機械的清掃の基本は、周囲の健全牙質が削り取れるまで。
抜髄治療の方法

日付、時間:Thu Jan 11 21:03:15 Japan 2001    氏名: M.N   
所在都道府県:神奈川   職 業:主婦   年 齢:39歳      性別: female  

質問:
  おとといと昨日、質問させて頂いたものです。本当に早急な御回答、メールの方 にも送って頂いて感謝しております。
 今日の夕方、歯医者に行き、左上6番の根管治療と右上5番の根管内の有機質(神経の残骸) 除去を頼みました。左上6番は、右上5番、4番の治療のめどがついてからになりました。右上5番 をリーマで、ごりごりやっている時、主治医が「普通、虫歯等で痛んで抜髄になった歯は、根がきれ いなので、細いリーマで十分なのだけど、感染したら穴を大きく空けてあげないと、いけない。今日 は、45の太さまで入れたので、今後5ずつ太くして、最終的には、60まで空けてあげるの です。」と、とても親切に説明してくれました。私は、「穴を開けるとは、神経を抜いたけど、根は残っ ているという事?????穴を開けた所には、いったい何があったの?????」と、疑問に思い ました。
 私の抜髄経験の歯は、今回のを抜かして5本です。抜髄治療をすると必ず痛むのです。最初麻酔 をかけて、抜髄したら、次の日から噛むと痛むのです。今回の右の歯の様なズキズキは、ないので すが、噛むと痛むのです。歯医者に行く度、リーマで“がりがり”やられるのですが、それが先のほう にあたると、激痛です。4週間ぐらいで痛みが落ち着き、土台→クラウンです。5本とも違う歯医者で の治療でしたが、いつもそうでした。だから抜髄治療とは、とても痛く辛いものだと、河田先生のホ ームページに出会うまでは、思い込んでおりました。今回、左上6番の治療での転医の際、先生の “即日充填”を参考にさせて頂きました。
 現在の主治医は、「抜髄したら、麻酔が切れた頃には、ほとんどの患者さんは、痛みが取れてい ます。」との事でしたので、信頼をしました。でも、今日のお言葉に、疑問を抱いてしまいました。そこ で、先生の抜髄治療の方法を、教えて頂きたく思いました。私の主治医の言う通りなのでしょうか? それとも河田先生のおっしゃる、徹底的な機械的清掃とは、60まで空けての掃除なのですか?
先生の抜髄は、化膿しているしていないに関係なく、その日のうちに60まで空けての掃除なので すか?
現在痛みのない右上4番が、このまま充填になり、細いリーマでの掃除のままになるのでは…だと、 根尖病巣の原因には、ならないのでしょうか?
右上4番もちゃんと60まで開けての掃除をして頂いたほうがいいのでしょうか?
しろうとの私ですが、これからも抜髄治療を経験していく事は、避けられないと思います。自分の体の 事なので、抜髄治療の事を、ちゃんと知識として自分の中に入れておき、今後の歯科医探しの参考に したいので、是非教えて下さい。いつも長々とすみせんが、宜しくお願いいたします。

健全な変化 メールアドレス: mie_chan@a2.shes.net   ホームページURL: http://

回答  “穴を開けた所”は、元々神経(有機質)のあった場所です。その有機質を全て取り去るのが根管 治療の基本で、リーマとかファイルと呼ばれる針のようなもので、細いものから順次太いリーマに 代えて根管腔を拡大しながら除去していきます。  根管の太さは、歯種によって異なりますが、更に経年的に石灰化程度が増すと同時に細くなって いきます。従って何番までの太さが正解ということではなく、根管内の有機質が全て除去された時点 ということになります。感染根管の場合は一般に、根管周囲の歯質も腐敗していますので、抜髄時 よりも太くなります。場合によってはΦ100を越す太さまで拡大しなくてはなりません。
 “根管内の機械的清掃(拡大)の基本は、周囲の健全牙質が削り取れるまで”というのが 正解です。
 30代以上の上顎小臼歯であれば、2根管ならΦ40番以上、1根管ならΦ60番程度までが一つの 目安です。

 抜髄と感染根管の違いは、新鮮な有機質か腐敗した有機質の違いです。もっとも、抜髄時に取り 残した新鮮な有機質も数日すれば腐敗して根尖部の炎症を引き起こします。初日の治療は麻酔 下で行いますので、当然一気に必要なところまで拡大・清掃するのが正しい術式と心得ております。  その際、根尖部からの出血や排膿があれば根管充填は日を改めますが、そうでない限り即日 充填を原則としています。しかし、一般には全ての症例で後日充填されているように認識しています。

 他の歯も痛みがある(=炎症の存在)ものについては、Φ60番にこだわらず必要な太さまで拡大・ 清掃を行う必要があります。治療をするかどうかは程度問題です。

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