抜髄は必ず成功するものではない!
下顎大臼歯の抜髄

日付、時間:Mon Jun 7 23:43:50 Japan 1999    氏名: 林 直樹   
所在都道府県:神奈川   職業:自由業   年 齢:49歳      性別: male  

根管治療 質問:
はじめまして、ご相談いたします。虫歯(左下の奥歯)で神経を抜き、根の治療を終えて、 1ヶ月以上たちましたが、その後も鈍い痛みおよび違和感が続いています。 医師はレントゲンで確認のうえ、歯には問題がない、しかしかなり神経の状態がよくなかったので、 そういう痛みは出る。歯の周囲の神経の痛みだろうといった説明でした。 完全に痛まなくなることはむずかしいだろうといいました。
それで治療を終えたのですが、日常的にこういう痛みが続くと思うと憂鬱でたまりません。 再治療で痛みをなくすることはできないのでしょうか?現在さほど体調がよくないわけでは ないのに鈍い痛みが続いています(物が詰まったような違和感に近い痛みですが、軽い頭痛、 肩こりを伴います)。なお、医師も神経の状態がよくないことから治療には期間をかけてくれました (2ヶ月ほど)。
最後の薬を詰めて、プラスチックの詰め物をしています(それほど大きく削ったわけではないので 金属の冠は必要ないとのことでした)。よろしくお願いいたします。

メールアドレス: fwid3024@mb.infoweb.ne.jp   ホームページURL: http://

回答  まず最初にお断りしておきたいことがあります。それは、歯の形態・治療器具の限界などの 問題があって“抜髄は必ず成功するものではない!(成功率は95%以下)”ということです。 そのことを理解していただいた上で解決方法の可能性を探ってみます。
 歯の神経を取った直後は、神経の切断面で一過性の炎症を起こしますので、必ず?2〜3日 程は噛み合わせたときなどに痛みを感じることが多いようです。ところが、1か月以上経っても 痛みが残るということは何らかのトラブルがあると推測されます。予想外の神経が存在したとか、 完全な神経の除去ができていない?または、根管充填時に血液などが混入したとか。 いずれにしても、その原因をつきとめて完全に排除できれば問題は解決します。

 他の治療はさておき、今回の治療に関しては2か月かかって原因をつきとめることができなかった 訳ですから、同じ医師では問題解決の可能性は低いように思います。再治療で治癒の可能性は 十分ありますので医院を変えて、再度チャレンジして下さい。

返信:
早速のお答えありがとうございました。もう一つ質問させてください。
「神経の壊死」ということについてですが、これはどういう状態を指すのでしょうか。 といいますのも、一つにはこの先、新たによい医院を探すには 多少時間がかかるかもしません。痛みの状態がおちついているときも ありますので、なおさら時間がかかるような気がいたします。 その際に神経が壊死してしまう可能性があるかもしれないと思いまして。 それから、かかっていた医師が、治療のときにこの神経は相当に悪い状態 といってましたので、ひょっとしたらその時点で壊死していた可能性も あるのではと思いまして。そうだとしたら神経を抜くまでの決断に 2ヶ月も期間をかけた自分のせいですが。
回答:
「神経の壊死」につきましては今更恐れることはありません。現在が「神経の壊死」の状況だからです。 急性炎症が治まって、慢性経過をたどれば症状は沈静化するでしょうが根本的な原因を除去しない 限り良好な予後は望めません。症状が治まっているようであればしばらく様子を見るのも一つの 選択ですが、レントゲン診査などで経過を正しく把握することが必要です。
いよいよ悪くなっても(程度によりますが)、適切な治療を行えば治癒の可能性は同じようなものです。 “適切な治療を行ってくれるところ”を探すのが結構大変なようです。 歯科大学病院の歯内療法科(名称は大学毎に違います)は時間もかかりますが無難な選択だと 思います。
“相当に悪い状態”は、進行状態ではなく、治療のし難い歯(解剖学的に)だということです。 “壊死”という言葉にこだわっていらっしゃるようですが、歯科の領域では日常茶飯事です。 指が壊死していると指の切断、歯の神経が壊死している…壊死しそうだと神経の切断・除去は 毎日の仕事です。“指の切断”と同じレベルで考えていただけると、歯はもっと長持ちするでしょうに!!

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