規則に従えば患者さんの不信を招くような保険規則がある限り…
レセプト開示

日付、時間:Tue Feb 13 10:09:17 Japan 2001    氏名: UGA   
所在都道府県:東京   職 業:学生   年 齢:22歳      性別: female  

質問:
はじめましてHPを拝見させて頂いております。さまざまなトピック、大変勉強になります。 今回、相談がありまして、お答え頂けましたらと思いまして突然ではございますが、メールさせて頂 きました。
私は現在、東京文京区にある歯科医院に 通院しております。 現在、上歯右1・2番の差し歯の作 りかえにあたって 先生より説明を受けました。 保険内で行うか?外で行うか? 費用等について です。

  1. 仮歯の費用は、保険内で仮歯を作成する場合請求できないとのことですが、保険外での 作成の場合は請求されることもあるということですか?
    先日、歯科医院で「仮歯の費用として 5000円頂くことにしております」 と説明されたのですが、こ れはいかがなものなのでしょうか?
  2. また、先日、レセプトを見せていただきたいと話したところ、歯科医師会でレセプト開示にあたって 、許可が必要である、  いろいろと手間がかかる等の理由で結局みせていただくことができません でした。口頭での説明は少しうけているのですが、 レセプトを患者に開示する義務は歯科医師には ないのですか?
  3. 差し歯の作成にあたって、契約書、保証書などはぜひとも頂いておいたほうがよいのですか?
    実際のところ、どの程度(%)の医院で契約書などを作成しているのでしょうか?
  4. 差し歯の作成にあたって保険内と保険外のものとの違いについて説明を受けたのですが材料の 違いは分かったのですがその他に技工士さんも違うというような説明や歯の作成段階で顕微鏡を 使って作成する(保険外の場合?)といったことを聞いたのですがこの技工士さんの違いもしくは、 同一技工士さんでも保険内の場合と保険外とでその仕事に違いがあるといったことや作成段階で の技術面の違いなども実際にあるのでしょうか?
    また、具体的に歯科医師に説明を求める際のポイント等ありましたら教えていただけますでしょうか?
私は今、大学3年で看護の勉強をしています。 医療従事者の一人として、今の医療体制及び診療報 酬体系に非常に疑問を感じております。 一人の患者として、自分が受けた治療の内訳 費用明細を みることさえできない、この現状に非常に腹がたっております。現状では、まず歯科医師を疑ってか からなければならないということは、患者としても非常につらいですし、 まじめに仕事に従事されて いる諸先生方に対しては非常に失礼な話だと思います。
お忙しいところ、突然のメールで大変恐縮ですが、 ぜひご回答いただけましたらと思います。

メールアドレス: uga@pop02.odn.ne.jp   ホームページURL: http://

回答  一般に前歯部補綴における仮歯の費用は保険に採用されていません。特殊なケースでは¥500 程度の支給がある場合もありますので、おそらく厚生省は「必要に応じて製作は可能です」という 答弁になると思いますが、現場の実情ではその様なケースがないとは言っても過言ではないでしょう 。患者さんと医師の信頼関係を裂くような規則に失望しています。患者さんのニーズが高いので保 険診療でも仮歯を製作している医院もありますが、金銭的な保証はなくいわばサービスのようなも のです。
 一方保険外の場合は金額設定が自由ですので、仮歯を含めて一括10万円という場合もありますし 仮歯は別途¥5000というケースもあります。勿論仮歯を含めて10万円とか7万円もあります。この 仮歯の費用も全くの保険外ですので、保険請求されることはありません。
 そこで、グレーゾーンになると思いますが、保険治療中でも仮歯は別途¥5000というケースも生じて きます。特に都内では、技工士さんに頼んで綺麗な仮歯を作って¥5000という話はよく聞きます。

 レセプトの開示義務は今のところないはずです。方向としては開示の方向に向かうはずですが、 道は結構遠いと思います。現実に不正請求を隠す目的もありますが、もっと単純な理由の方が 大きいと思います。自分の書いた手紙や日記を見られたくない、試験の答案を見せたくないという のとかなり共通しています。他人に公開する意思のない記録は、字が汚い、誤字があることを皮切 りに、省略、勘違い、書き漏らし、事実であっても規則に沿わないなど本当に見せたくない理由が 一杯です。
 雑誌に取り上げられる様なカルテでも、審査官にかか れば欠点を見つけて、まるで犯罪人のような扱いを受けます。一般レベルからみると95点以上の 完璧に近いはずのカルテもボロクソです。95点もとっていながら、60点くらいしか取れない人間に -5点を指摘されるような屈辱があります。
 規則に従えば患者さんの不信を招くような保険規則がある限り、開示用のカルテやレセプトの 作成は難しいように思います。

 契約書に関しては、自主的に発行している医院もありますが(比率は不明)、それを要求する のはいかがなものでしょうか。レセプト開示、契約書の請求を求めなくてはならない程信頼関係が ないのであれば、転院された方が双方にとって精神的メリットは大きいと思います。

 補綴物の違いについては、材質の違いとそれに伴う製作工程の違い以外に基本的相違は ありません。顕微鏡云々は必要に応じて使うこともある程度の違いです。それこそ、顕微鏡を 使わなくっても、それ以上の作品を作る技工士さんも多数いらっしゃいます。“顕微鏡=高品質” は間違いの元、「顕微鏡を使わないとできないの?」とか「顕微鏡を使ってこの程度?」という 事実もあります。
 「保険内/保険外、同じ気持ちで作っている」と技工士さんは言いますが、厳密には絶対取り組 みが違うと思います。どの業種でもおなじでしょ。それよりも、技工士さんの腕の違い、更には土台 を作る歯医者の腕、根管治療を始めとした基礎治療の違いの方がはるかに大きな違いが現れ てきます。

返信:
>  レセプトの開示義務は今のところないはずです。方向としては開示の方向に向 かう はずですが、道は結構遠いと思います。

 勉強したのですが、歯科医にはレセプトの開示義務はないようですね。 ただし、患者が保険者 に請求をした場合は、 保険者から歯科医に ’患者にレセプトを見せても診療上の問題はありま せんか?’という 問い合わせがいくそうです。 これは、歯科医にレセプト開示の拒否権があると いうわけではなくて、 たとえば癌などの場合で患者に告知がなされていない場合を想定してのこ とということで、 それ以外では原則開示されるそうです。実際、これまで開示請求をした場合に、 開示が拒否されて開示されなかったということは上記の場合を除いてはないそうです。

>  現実に不正請求を隠す目的もありますが、もっと単純な理由の方が大きいと思います。 自分の書いた手紙や日記を見 られたくない、試験の答案を見せたくないというのとかなり共通して います。他 人に公開する意思のない記録は、字が汚い、誤字があることを皮切りに、省略、勘違い、 書き漏らし、事実であっても規則に沿わないなど本当に見せたくない理由 が一杯です。

 それは納得できます。しかし、患者にレセプト・カルテを見る権利はありますので、どのような理由 があっても開示はして頂きたいと思いますし開示に向けて、記録のあり方なども考えていかなくては という動きが現在あるのですね。

 お忙しいところ、質問に答えていただきましてありがとうございました。私は、今東京の大学で看 護を学んでいます。もうすぐ、(あと1年後)自分自身も医療従事者として現場に出ることになります ので、それまでいろいろと勉強をしたいと思います。今回、自分自身の経験を通して医療や看護の 経済評価ということや診療報酬について非常に興味を持ったので卒論でこのあたりを行おうかなと 考え中です。まだまだ、勉強不足ではありますが、現状の診療報酬体系に多くの問題があること、 また医療の改善のモチベーションとして診療報酬が大きな機能を果たしうるということを実感してお ります。

本当にありがとうございました。これからもHP拝見させていただきます。また、質問をさせていただく こともあるかと思いますがよろしくお願い致します。

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