通常アンカーとして使う移動し難い大臼歯3本を動かすことが可能なのか?
矯正をするメリット

日付、時間:Tue Apr 10 20:01:52 Japan 2001    氏名: 茂木大介   
所在都道府県:東京   :会社員   年 齢:32歳      性別: male  

質問:
右上5番を残根状態のまま、長期間放置してしまいました。先日隣の6番の被せもの が外れたため、歯科医にいったところカリエスが進行しているため6番の根管治療が必要との診 断を受けました。その際、口腔全体を考えた治療をお願いしたところ、6番を根管治療した後、6と 7と8を矯正して5の位置まで移動させるという治療プランを示されました。質問したいのは次の点 です。

  1. 6の根管治療の処置後の補綴の材料ですがマインゴールドとかいう金合金を使うといわれて います。このコーナーで、先生は材料の違いは値段差ほどない事を指摘されていますが、先生が このような治療をするとした場合、どのように考えられますか。 保険の金銀パラジウム合金は歯 牙腐食のリスクが大きいので薦められないといわれています。 また、金含有が多い合金を選んで しっかりとした治療をする事がやり直しの利かない根管治療をした歯を長持ちさせるコツともいわ れています。
  2. そもそもこのような矯正をするメリットはあるのでしょうか。というのは、事が事ですので他の 歯医者の方にも見ていただいたのですが、その先生は6が5のほうに移動しているんで気になら なければそのままでいいのではといわれたもので・・・・。(ただ、6番は根管治療をする必要があ る点では同じ診断を受けています)また、矯正するにしても第一大臼歯は動かすべきではないと その先生には指摘されました。治療費は根管治療に10万円、矯正に50万円といわれています。 治療効果が大きければ試してみる価値があるかとも思いますが、何分二人の歯科医の方の意見 が違いますもので、判断するアドバイスを頂きたく思います。
ご意見・ご感想:
この、ページは大変参考になります。医療には個々人に受け止め方の違い があり、それぞれにベストの選択は違うものかとは思いますが、いかに多くの方が治療の選択で 悩まれているか参考になりました。日ごろの治療活動のほかにこのページを運営されていくのは 何かと大変かと思いますが、今後も続けて維持される事を希望します。

回答  まず第一に強調したいのは、長持ちさせる最も効果の高い方法は“必ず訪れる歯周疾患末期” を回避させるべくプロフェッショナル・トゥースクリーニング(毎月の歯石除去)を継続することです。 これに勝る方法はなく、これなくして治療するは砂上の楼閣同然だということです。

 メタルボンドと保険の硬質レジンでは明らかに材質的な差が認められます。ただし、これでさえ 支払う金額の差を考えると必ずしもお勧めできるとは限りません。ましてや、奥歯の材質による差 はほとんど感じることはなく、治療効率からすれば間違いなく保険内の治療が優位です。但し、これ は基礎部分(根管治療や歯周疾患)に対する備えが同じという前提です。“保険外の根管治療だけ 特別扱いする(高い補綴物は基礎部分の担保)”という医の倫理に反した治療も実在しますので、 一概に否定することは出来ません。願わくば、保険内でも最善を尽くす先生を探していただきたい ものです。

 矯正の可否についてはそれなりのメリットもあるように思いますが、通常アンカーとして使う移動 し難い大臼歯3本を動かすことが可能なのかを含めて疑問を感じます。6番の根管治療は当然とし て、5番の再生の可能性が第1点、通常のブリッジや7番からの延長ブリッジなどが選択の優先 順位だと思います。

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