になされていればたいした炎症を起こすことなく経過する可能性もあります。
手術は延期(アメリカ)

日付、時間:Wed Jan 10 6:21:10 Japan 2001    氏名: mori   
所在都道府県:東京   職 業:その他   年 齢:31歳      性別: female  

質問:
12月に 根管治療について質問したアメリカ在住の者で す。まず、歯根端切除術について質問です。側切歯の根管治療の際、薬剤の逸脱により歯根端 切除術を行う予定で、手術の2日前からCLINDAMYCINという抗生物質を医者の指示により服用 していたのですが、いざ手術の日になると、痛み及び鼻の付け根に感じていた違和感がなくなっ ていたのです。
 根管医は、抗生物質の効果によるものでいずれ手術が必要になるかもしれないが、このまま痛 みがなくなる可能性もあるので手術は延期とし、1週間分の抗生物質を服用しつづけるよう言われ、 おととい錠剤がなくなったところです。今のところ痛みはでていません。抗生物質は根本解決には ならないものの、根管医によると、歯根端切除術をしたからといって完全に良くなるとも言いき れないとのこと。3月には日本に転勤になる予定です。このような場合、河田先生でしたらど ういう措置をとられるでしょうか。ご意見いただきたく思います。

 次に、クラウン装着について。右上第一大臼歯は、虫歯により銀色の詰め物をしてあったのです が、そこが二次カリエスで新たな虫歯が進行し始めているとのことで、先日詰め物をとり、今は仮の クラウンを付けています。治療前までは、食べ物を噛んでも全く痛くなかったのが、仮のクラウンにし たとたん、痛くて何も噛める状態ではありません。歯科医にそう伝えると、多少歯茎に炎症があるせ いかもしれないので、1日数回塩水で口を濯ぐよう指示されました。しかし、1週間たった今でも、固 いものは依然痛くて噛めません。これは、仮のクラウンだからなのでしょうか。今のところレントゲン 上、根管に問題はありません。  一度仮クラウンをはずして状態を見たときに、器具がその歯に触れたり、仮クラウンを再度装着 する際にその歯に触れるととても痛かったです。根管感染していて噛めない痛みとは明らかに違い、 歯自体が痛いという感じです。このまま出来上がったクラウンをつけても良いものなのでしょうか。 他にどんな治療をしてもらう必要があると考えられるでしょうか。お忙しいところを恐縮ですが、ご 意見いただきたく、よろしくお願いいたします。

ご意見・ご感想:
河田先生の存在は、海を越えて暮らす者にとって本当に心強い限りです!!

回答  何はともあれ成功率の極端に低い…というか、自滅行為にも匹敵するから逃れ られたことを嬉しく思います。根管口から飛び出したものが根管充填材のようなものであれば自然 吸収により回復することも期待できます(アメリカの根管充填はしっかりしているという前提で)。  もしリーマのような金属であっても根管充填が綿密になされていればたいした炎症を起こすこと なく経過する可能性もあります。仮に将来再発するようですと、一応根管充填の状態を確かめた 上で、根尖部異物除去術歯根端切除 術と微妙に違う!!)を行えな完全治癒する可能性もあります。
 私なら、最初から完璧な根管充填を行って、「しばらく腫れるけど我慢してネ」と防御線を張って 抗生物質投与で2週間以上様子をみます。その結果思わしくなければ根尖部異物除去術ですね。 他に転勤という事情を考えれば、他で私と同じようにしてくれる歯科医にめぐり合うチャンスは限りな くゼロに近いのでその場で即刻上記の処置をしたかも知れません。

 二次カリエスで深くなったムシ歯を治療したために、歯髄炎を起こしたのではないでしょうか。まずは 知覚過敏用の薬剤塗布や消炎鎮痛剤投与にて歯髄炎の鎮静に努めます。或る程度緩和された時点 で、「結果が思わしくなかったら抜髄」と断った上でクラウン装着します。治療時の刺激がある限り治る ものも治りませんので最終補綴物を装着して刺激をカットします。歯髄炎の状況にもよりますが、 それで90%以上は大丈夫。ダメなら約束通り補綴物を除去して抜髄します。


質問:Thu Jan 11 8:45:31 Japan 2001
   昨日、歯根端切除術及びクラウン装着について質問した者です。早々のご回答、本当にあり がとうございました。実は今日、出来上がったクラウンを装着する予定日だったので歯医者に行っ たところ、噛む時の衝撃は、かなり大きな虫歯であり詰め物を大量にしたための炎症であろうとの ことで、河田先生のおっしゃるように、仮付けをして1週間様子を見て、症状に改善が見られないよ うであれば根管治療を行うとのこと。河田先生のご意見のおかげで、不安に思うことなく医師の処 置を受けることができました。本当にありがとうございました。
 私にはまだ問題があり、相談させてください。ブリッジについてです。11月末に左上第一大臼歯 が根管治療不可能ということで、やはりアメリカで抜歯しました。医師によると抜歯後の状態は良好 で、残り約1ヶ月半の滞在中にブリッジ作成・設置は可能とのことですが、ブリッジ装着後にトラブル が発生するかもしれないことを考えると、アフターケアの面で躊躇します。しかし、アメリカの技術は 多少ではあると思いますが日本よりも進んでいるとするならば、こちらで済ませた方が良いようにも 思い、迷っています、そこで、一概には言えないと思いますが、先生はいかが思われますか。
 また、費用及び期間についてですが、こちらでブリッジ作成の場合、材質は567ともメタルボンドで 1本9万円(×3本)、全部で5週間かかるとのことです。仮に、東京の歯科で同様に567のブリッジ を作成し、5,6をメタルボンドで7を銀にした場合、費用(HPを拝見し、メタルボンドの価格はわかり ましたが、第二大臼歯だけ銀にした場合はいかがでしょうか。)及び期間はどのくらいかかるもので しょうか。
 最後にもうひとつお願いします。中切歯(差し歯・12月に根管治療済み)と隣りの側切歯(12月に 根管治療済み・歯根端切除術を延期した歯)の差し歯作成についてです。側切歯の根管治療後の 様子を見ているため、まだ差し歯の作成に入っていないのですが、あと1週間様子を見ても顕著な 痛みがでなかった場合、すぐにでも差し歯を作成・設置しても良いものなのでしょうか。それとも、日 本に帰るまで約2ヶ月ほどこのままにしておいて(その間さらに様子を見ることが出きるような気もし ます)、日本でクラウンを作成しても大丈夫でしょうか。今は、歯の裏を削ったところに仮のセメントを 詰めてあります。中切歯(差し歯)と歯茎(表側)の間にはかなり隙間ができており、食べ物が挟まる ものの、ぐらぐらすることはありませんが、そこから微妙に細菌が入っているような感じがします。側 切歯は今回新たに差し歯にする必要が生じるものです。前述した奥歯のブリッジ作成との兼ね合い もあり、どちらを優先すべきか、もしくは同時進行させてもいいものか、さらには、根管治療後の歯を このままにしておいていいものなのか、非常に迷います。是非先生のご意見をお願いいたします。度 重なる質問で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

回答:
 奥歯のブリッジはそちらで作成されても構わないように思います。後日トラブルが生じた時には 何かと不便ですが、アメリカで治療された方がトラブルが少ないような…。 費用的にもメタルボンド9万円ですと、東京(10万以上)よりは割安です。7番をメタルボンドにすると 破折の危険がありますので少し考え物ですが、審美性においては問題なく上です。金額的にも銀歯 にしても、日本では費用が同じか少し安い程度(7万円?)です。治療期間はどちらでされても5週間 程度で同じようなものです。

 前歯については、もうしばらく経過をみてから最終補綴に入るべきでしょう。経過をみていたら、 日数的に日本で治療することになってしまうような気がします。同時進行はちょっとまずいように思い ます。

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