できません。
 もう1本に関して、痛みを含めて治療の必要性があるのであれば迷わず治療すべきです。もし、緊急 的な必然性がなければ、必然性が迫られてからでも遅くはないと思います。

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