治療時期はそれ程問題になりません。「治るモノは治る」。
神経を殺す薬

日付、時間:Tue Jan 30 23:23:38 Japan 2001    氏名: T.K   
所在都道府県:大阪   職 業:会社員   年 齢:27歳      性別: male  

質問:
はじめてご相談させていただきます。右の第2小臼歯なのですが、神経を抜いて 金属を埋めました。このときは「神経を殺す薬」を用いていましたが、指定された期 日(翌日か翌々日)に行きました。しかし予後が悪く(噛み合わせたり、歯をコンコンしたりす ると痛い)、再度治療を申し出て薬をつめられたりしましたが、あまり改善しませんでした。
 しかたがないので歯医者をかえて根の治療をしてもらいました。根の掃除と薬を詰め替える ことを何度もしましたが、多少ましにはなりましたが、違和感がとれません。ときどき熱いもの が「ズン」としみることがあります。最終の根充後、レントゲンをとりました。私もみましたが 先まで埋まってはいるようです。しかし、金属が埋まって治療が終わっても、噛み合わせ ると少し痛いような感じがあります。ガムをかむとそれがよくわかります。歯を叩いても少し痛 いです。かなり長期間に渡っての治療でしたが・・・。
「痛くて眠れない」とかいうような状態ではありませんが、再治療は早い目のほうがよろしいで しょうか?
歯医者さんに「まだ少し痛い」とは言うのですが「しみるのは別の歯だ」とか「まだ痛いの(おか しいなあ)?」と言われてしまうと性格的に強気のほうではないので、強く言い返せなくなってし まいます。他に心配な治療済の歯とかもあるので、地理的に先生のところでお世話になること は不可能ではないので真剣に考えています。予約の取り方とかは電話でよろしいのでしょうか?

ご意見・ご感想:
本当にいいHPですね。私のような症例がいっぱい載っていますね。これ からも充実させてください。インターネットでの情報発信としては大変価値があるHPだと思いま す。歯科治療はわかりにくいですからね。

回答  「神経を殺す薬」も2日程度ですと根尖部の骨を破壊するまでには 至らないと思いますが、もし根尖部まで破壊(腐敗)が進んでいれば改善の見込みはないかもしれ ません。
 亜ヒ酸の影響がないとすれば、通常の根管内の清掃が不十分であるか根管充填に問題があると 思われますので再度の治療で改善する見込みもあります。かみ合わせが痛むのは同じ原因による 歯根膜炎によるもので、滲みる原因だと思われます。「無髄歯が滲みる」件については歯科医自身 にも納得されていない方が多いように認識しています。

 亜ヒ酸の影響がないとすれば、治療時期はそれ程問題になりません。「治るモノは治る」ということ ですが、実際に治療して結果を見ないと分からないというのが実情です。 もし予約されるようでしたら、お電話でどうぞ。пF0792-88-4682


質問:Wed Jan 31 12:30:26 Japan 2001
  Tue Jan 30 23:23:38 に相談させていただいたものです。亜ヒ酸をつめられてた恐れがあるの ですね・・・。亜ヒ酸をつめられたとすればそれはもう10ヶ月以上前の話です。その影響があるか もしれませんね。
ただ、歯茎のはれもなく、激痛が走るというより、前に申し上げましたとおり、鈍く重い痛み(かみ合 わせたりしたとき)は続いています。亜ヒ酸というともっと激痛が走ってくるイメージがありますが、や っぱり影響はあるのでしょうか?
治らないとなるとだんだん恐くなってきました。それと根の先まで充填されていても、根管治療の不 備(きれいになってないとか)ということはあるのでしょうか?

ご意見・ご感想:
さっそく返事をいただき誠にありがとうございます。本当に感謝しております。 先生にお世話になることを真剣に考えています。

回答:
 亜ヒ酸を使った可能性は高いと思いますが、“10ヶ月以上前”ということであればその影響はなさ そうです。レントゲン的に“根の先まで充填されている”としても清掃不十分とか血液等の混入の 可能性はあります。何より、痛みがあるということは何か炎症を起こす原因が何処かにあるはずで す。


診断:
 根管治療に不備が認められるのは、手前の4|番の方で、問題の5|番の根管 充填は綺麗に為されていました。根管充填の状態を確かめるにしても、勿体無いくらい適合した インレーが装着されており除去をためらいます。
 訴えの通り、打診痛が認められるのは5|番ですので何らかの問題が潜んでいるもの と思われますが、症状が軽微なことと明らかな異常が見つかってからでも治療が可能だという 判断の下、残留セメントや歯槽骨破壊の著明な6|番の影響を排除するために徹底的な 歯石除去を行いました。問題の歯は、今後経過を観察し明らかな症状とか異常を確認できた段階 で治療することとします。

 臼歯部全体に二次カリエスや初期カリエスがありますが、致命的な破壊はありません。一方、歯 周疾患の方はやや心配があります。歯石沈着は少なく、清掃状態も比較的良好であるにも係わら ず上下左右の大臼歯部分に明らかな歯槽骨吸収を認めます。
 現状は深刻な破壊程度ではありませんが、27歳という年齢を考慮すると全身的な抵抗力を 含めて先々に心配が残ります。その抵抗力の弱さが、根尖部の炎症に影響している可能性は 高いように思います。

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