日付、時間:Tue Jan 16 12:38:22 Japan 2001 氏名: 中川 雅彦
所在都道府県:東京 職 業:自由業
年 齢:39歳 性別: male
質問:
2年程前に左上の(7)に甘いものがしみるような痛みを覚え、かかりつけの歯科医院に行ったところ、歯の一部にひびが入っており、そこに肉芽が形成されてしまっているため、すぐに抜かなければいけないといわれ、いわれるままに抜歯しました。
そして親知らず(4本とも全部残っています)と(6)にブリッジをかける処置をしてもらったのですが、始めのうちは問題なかったものの、数ヵ月後経過してから、物を噛んだときにブリッジで固定した両方の歯に、圧迫痛を感じるようになり始めました。(6)の痛みはさほどでもないですが、親知らずはかなり痛いです。再度同じ歯科医院を訪ね、かみ合わせを調整しましたがまったくだめで、最終的に両方とも神経を抜いたのですが、一時的に良くなったものの、またしばらくすると痛みが再発するといった状態で、抜歯後、今日までかみ合わせの調整のために何度も通院する事態となってしまいました。
昨年の11月ごろに担当医から「費用はこちらが持つので金属を付け替えて見ましょう」ということになり、金属をはずし、歯根に炎症があるようだとのことで消毒などの処置もし、現在は型を取って仮歯を入れているところですが、痛みはいっこうに去りません。最悪の場合親知らずを抜くこと、(4
)も削ってブリッジにすることや、入れ歯を入れることも考えなくては…という話まで出てしまい、このまま今の医師に治療を任せておいて良いものかどうか困っております。
ほかの歯科医にも意見を聞いてみたいのですが、治療中の歯をこっそり別の歯科医院で見てもらったりしても、処置の痕跡で現在の担当医にばれてしまうでしょうし…。今まで10年以上もお世話になった先生ですから、腕が悪いとは思っていません。何とか(6)と(8)の痛みをなくしたいと切実に思っています。痛みをなくすための良いアドバイスと、医者を変えるべきかどうかについてのご意見をぜひお聞かせください。
メールアドレス: cdu19130@par.odn.ne.jp ホームページURL: http://
親知らずを支台にしたり抜髄しても良好な予後が得られる可能性は低いので、今日の結果は或る程度予測できたはずです。その予測を押しのけてでも…苦しい選択を迫られたとしても抜かざるを得なかった状態であったかどうかが最も焦点となります。
“肉芽ができていた”という当時の状況がもう一つ把握できませんが、その時に、今日の状況予測と抜歯以外の方法が考えられないのかを検討する必要があったように思います。その結果抜歯を決断したのであれば、通常抜歯の適応となる(治療しても予後が悪い)親知らずが、期待する結果が得られなかったとしても仕方のないことだと思います。
親知らずの特殊性と今日の結果は仕方ないとして今後の取るべき道は…、問題は親知らずの根管治療に問題があると思います。しかし、親知らずを治癒に導く技術と熱意のある先生は非常に稀な存在だと思います。簡単にあきらめて抜くか、トコトンこだわって保存の可能性を追及するか。
親知らずを抜いた場合、手前の4番からの延長ブリッジも選択肢ですが、得られるメリットよりも同じ過ちを繰り返す確率が高いので7番部位の欠損補綴をあきらめるべきだと思います。6番を単独冠の形、もしくはやや延長状態で留めるべきでしょう。
親知らずの保存を選ぶにしても、6番を同様の形で一旦修復しておいて親知らずを治療し易いフリーな形にしておいてじっくり根管治療の成果を見定めながら結果を待つスタンスが最も望ましいと思います。親知らずは直接下の歯とかみ合いませんので痛みも少なく、余裕を持って治療を受けることができます。最も、このような努力は、最初の7番の時に選択すべきだったかも知れません。
転院云々に関しては、もう少しドライに考えるべきです。人間性の良し悪しも重要ですが、技術も大切です。大切な“わが身”ですので、最善の技術で治したいのは当然の真理です。歯科医の技術やレベルは一律ではありませんので、それを求めることは非難できません。本当に人格の優れた信頼の置けるドクターであったならば、他に救いを求めた痕跡をみたらわが身の至らなさを反省こそすれ治療を拒否することはないはずです。