片側性に起こるものを一般にベル麻痺(Bell's palsy)と言います。
顔面神経麻痺

日付、時間:Thu Feb 22 10:51:25 Japan 2001    氏名: n.i   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:31歳      性別: female  

顔面領域の神経
質問:
こんにちは。海外(米国)に住む31歳の女性です。10日ほど前に右下奥歯(6番) のROOT CANALの治療を受けたのですが、1週間後にレントゲンで見た経過も良好で安 心していました。ところが、その治療日から9日目に治療したのと同じ右側が顔面神経麻痺 になってしまいました。考えられるのは、その治療の際、麻酔を3本打ったのですがそのう ちの一本の麻酔を打った際に舌の先まで電気が走ったようにズッキ−ンとし、体が震えるくらい の、歯科医での麻酔注射ではこれまで経験したことのないような異常な痛みを体験したことくら いです。
 すぐに主治医が診察してもこれと言ったフィジカルな原因は不明で、結局、原因不明の「ベル 麻痺」と診断されました。当の歯科医にもまず一番初めに診てもらいに行ったのですが、彼い わく、眼の下のあたりから後頭部上部の辺りの神経からくる麻痺なので、自分の打った麻酔( 右下顎部にしか打っていないので)によるものではないと言っていました。
 確かに麻酔を打った後、約5.6時間で麻酔は切れていたように記憶していますし、9日もたった 後ににわかに顔面麻痺になるのはちょっと不自然な気もします。ただ、あの麻酔時の痛みは尋 常ではない様に思いますし、本当にこの場合、歯科医の麻酔で顔面麻痺を引き起してた可能性 は絶対にないのか、先生の率直なご意見を伺えたらと思い、すがるような気持ちでここに質問さ せていただきました。どうぞよろしくお願い致します。

メールアドレス: honeyspanky@hotmail.com   ホームページURL: http://

回答  顔面神経麻痺は、中枢部の障害によって起こるものと抹消の障害によって起こるものがあり、 障害された場所によって随伴症状(発症部位)が異なります。末梢性顔面神経麻痺のうち、 片側性に起こるものを一般にベル麻痺(Bell's palsy)と言います。

 毎日のように麻酔をしていると、筋肉の隙間?に麻酔液が入り込むのかどうか分かりませんが、 「今まで麻酔をして、こんなに痛い思いをしたことがない」と苦情をいわれる事って、年に1回くらい あります。術者サイドからすると「何だったんだろう。まっ仕方ない」程度の認識ですが、患者さんに とっては医療不信の大きな要因でしょうね。
 「冷たい風が当たって」ということも原因の一つに考えられている繊細な神経の障害ですから、何 が災いするか想像できない疾患ですから、9日経って現れた症状の原因として全く否定することは できませんが常識的にはちょっと麻酔との因果関係は考えられません。

 ある程度確実にいえることは、下顎大臼歯部の麻酔であったことから、神経障害を生じたとしても 現れる障害が下顎神経の支配領域に限られるはずです。つまり、顔面神経麻痺の症状として有名な まぶたが閉じないとか、上唇周辺の異常があるとすれば麻酔との因果関係は否定されます。
 反対に、下顎口唇中心に痺れや麻痺があるとすれば麻酔との因果関係も否定し難くなるという ことでしょうか。

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