日付、時間:Wed Mar 28 13:37:56 Japan 2001
氏名: KZ
所在都道府県:埼玉
職 業:その他
年 齢:23歳
性別: male
質問:
こんにちは、23歳の学生です。二月ほど前に上顎左の第1小臼歯と第1大臼歯
を治療しました。神経は抜かずにインレーを詰めてもらったのですが、その頃からほぼ毎日
数回圧迫されるよう痛むようになってしまいました。
激しい痛みではなく憂鬱になる程度のものですが、気になって仕方がありません。その他
の痛みですが、冷たいものと熱いものはちょっとしみます。歯を叩いても響きませんが、とき
どき浮かんでいるような違和感を感じて歯を食いしばってしまうことが多くなりました。いくつ
かの歯科医に相談しても「神経は生きている」といわれ薬を塗るだけの治療しかしてもらえ
ず、効果は全くありません。
この2つの歯は現在どんな状態なのか、どんな治療をすれば治るのか、教えていただけない
でしょうか。神経を抜くのは覚悟しています。どうか宜しくお願いします。
歯髄炎ですので最終的な解決方法は抜髄ですが、同じ抜髄するにしても症状の明らかな
方だけの抜髄にとどめたいものです。抜髄すれば、抜髄したで新たな火種を抱えるようなもの
ですから、歯科医としても出来るだけ避けたい処置であることでは全員が一致しています。
抜髄の前にまずは歯髄炎の鎮静ですが、象牙質知覚過敏と違って薬物塗布はなかなか
所定の効果が得られません。消炎鎮痛剤の内服(5日程連続して服用すれば効果が期待
できます)やレーザー照射(設備の有無を確かめて)も効果的なこともあります。
さらには、抜髄を念頭に、一旦インレーを除去して、切削面に直接フッ化ジアミン銀(サフォ
ライド)などの薬剤を塗布するのも一つの手段です。それらを試みたのち、どうしても治癒が
見込めないばあいには抜髄ということになります。
返信:
3/28に質問した者です。親切丁寧にご回答くださり、どうもありがとうございました。
主に痛むのは第1大臼歯で、レントゲン写真では根元に影が写っていました。その歯より痛み
の間隔は短く程度も低いものの、第1小臼歯も痛むという感じです。こちらはレントゲン写真で影
は写っていなかったように記憶しています。
抜髄するとしても症状の明らかのほうの抜髄のみに留めるということですが、第1大臼歯が原
因で第1小臼歯が痛みがでるということはあるのでしょうか?
それから不思議なことがあるのですが、その2つの歯を治療した後、第2大臼歯を軽く削ってレ
ジンを詰めてもらったのですが、麻酔が切れた頃から削った第2大臼歯ではなく問題の第1大臼
歯が痛み始めたのです。同じく前歯の治療後、麻酔が切れた頃から問題の第1小臼歯も痛み始
めました。2日ほどで元の痛みまで戻りましたが、それまでは二月前から感じていた痛みよりも強
く我慢するのが大変でした。
回答:
連関痛というのもありますので、本当に痛むのがどれかが特定
出来ないケースもあります。隣を麻酔してその間は痛みが消失していたということから、問題の歯
の少なくとも1本、もしかしたら2本とも歯髄炎である可能性が高いように思います。レントゲンで確
認出来るのは、歯髄が死んでしまって数か月後ですので現在のレントゲンはあまりあてになりませ
ん。治療時の所見や過去の経緯を参考に特定するのが最善の方法だと思います。
抜髄処置をした当日の夜と翌日はズキズキ痛み、2日後からはズキズキとは痛まないように
なったのですが、代わりに抜髄前のように、重苦しいようなムズムズするような痛みが毎日数
時間おきに続くようになってしまいました。噛むと痛いのもありますが、それは河田先生のペー
ジで前知識があったので心配していません。しかし、重苦しい痛みやムズムズするような痛み
は抜髄後の痛みとして正常なのか、それとも神経の取り残しがあるのか分からず不安です。
抜髄前のように冷たい水やお湯がしみるということはないのですが、入浴などをして体を温
めるとジーンと痺れる感じで痛むのは抜髄前同様で、歯と歯茎の境目を押すと歯茎がムズムズ
した感じで痛むのも抜髄前同様です。これは一体どんな原因があり痛んでいるのか、考えられ
る範囲で教えて頂けないでしょうか。宜しくお願いします。
ご意見・ご感想:
虫歯が多く、口の中の悩みが尽きない私にはとても為になるページです。
早く治して歯磨きと定期検診をかかさないようにしたいと思っています。
回答:
“冷たい水やお湯がしみるということはない”とのことですので、“左上6番の抜髄”は正解だった
ようですね。問題は、抜髄処置が技術的に適切かどうかの判断のようですが、直接診ていないので
現時点ではその判断は出来ません。
正常な抜髄でも最低?3日程の咬合痛があり多少の痛みもあるようです。勿論、原因時点で
痛みが全く消失したということであれば「上手くいった」と言えるでしょうが、“重苦しい痛みやムズ
ムズ”があっても異常とは言い切れません。
抜歯のように原因が完全に除去され、治癒が約束されたものであっても外傷性の痛みがしばらく
あります。同様に完璧に抜髄されていたとしても数日は多少の痛みがあります。それと、世間一般に
行われている“貼薬(ちょうやく)”といわれる処置にも問題があります。私からみれば、きつい薬を
塗って治癒を阻害しているだけの処置という位置付けですが、歯医者は盲目的にこの処置を行って
患者さんを苦しめている実態が存在します。完璧な根管内の清掃が終われば速やかに根管充填
を行うべきだと確信していますが、「あと2回ほど」といわれているようですね。
そこまでは、私の治療方針を押し付けるわけにはいきませんので、もうしばらく経過をみられては
いかがでしょうか。