現代歯科医学の限界を過剰評価した結果の不信感だと思います。
思わぬ方向に

日付、時間:Tue Mar 27 12:57:01 Japan 2001    氏名:    
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:33歳      性別: female  

質問:
<歯>★「左上の一番奥の歯(第二大臼歯(7番))」についてご相談します。 (過去の経緯)

<経緯>*************************
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ご意見・ご感想:だんだん、何を信じればいいか、どうしたらいいかわからなくなってます。歯を大事 にして予防したくて、歯医者さんに通ってきたつもりなのに。一生付き合える歯医者さんに巡り会い たいのに。 四六時中、考えてしまうというのはこの状態をさすのだと知りました。他の事も手につかず、夜には 不安で泣けてきます。小さい時から母が「歯は大切に」と歯磨きや食事もきちんと気を遣っていてく れてたましたし、今も「あなたにお金がないならお母さんが夜中に内職してでも治療費作ってあげ るから。しっかり治療を」と言ってくれて。今まで半年に一度は何の症状もないのに歯医者さんへ チェックしに行ってましたが、毎回、ついでだから外して入れ替えようと言われるままにやってきま した。 予防のため、歯に気を遣って、神経質に歯医者さんへ通い続けていた自分が馬鹿らしく思 えてもきます。(情報を得れば得るほど、世間ではいい加減な歯医者さんがいることもわかってきて 悲しいです)とっても真面目に歯を大切にしたいのです。心の痛みを分かって下さる先生に巡り会 いたいです。

回答  「どのような状況でも治療すれば治る」という前提に基づいた発想で、ごもっともな要望ですが 現代歯科医学の限界を過剰評価した結果の不信感だと思います。

 我田引水的な評価ですが、凍傷にかかった指はキリ落とさなくてはならないという常識を打ち破 って、歯は神経を取ればまだ使える可能性があるという次元の歯科医療です。発展途上 国では、今でも抜髄しなくてはならないような歯は抜歯しています。日本でも昭和20年代までは、 痛みのある歯は抜歯が常識でした。抜歯しなくっても歯の神経を取れば一生使える可能性がある という実績を踏まえて現代の歯科医学が存在しているわけですが、可能性があるだけで神経を取 った歯が生涯使える保証がほとんどないのが現状です。

 抜髄と同時に予後不良なケースや、数年後に症状を現すケースなど宿主の抵抗力や歯科医の 技術格差により経過に大きな開きがあるものの、抜髄した歯がいずれたどる末路だという認識が 不足しているように感じます。
「神経を取ったら永遠に不滅」は間違い!!
「神経を取った歯は何時かダメになる。生涯保つのは夢の夢」

 今回の一件は、元をただせば抜髄した時点での治療レベルが最大の焦点です。二次カリエスによる 歯牙喪失も重要ですが、当初の根管治療の出来栄えが今回の不信感を招いた張本人です。  ムシ歯の確認は削り取った段階で十分観察していますので、パフォーマンスとしての確認は不要で す。ムシ歯の確認が目的であったならば、即座にクラウンの再生は当然の処置だったと思います。 問題は、過去の根管治療の出来を双方が問題視しなかったことだと思います。その結果再製した クラウンが過去の根管治療の不備ゆえに適合しなかった…。

 その事実を受けて治療された先生が、根管治療の不備を指摘して治療されたことは当然の成り行 きだと思います。あなたにとっては、「痛みが無かった歯」という認識ですが、クラウンを装着してしっく りこなかったことが最大の症状です。それを解消するには再度の根管治療以外に解決の道はありま せん。その根管治療の治癒率を凝視すれば今の状況は想像の範囲内です。今の状況を打開する には、日本でも有数の神業師的な根管治療の達人に託すしかないのかも知れません。

   一度死にかけた歯を二度目に助けられなかったことを恨むよりは、今何事もなく機能している健全 な歯を生涯機能させるための努力を続けることがいかに大切であるかを再認識して二度と同じ過ち を繰り返さないようにしていただきたいと願います。


質問:Wed Mar 28 9:57:43 Japan 2001
  ★昨日、「左上の一番奥の歯(第二大臼歯(7番))」についてご相談した者です。早々に御回答 頂き有り難うございます。歯を大切に意識してきたとはいえ、歯科医療を過信し過ぎであったことは 確かです。今後、歯を大切にしていく為に、しっかりと認識するためのきっかけとなったと思っていま す。先生のお答えを見て、初めて本当の意味で「歯」を認識した気がします。本当にきちんと考える ことになり、感謝しています。
 どうしても、私達は先生方をスーパーマンととらえてしまいがちです。その前に歯科医療の現状など を含め根本的なことを認識しておかないと先生との間に溝がうまれ、いつまでたっても信頼関係は 築けないのだと気付きました。先生にもっと早く巡り合えればよかったと思えます。さて、そのうえで 再度質問させて下さい。
  1. 4つ目の根管治療の第2回目以降、発症し続けてるつぎの症状は改善されますか?
    ・左耳自体の上部が熱い。(耳がほてっている感じ) 
    ・左の目頭と鼻の頭の付け根の奥の方に弱い痛み、不快感。  
    ・こめかみのやや後ろ付近(耳の付け根の上あたり)が痛い。(弱い頭痛) 
    ・今日は、右頭部もちょっと痛い。  (もともと頭痛や耳痛には縁がないのですが...) 
  2. 4つ目の処置開始後、抗生物質をもらっていないのですが、大丈夫ですか?
  3. 歯にヒビが入っている現状ですが、根管治療終了後、普通にクラウンを被せることになるので すか?  
    ヒビが見つかる前から「根管治療をちゃんとするかわりに被せは自費」と言われました。「それで 長くもつのだから結局は安い」と言われ納得しましたが、もし抜歯するのが目に見えてるなら、保 険でも良いのでは?と思うのですが、どうお思いですか?
  4. 河田先生のお返事に『問題は、過去の根管治療の出来を双方が問題視しなかった結果、再製 したクラウンが過去の根管治療の不備ゆえ適合しなかった..』とありますが、クラウンで何らかの症 状が出たことは一切ないんです。
    今後の為にお伺いしますが、クラウンとは2-3年に一度交換するものなのですか? 今回、根管治療をすることで発生する症状等はいっさい説明を受けてなく、「100%...う〜ん、まぁ 99%大丈夫だから症状のない今のうちにやっておこう」と言われ、もっと簡単なものだと思ってい ました。
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本当に先生に診て頂きたいのですが、仕事や距離のため現状として無理です。歯を健康に保ってい く為、ホームドクターとなっていただける先生を東京で探したいのですが、ご紹介やアドバイス頂けま せんか。 

ご意見・ご感想:
私にとっては、河田先生に言われたことが目からウロコでした。私がずっと先生 に求めていたものを河田先生にみたという気がします。お互いの現状を理解しあわないで過信ばか りでは行き違いがふえ不幸ですよね。本当にもっと早くこういうサイトに出会いたかったです。

回答:
 治癒するかどうかの予測は難しいですねぇ。4根管目の治療が的確に行えるかどうかの問題と、 痛みの原因がヒビ割れかも知れないという懸念があります。クラウン装着後の違和感もその辺に 原因があったかも知れません。それらが的確に処理することができれば治癒の可能性もあります。  今回の治療前に痛みがなかったということですが、レントゲン的に根管治療の不備があったこと は事実でしょう。その異常は、いつか今のような症状を呈することになったと思います。それがたま たま治療した刺激により時期が早まったものと思われます。

 ですから、結果論的に正しい対応は、「レントゲン的に根尖病巣がある?ので、いつか炎症を起こし て痛みがでることになるでしょう。症状が出てからでも根管治療の治癒率は同じですので、今回は 根の治療はあえて行わないでクラウンの再製だけにしておきましょう」ということで治療を始めるべき だったと思います。
 不幸にもその症状がクラウン再製直後にでてしまったようですので、「折角装着したばかりですが、 根尖病巣が活動しだしたようですので、クラウンを除去して根管治療を行いましょう」という手順という か説明が為されていれば不信感は芽生えなかったはずです。

 根管治療後の経過については、歯の状況や技術的な問題がありますので必ずしも治癒する見込 みがあるかどうかは分かりませんが、なかなか解決しないようであれば、根管治療の名医(場合に よっては大学病院)等に転院することも念頭に置かれた方がいいかも知れません。
 術後の補綴物については、文句なしに保険内のクラウンで十分です。2年ごとの再製はちょっと やりすぎ→二次カリエスが確認された時速やかに再製(約5〜10年周期)が適当だと思います。 保険外のクラウンだから長持ちするなんて信じちゃダメですよ。材質的な要素は1%程度。根管治療 の良し悪しや歯周疾患やムシ歯に対する手入れやメインテナンスが予後を大きく左右します。

 最後に薬の件ですが、薬は症状を緩和したり治癒を促進する効果はありますが、処置が適切で あれば薬の有無に関係なく「治るものは治る」というのが原則です。


返信:
お返事いただき本当にありがとうございました。一週間に一度通院なので、明日の夜(3/30)、 歯医者さんに行くのですが(3根管の5回目、4根管目の3回 目)...。
★現在、頭痛はないですが、こめかみ付近の弱いモワーンとした感覚はあります。また、昨夜から ノドの辺に左の鼻のほうから何かがおりてくるような感覚がありま す。ゴクンとするのですが、切れ ない感じで...。(花粉症などはないです) 今回の歯のことと何か関係がありますか?

*今行っている先生は、全て一人でやっておられるのですが...。下町のお医者さんって感じのノリ の方。行く時間がいつも最後なこともあって、診療後ほぼ毎回1時間ほど、いろいろなお話を聞きま した。
  ★河田先生にも言われたように『過信』しすぎの自分を含め、それらを理解した上でつぎこそは信頼 関係を築けるようなおつきあいができるよう努めるべく先生探しをしますが....
 少なくとも、今の治療状況からして、根官治療の充填(?)まではその先生のところへ通うのがよい ですよね。(素人ながらにそう思うのですが...)
★もし、歯を抜いたらそのあとはどうなるのでしょうか?
 そのままでも問題はないのですか?両隣に歯がある場合は、歯がずれてくるといいますが、左上7番 の歯で、親知らずはすでにないです。

このようなメールで度々質問をしておりますこと、河田先生には本当に本当に申し訳ないと思ってい ます。わかってはおりますが、現段階で他に相談するところがないのです。本当に申し訳ないのです が、何卒アドバイス頂戴したく深くお願い申し上げます。

PS、私は京都出身なのですが、今東京にいることが本当にもどかしいです。
  先生のところに行けないのが本当にもどかしいです。最近、ずっと実家からは関西へ帰ってこい と言われていましたが、今回本当に帰る方がいいのかなと歯の一件で思いました。不安で頼るとこ ろもなく、ここしばらく食事もろくにできていません。1日におにぎりやサンドイッチを一つ食べる程度 です。食べると治療中の歯のヒビが割れるのでは..と思うと...。
  左の横の噛み合わせも、前の歯医者さんでクラウンを外して以来、食事中に一度は「ギィー」っと きしむ感じがあり気になっているのです。左の噛み締め力も強いように思えます。(右に比べて噛み 合わせが高いと思います)

  東京にも河田先生のようにいいことも悪いことも指摘していただけ相談できる先生がいらっしゃ ればいいのですがネット上でしか探す手段もありませんし。本当に河田先生、申し訳ありません、 お忙しい中を承知でメールしておりますことお許しください。

回答:
 東京の下町的な雰囲気は大好きです。錦糸町あたりを中心に結構ウロウロしていた時期もありまし た。治療方法とかについて共通点のあるドクターの知り合いはいませんが、下町的な雰囲気で人間的 には絶対の自信をもってお勧めできる先生がいますので、よろしければ一度相談に行ってみて下さい。
東京都江東区森下1-15-3  пF03-3633-5668
小山歯科医院  小山 主之(かずゆき)先生
地下鉄の森下駅の近くですが、ちょっと分かりくい場所ですので電話で確認してから行って下さい。

 現在ある症状は、おそらく問題の歯に起因していると思います。今の先生は根管治療に自信をお持 ちのようですのでもうしばらくはお任せしてみいてもいいかも知れません。費用的な心配に関しては、 小山先生なら保険内で十分対応してくれるはずです。最悪、抜歯になった場合でもきっと丁寧に対処 してくれると思います。

返信:
お礼が遅くなりました。前回長々とメールをさせていただいていた者です。丁寧にアドバイスくださり ありがとうございました。
 3/30(金)に4根とも詰めたのですが、その後、頭が痛いなどといった症状はなくなりました。また、 先日友達に紹介してもらった歯医者さんへ行ってみました。ヒビが入っている歯も、現段階では抜く 必要はないと言われました。
 有り難うございました。次回からはもっときちんとした質問の仕方ができるかと思います。 お伺いしたいこともありますので、今後とも宜しくお願い致します。

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