象牙質知覚過敏症は、歯髄との距離とは関係ない。
知覚過敏の正体

日付、時間:Wed Feb 14 0:26:12 Japan 2001    氏名: Y   
所在都道府県:岡山   職 業:会社員   年 齢:24歳      性別: female  

質問:
歯がとても痛くて今日病院に行きました。虫歯ではなく知覚過敏と言われ、原因は 歯軋りと言われました。
 あまり酸っぱいものを取らないようにと、歯を守ってくれる歯磨き粉だけもらって帰りました。私 としてはもっとちゃんとした治療をして欲しいのですが、医院選びが良く分からないので、教えてく ださい。それと、歯軋りのせいか、犬歯上下左右4本共縮みきっています。とても染みるし見た目 も格好悪いです。もう削れてしまった歯は元の形には戻せないのでしょうか?

メールアドレス: urayu@poppy.ocn.ne.jp   ホームページURL: http://

回答  ムシ歯で歯が滲みるのは、ムシ歯による歯質の変質が歯髄に及び歯髄が炎症を起こしすからで す。一方歯科領域で知覚過敏といわれる症状は、ムシ歯による実質欠損のない状態 を表現することが多く、これを区別して象牙質知覚過敏症と言います。

 この象牙質知覚過敏症の原因は、一般に“動水力学説”という独特な理論で説明されています。 現実にこの理論に従って治療したり説明すると多くの矛盾点があって所定の効果が得られず、治療 現場では多くの混乱が生じているように認識しています。私はこの理論を全く信じていませんので、 一般認識とくいちがいがあります。

 象牙質知覚過敏症は、歯周疾患進行にともなう歯質(象牙質)の変質が歯髄に及んで起こる歯髄炎 と、無髄歯にもみられるような歯肉炎症が歯根膜に波及して起こる場合とがあります。歯軋りによる 知覚過敏は、この中間形のような存在で、過度な咬合圧が歯根膜の炎症を惹起して発症すると考え られます。
 治療方法として、歯周疾患の場合は歯石除去と変質した(であろう)象牙質の歯質改善。歯軋りに よる場合は、過度な咬合圧を緩和するために咬合調整を行います。象牙質知覚過敏症の原因が、 歯髄との距離とは関係ないことを理解しておかなくてはいけません。

 しかし、ただでさえ滲みる歯の歯石を取ったり、磨り減った歯を削ると一時的に症状が増幅しますの で本当のメカニズムを正しく理解してもらわないと不信感を招いてしまいます。私っも治療するたびに 言い訳がましくくどくど説明しますが、「たただか¥400のために…」と思うとやりきれない気持ちです。

 結論として、磨り減った部分を元に戻すところか更に削る(ほんの少しだけです)のが正解だと思い ます。磨耗がエナメル質を通り越して象牙質に達して、くぼんだような形態の場合は(象牙質の方が 柔らかいので)くぼんだところにレジン充填を行って形態修正を行うことも可能です。

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