歯槽膿漏の名の下に結構多くの歯が抜かれているように思います。
なかなかの殺し文句

日付、時間:Tue Jan 30 18:01:16 Japan 2001    氏名: J.S   
所在都道府県:東京   職 業:主婦   年 齢:33歳      性別: female  

質問:
ホームページ、とても充実していて、じっくり読ませていただきました。早速、質問 なのですが。2週間前から、左上一番奥の治療済みの歯が、痛み出し、次の日には、我慢で きないほどになりました。
 以前通っていた歯医者さんはすぐ予約がとれず、すぐ見てもらえる別の歯医者さんにいった ところ、歯茎が腫れていて、歯がぐらぐらしている、中の支えている骨がとけているので、抜 かないとダメ、歯槽膿漏ですっといわれました。で、痛み止めと抗生物質の薬をもらい、腫 れがひいたら、抜くことになり、今だ、腫れが引かない状態です。抜いたあとは、かみ合わせの 下の歯があるので、ブリッジで歯を作るといわれました。
 なんだか、抜かれると思うと心配で、以前に通っていた歯医者さんにも行ってみたのですが、 歯槽膿漏ではないけれど、やはり、2週間たった今となっては、抜かないとだめだと言われまし た。で、そこでは、抜いたあとは、そのままだと言われました。ブリッジは、奥歯のため、片側に しか、本物の歯がないので、その歯に負担がかかり、難しいといわれました。
 一番奥歯を抜歯した場合、ブリッジはしないほうがよいのでしょうか?そちらでは、こういう場 合は、どのような処置を行うのですか?よろしくお願いいたします。

メールアドレス: saito@zairyo.co.jp   ホームページURL: http://

回答  “抜かないとダメ、歯槽膿漏です。”なかなかの殺し文句ですね。歯槽膿漏の名の下に結構多く の歯が抜かれているように思います。“歯槽膿漏ではないけれど”の言葉通りおそらく根尖病巣が 原因だと思います。33歳で抜かなくてはならない歯があるとするならば、それ以外の歯をもっと大 切にしないとヒドイことになります。

 ここで重要なことは、「歯槽膿漏で破壊された骨は再生しない」裏を返せば「それ以外の骨破壊 は原因を除去すれば骨再生が期待できる」ということです。原因が根尖病巣だとすれば、丁寧な 根管治療を行えば治癒の見込みがあります。第二大臼歯ということで治療が面倒とか採算が合わ ないという事情、もしくは技術的な限界もありますが、歯牙保存に熱心な先生もきっといらっしゃると 思いますのでもう少し歯牙保存に執着してください。

 その上で、|DE7ブリッジについて考えてみましょう。かみ合わせや下顎の対合歯のこと を考えれば当然ブリッジがあった方が有利です。しかし、そのために健全な歯を削ったり抜髄する ことは、今回の悲劇を遠くない将来再現するだけです。根管治療に熱心で、今回の歯を延命できる ような技術ですと抜髄にも信頼がおけますが、簡単に見限るような姿勢で抜髄しても良好な予後 は期待できません。
 それならば一層のこと奥1本欠損のまま過ごした方が得策ではないでしょうか。まず第一に抜か ない努力。次に残った歯を失わない努力。

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