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カンジダ説

日付、時間:Wed Jun 9 9:30:09 Japan 1999    氏名: 東京医療専門学校 歯科衛生士科   
所在都道府県:東京   職 業:歯科衛生士   年 齢:歳      性別: female  

質問:

  1. 平成11年6月8日付 朝日新聞夕刊に掲載された患者さんの口腔内所見を教えて下さい。
  2. この治療法が掲載された歯科専門誌名を教えて下さい。

回答  Dental Diamond 1998年9月号 および、2月号に掲載されています。それ以外は知りません。 以下は9月号に掲載された全文です。

口腔内カンジダ除去の必要性
 カンジダの歯肉への感染により、毛細血管周囲のコラーゲン線維が弛緩し、毛細血管の一部に怒 張を生じ、内圧の低下が起きます。その結果、末端組織において低酸素症が発生し、細胞の壊死が 起きます。これが歯周病なのです。このことはリスクファクターとして、喫煙と糖尿病が挙げられ ています。
 喫煙はニコチンによる毛細血管の収縮が起き、血流量低下を招いて低酸素症をさらに激しくして います。糖尿病は毛細血管の病変が存在しますから、当然血流量が減少します。カンジダを除去す ることによりコラーゲン線維の張力が回復すれば、毛細血管の怒張は消えて組織末端の酸素濃度が上 がり、低酸素症が解消されます。そして細胞の壊死は起こらなくなり、歯周病の進行は停止します。 歯周病はカンジダを除去すれば、治癒していきます。

歯周病様の症状を4つに分類
(1)カンジタの感染した歯肉炎−(歯周病)
(2)放線菌の感染したもの
(3)細菌感染による炎症
(4)Ca括抗剤、その他の外来刺激によるもの
 上記(2)〜(4)は歯周病とは考えない。
(2)の放線菌の感染した歯肉は腫脹し、軽度の刺激でも出血がときに激しく、赤い肉芽が認められ ます。口が開きにくいとの主訴がある場合は疑うべきです。ペニシリンに感受性があります。
(3)の細菌の急性炎症は歯周病とは考えない。二次感染です。
 細菌による歯肉の慢性炎症は、長い歯周病研究の歴史上いまだ、1例も観察されていない。病理 組織標本として捉えられていない。写真が存在しないことが証拠です。
(4)はCa桔抗剤その他の築剤が歯肉に副作用として腫脹を起こしたものも除く。
真菌の感染した歯肉炎を歯周病と定義すべきです。歯肉に病変が存在するときは、生検を行い鑑 別診断して、適切な治療を選択すべきで、安易に一律な治療を行うべきではありません。

 歯周病の治療法は、プラークにカンジダが存在するかを直接位相差顕微鏡検査で確認し、存在す る場合は、抗真菌製剤(ファンギゾン、イトリゾール、フロリードゲル)を内服させます。2〜3 日で歯肉の色が白味がかったピンク色に変化してきます。正常な血流量に回復したことがわかりま す。

 高齢者に多い嚥下障害による誤嚥は、カンジダ症により、喉頭、咽頭の粘膜が知覚鈍麻し、嚥下 反射が円滑にできないのが原因で、これはカンジダを除去することによって誤嚥が起きなくなりま す。また、リウマチ患者の口腔からカンジダを除去し、ビタミンCを1日600mg以上内服させますと 症状は軽減します。
 口腔衛生でまず行わなくてはならないのは、カンジダの徹底的な除去であり、予防されなくては ならないのは、カンジダの再感染です。
 口腔からカンジダの除去を行うことこそが、歯科医師の使命であると思います。
          河北 正●神奈川県・開業
以上、全文引用

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