歯髄が確実に壊死していることが判明した場合には、抜髄というよりも感染根管治療。
根尖病巣

日付、時間:Tue Mar 13 22:09:57 Japan 2001    氏名: J.M   
所在都道府県:神奈川   職 業:その他   年 齢:33歳      性別: male  

質問:
質問させていただきます。歯科治療をしていますが、先日、レントゲンをとっていただ いたところ、いままで治療もしたことのない健康な歯の根のところに病巣があるというこ とで、抜髄が必要ということになりました。
原因について伺ったところ、わからないが歯槽骨が溶けているということでした。根管治療の不 備が原因というのは、このHPでもよく拝見しますが、健康な歯の根にできる場合、どんな原因が 考えられるのでしょうか。また、ほんとうに抜髄が必要なのでしょうか。歯がもろくなると聞きます ので、避けたい処置です。
 歯の病気は、全身疾患につながるとも聞きますし、体のどこかに異変があるかもしれないと心 配になってます。現在、体調の異変はありません。(花粉症はあります。)該当歯は、左下5番で 、前後の歯の治療経歴もありません。先生のご存じの範囲でかまいませんので、よろしくお願い します。

ご意見・ご感想:
ほんとうにいろいろ勉強になります。自分の体のことなので、他人まかせに ならぬよういろいろ勉強して、よりよき治療の糧にしたいと思います。

メールアドレス: j_nacky@hotmail.com   ホームページURL: http://

回答  歯周疾患末期では、象牙質知覚過敏の末路として歯髄壊死から根尖病巣に発展するケースが あります。年齢的にも歯周疾患による歯髄壊死は考えられませんし、治療後の歯髄壊死もない ようですね。一番考えられるのは、外傷(打撲や過剰咬合圧)です。
 それ以外ですと、歯髄の生死に係わらず発生する嚢胞がたまたま根尖部付近にできたという ことも考えられます。また、下顎の小臼歯部分ですと下顎神経の開口部がありますのでレントゲン 的に病巣と間違えることもありますし、それ以外の場所でも似たような可能性があります。 症状もないようですので、もう少しゆっくり経過をみてからでも遅くは無いように思います。ただ、 歯髄が確実に壊死していることが判明した場合には、抜髄というよりも感染根管治療ということ になりますので速やかな治療が必要です。

 全身疾患への関連については、可能性を挙げればキリが無い反面現実にはほとんど存在しない 可能性に備えるのもどうかと思います。


質問:Wed Mar 21 0:17:48 Japan 2001
  3月13日に健康な歯の根のところに病巣ということで、質問させていただきました。しばらく経 過をみるということで、治療を進めていただこうと考えています。先生のご回答では、いろいろな原 因が想定され、「歯髄が確実に壊死していることが判明したら・・」とありましたが、現在の担当医 のかたは、レントゲンで根尖病巣、抜髄と判断されました。もっと別な方法で確認できる方法があ るのであれば、提案したいと考えておりますが、あるのでしょうか。よろしくお願いします。

ご意見・ご感想:
先日は、ご回答ありがとうございました。皆さんの質問と先生の回答は、患者 である自分に歯科治療の大事さを痛感させてくれて、ほんとうに勉強になります。

回答:
 電気的に歯髄の生死を診断したり、熱いモノや冷たいモノを歯に触れさせて診断する方法もあり ますが何れもそれ程正確な診断とはなり得ません。打撲など過去の既往(激しくしみた時期があっ たとか)も重要な手がかりです。その反面、何の覚えもないままに歯髄壊死→根尖病巣に発展する 事例は実際に存在します(原因不明)。
 1枚のレントゲンだけで診断するのではなく、複数枚のレントゲンと上記の結果や該当歯の打診 痛の有無を総合的に判断して決定してください。

 但し、私もほとんど「原因不明の根尖病巣」として根管治療をすることに賛成です。無用な抜髄に よる歯牙の損失は勿論阻止すべきですが、反対にそのまま放置しておいて周囲の歯を巻き添えに してしまうリスクも考慮すべきでしょう。

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