日付、時間:Tue Feb 6 9:24:42 Japan 2001
氏名: N.K
所在都道府県:千葉
職 業:会社員
年 齢:33歳
性別: female
質問:
はじめまして、いつもこちらのホームページを拝見させていただいております。矯正の後戻
りによる歯の噛み合わせについて悩んでいます。
現在、上下左右1番が歯列より5mm強飛び出し、特に、左上1番が下1番に比べて出
っ張りが少ないので過剰に当たり、それを防ぐためにあごを右にずらしている状態です。噛み合わ
せる角度によってたまに左上1番に鈍痛があり(歯ぎしりをした翌日だと思うのですが)、口が閉じ
ずらく、口を閉じると、顔に力が入り、目、首、肩の疲れを感じます。
元々歯列がかなり尖形で、上の左右中切歯2本がかなり出っ歯で、下の第二小臼歯は生えるス
ペースがなかった為、中学生になってから、歯列の内側の下(舌の下)に生えてきました。上下第
二小臼歯を抜いて、高校3年〜大学2年生まで矯正し、その後リテーナをつけていましたが、22才
頃から、急に激しい歯痛が頻繁に起こるようになり、大学病院で診察したところ、リテーナーのせ
いかもしれないといわれたので、外しました(後で、歯痛は親知らずが真横に埋伏して生えていた
ため、下額神経を刺激していたからだとわかりましたが)。その後、後戻りをしはじめ、26才頃に
は現在のような状態になりました。
矯正した歯科医に相談したところ、従来の矯正には限界があるので、今ではそちらでは、永久
固定式の見た目にはちょっと抵抗がある矯正しか行っておらず、元々難しい矯正だったので、再
矯正するより下左右1番を抜髄して削って調節するしかないと言われました。東京医科歯科大の
矯正科でも相談しましたが、矯正すると歯の根が短くなり、大事な細胞を潰してしまうので再矯正
は辞めた方がいいと言われ、上下の歯が当たった時の痛みは歯根嚢胞のせいなので、
その治療をしたほうが良いと言われ、近所の歯医者で5、6回根管治療をしましが、治療最終日は、
「まだ、膿がつくなぁ」と先生が言いながらも、その日は詰めて終わりました。
最近、歯医者でレントゲンを撮ったところ、左右上1番に根尖病巣がありました。噛み合わせの
研究をされている歯科医にも診察して頂き、歯列の後戻りだけでなく、高さの後戻りをしていて奥
歯が当たる前に前歯が当たっていると言われ、歯にプラスチックをかぶせて噛み合わせを調節す
る方法が有るとのことでしたが、全て自費治療になるとのことなので、躊躇しています。もともと、
歯質がかなり弱く、抜髄した歯が7本、(右上1、2、6番、左上1、4、6番、右下6番)治療していな
い歯は下左右1、2番しかない状態です。
顎関節症になり、歯ぎしりもひどいので、ナイトガードをしていましたが、顎関節症の方は小康状態
ですが、歯ぎしりの方は治まりませんそれで以下の点を教えて頂きたく思います
● 再矯正をした方がよいのか?
● 自費でプラスチックをかぶせて噛み合わせを調節した方がよいのか?
また、それによって虫歯ができやすくならないのか?
自費による噛み合わせの治療は妥当なのか?
● 目、首、肩の凝りはやむをえないこととして、このままの状態の方が良いのか?
● 歯ぎしりによって、数日で歯が大きく回転したり動くことがあるのか?(最近、右上4番が大きく
回転して5番との間に隙間ができています)
大変長々と要領の得ないメールで申し訳ございません。よろしくお願いします。
数日というと語弊がありますが、比較的短期間のうちに歯は移動しますしかみ合わせも変化し
ます。“目、首、肩の凝り”は咬合が不安定なために生じる歯軋りによって引き起こされたものと
思われますので、まずかみ合わせの安定を最優先すべきだと思います。
その際、“歯にプラスチックをかぶせて…(スプリント)”は無用のように思いますが、実際の咬合
関係を把握していないので“?”。
何よりも的確な根管治療で根尖病巣を治癒させて、必要なら下顎前歯を抜髄してでも、また補綴的
手法を借りてでも早く安定した咬合を獲得するのが最善だと思います。この場合ネックは、下顎前歯
の抜髄ですが、再矯正のリスクを秤にかけると“適切な根管治療”の下で補綴を行うことが最善の策
と思います。
ちなみにスプリントとムシ歯の関係ですが、環境的にはムシ歯発生の可能性は高くなるはずです。
しかし現実の問題として、明らかな因果関係を示唆するようなムシ歯はお目にかかったことがありま
せん。ムシ歯発生のリスクがあるから治療をどうするかではなく、治療する必要があるとするならば
ムシ歯発生のリスクは無視できる程小さなリスクです。