日付、時間：Tue Jan 30 7:20:12 Japan 2001 　　 氏名： M.T　　　
所在都道府県：群馬　　 職　業：その他 　 年　齢：歳　　　 　 性別：　male　　

質問：
初めてお便りいたします。ネットの普及でこういう便利な検索が出来るようになりま して非常に助かっています。
　さて症例なのですが、下顎右6(今から20年前に抜髄),7の歯(今から10年前に抜髄)の歯の 間が何となくうずくものでレントゲンを撮ったところ、６番の方が冠の側壁から虫歯になって いることが判明！そこで治療をすることになったんですが、この２本の歯はかみ合わせが非 常に気になっていて、７件くらいの医者で取っては付け、付けては取っての繰り返しでした。 それでも今から５年前にはようやく良いかみ合わせの冠が出来るようになりほっとしていたんで す。
　しかし今回の虫歯で一応根管充填を再度行うことになりましたが、４根管のうち１本が奥まで薬 が入っていませんでした(根の８分目くらいです)。歯科医の話では「再石灰化で穴がふさがったの で、開けて薬を入れましょう。ただし今回の虫歯と歯のうずきとは因果関係が一致しませんね」との こと。そこでリ−マを用い、かなり丁寧に根管を掃除しましたが、先生曰く「これ以上掘れない。あん まり掘ると違うところを傷つけてしまうと怖いから途中で止めますね。機械で進むと針が振れるんだ が・・・。そこはどうもふれない」とのこと。 　確か治療中に４つの中で１つか２つかはリ−マの最中痛みました。それでその後痛みが引かな いんです。それ以上に心配なのは内側の歯肉に触れると痛むんです。しかしよく解らな いのは歯をたたいてもそれほど痛まないし、しみることもあまりありません。そのことを３回目の通 院時にはなしたところ、「歯肉に口内炎があるので炎症が治まって様子をみましょう」とのこと。確 かに今回の通院の原因であった疼痛は多少はありましたが、ほとんど気にならないような状況だ ったので、なんだか悪化したようで本当に心配です。そして昨日も痛みがあるということで通院し たんですが、圧がかかるといけないとのことで一度充填した歯を開放して綿が詰めてありますが、 あまり痛みは変わりません。痛みの症状としては、ぼんやりした疼痛でたまにずきんとくることが あり、奥歯にものが詰まってきつい感じがします。
　下の方で膿んでいるんじゃないんですかという答えに対しても「膿は出てません」とのこと。本当 はレントゲンを撮ってもらいたいんですが・・・。そこで河田先生にお聞きしたい点は以下のことです。

1. やはり歯の疼痛、歯肉の痛みは根管充填の不備が原因でしょうか？
2. 穿孔や亀裂はどのような治療時に発生するんでしょうか？　リ−マで掘るときにかけるのか、 はたまたかぶせものを取るときにかけるのか？　また亀裂などになった場合の具体的な症状と その後の治療手法を教えてください。　今の自分の症状が一体なんなのか気になって仕方があり ません。
3. 「あなたの町の〜」で調べた歯医者さんであれば確実な根管充治療ができるのでしょう か？やはり転院を考えた方がいいのでしょうか？

ご意見・ご感想：
こういうホ−ムペ−ジがあると助かります。

メールアドレス： tamutamu@msh.biglobe.ne.jp　　 ホームページURL： http://

　不確定要素が多すぎて全体像把握ができません。
“歯の間が何となくうずく”のは、二次カリエス部分に貯留した汚れによる歯肉の炎症。 数年前から“かみ合わせが非常に気になって”ということですので、その時点から、根管治療に問題 があったか、亀裂や穿孔があったものと思われます。
　閉鎖した４根管目の根っこは、言葉通りだと何ら問題がないようにも思いますが“内側の歯肉に触れ ると痛む”場所が一致するようだと亀裂や穿孔などが存在する可能性を疑います。

　亀裂は治療の有無に係わらず、如何なる状況下でも発生します。一方穿孔となると通常の抜髄や 根管治療に際しても起こり得ます。またクラウン除去よりも中の土台を除去する際に深い金属ポスト 等があれば発生頻度は高くなります。痛みがある限り何らかの原因が潜んでいるはずですが、文面 だけでは確定はできません。
　穿孔は場所によっては外科的手法で延命処置も可能ですが、 亀裂ともども、該当する歯根を部分的に抜歯（ ヘミセクション）することになると思います。

　あなたの町の歯周外科医は、あくまでも歯周治療の 専門家であって根管治療の正確性を保証するものではありません。しかし、丁寧な説明は心がけて いらっしゃる方が多いようですので、状況を把握して正確な状況を説明してくれる可能性は高い かも知れません。

返信：
まさかこんなに早くお返事を戴けるとは驚きました。本当に敬服いたします。
しかしその反面、ショックはショックでした。やはり亀裂が入っている可能性があるというのは心配で なりません。今日も医者にいって参りましたが「歯肉は今回の歯とはあまり関係はない。歯根の位 置ではなく、歯肉炎の方に近いのかな」とのこと。いじりはじめて痛いのですから関係がないという ことはあり得ないと思うのですが・・・。
　一度先生の所までお伺いして見ていただきたいとも思っています。やはり多くの方がいらっしゃっ て予約とかはかなり先になるんでしょうか？
群馬からですと恐らく通院は経済的、時間的に不可能とは思ってますが、是非所見をお聞きしたい と思います。ちなみにヘミセクションの場合は、外側だけ歯根を残すといった手法も可能なんでしょ うか？

回答：
　下顎６番は普通３根管ですが、結構な頻度で４根管の歯も存在します。４根管目は遠心舌側（後ろ の内側）にあります。根管が非常に細く弯曲していることが多いので満足な根管治療ができないこと が多い割に、非常に細いせか根尖病巣を作ることは稀です。もしその根に異常があるとしてヘミセク ションを選択した場合、舌側だけのヘミセクションができる確率は根形態（しっかり分岐）により３割 程度は可能かも知れません。

　痛みの場所が結構上（歯頚部側寄り）のようですので、治療時の歯肉外傷が原因かも知れません ね。その場合はもう少し経過を待てば治癒することも考えられます。予約の件については、結構混ん でいますが、それ程先にはならないと思います。

返信：
本当に医療費をお支払いしないといけないような感じで恐縮しております。保険では電話説明だけ でもお金を取るはずでしょうから。
さて歯の状態ですが、依然歯肉の痛みがあります。たまたま今は開放されており綿が詰められて いるだけなので、自分でひっぺがえし、痛みのある歯肉との深さと歯の内部の深さを見て亀裂を 探しては見ましたが、肉眼では歯の内側の表面には亀裂はないような感じです。 歯肉炎症の可能性をもう少し見極めることになるかもしれませんが、訪院の際はよろしくお願いい たします。