痛みの程度や種類、それと過去の治療歴や既往を参考に判断します。
際どい状態の虫歯

日付、時間:Wed Apr 11 1:38:15 Japan 2001    氏名: A.A   
所在都道府県:大阪   職 業:会社員   年 齢:36歳      性別: female  

質問:
はじめまして。2年ほど歯の検診をさぼっていて、先日検診を受けてみるとレントゲン で歯髄を抜くか残せるかという際どい状態の虫歯がみつかりました。その時点では痛みはなく、 次回受診まで様子を見て痛みがなければ、歯髄を保存する予定になっています。
しかし、よく思い返してみると1〜2週間前に鈍痛が軽度あり(1日)その後はないのですが、 もっと以前にうがいの水がしみるようなしみないような感じがあったような気もします。そこで質 問なのですが、

  1. それ程強くない痛みを継続的に感じなくても、歯髄の壊死を起こしている可能性はあるので しょうか?
  2. 歯髄への炎症の波及は、痛みによって判断するのですか?また歯髄の壊死は歯の変色や 根尖病巣を形成するまではわからないものですか?
  3. 歯髄への炎症が波及しているかどうかが、痛みなどからつかみにくく、現時点で抜髄してし まったほうがいいのか悩んでいます。もし、歯髄へ炎症が波及していて歯髄が壊死へむかって いるのに気付かないで、保存療法を選択してしまって、手遅れになるような合併症がでないかと 心配になります(自分が痛い思いをするだけで済むのなら、痛くなるまで歯髄を保存しておき たいとは思うのですが)。
よろしくお願いします。

ご意見・ご感想:
とても丁寧でわかりやすい解説がいっぱいで、信頼できる歯医者さんだと 思います。

回答  ご指摘の通り歯髄の壊死はレントゲンでは判断し難く、痛みの程度や種類、それと過去の治療歴 や既往を参考に判断します。根管治療の腕が確かなら、例え根尖病巣に発展してからでも治癒の 可能性は同じですので、余程の確信が得られない限りうかつに抜髄の判断はしません。 現実の問題としてすでに歯髄が壊死しているにもかかわらず、歯髄保護治療を行っているケース もあると思います。
 また歯髄が壊死直前である歯に対して歯髄保護治療を行って、それが最後のとどめとなって 歯髄炎を引き起こす症例も非常に多いと認識しています。

 とにかく抜髄すると色々問題が生じる可能性が高いので、できるだけ歯髄保護(抜髄の先延ばし) を試みるのが通例です。せっかく治療した補綴物を除去しなくてはならないという二度手間のリスク はありますが、症状が確定してからでも治療成績に影響しないので、できることであれば歯髄保存 の方向で治療するのが望ましいと思います。

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