日付、時間:Wed Apr 11 8:46:01 Japan 2001
氏名: S.K.
所在都道府県:東京
職 業:主婦
年 齢:30歳
性別: female
質問:
2001/3/27に「 左上第2小臼歯抜歯十日後も痛い」という
症状について質問させていただいた者です。同じような質問が多い中でも、すぐにお返事をい
ただき、救われる思いでした。ありがとうございます。さて、その後の経過について、新たな疑
問が出ておりますので、再度ご相談させてください。
現在、左上第2小臼歯の抜歯後25日経過しておりますが、まだ痛みがとれません。
担当医の診断では、抜歯後二週間ほどは傷口が炎症し血が滲んでいたものの、そこも既に治
っているとのことでした。「左耳から顎も痛い」と訴えたところ、「顎関節症」の疑いもある
とされ、抜歯二週間後からは、担当歯科医による首と背中の「整体」治療と、手の甲にある歯の
壷に簡易針を指して電流を流す「針」治療が始まりました。さらに、下の歯用にゴムのスプリント
を作成し、夜寝るときにつけ始めて、今日で6日目になります。
しかし、痛みはまだ治まらず、抜歯後常に一日一錠「ロキソニン」という痛み止めを飲まないと
辛い状態です。現在の痛みは、左側全体がずんずんと痛く、特に抜歯された左上第2小臼歯の
前後の歯も痛いような感じなのですが、歯医者でコンコンと左上の歯をそれぞれ叩かれても、
すっごく痛いという訳ではなく、ちょっと響くかなぁという程度ですし、水もひどくしみることもない
ので、担当医も困惑しております。
そこで、質問ですが、今後、この痛みが引かない場合、どのような治療が考えられますでしょうか。
現在の担当医の先生は、信頼できる方なのですが、河田先生のように「歯牙保存」には熱心で
ないようなので、このまま痛みを訴え続けると、他の歯も抜歯されてしまうかもしれません。
また、担当医による「違う歯抜いちゃったかな」「引き金ひいたかなぁ」という独り言も
気になり、さらに考えは悪い方向に進み、悪性の腫瘍があるのではないかと心配になっており
ます。
河田先生のHPを拝見して、他の症例を探し回ったのですが、親知らず以外の歯の「抜歯」後、
「顎関節症」になり、「抜歯穴とその周辺の痛みと顎関節症の痛みが長引いている症状の治
療法」についての症例を見つけることができませんでしたので、申し訳ないと思いましたが、
また質問させていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ご意見・ご感想:
いつも有り難うございます。河田先生に診察してもらえる関西方面にお住
まいの方が羨ましいです。お金と時間がたまったら、先生に一度見ていただきたいというのが
夢です。
基本的には“根管治療不可能(根管閉鎖)な根尖病巣は存在しない”という事実があります。
抜歯自体の痛みはすでに回復したものと思われますが、抜歯前の痛みと抜歯後の痛みに変化が
ない場合には、原因がほかにあることが懸念されます。
その際、顎関節症も一つの要因ではありますが、治療効果が現れないことと局所の痛みと一致
しない部分もありますので他に原因を求める必要がありそうです。
当初の痛みが“左上の歯全体がずんずんと痛く、頭痛もしました”ということでしたので、“犯人
はその周辺に居る”と疑うべきでしょう。三叉神経痛や顔面神経痛そして顎関節症なども候補の
一つですがよりもっと身近なところから捜索を始める必要があります。
その中で根尖病巣のあった第二小臼歯は最も疑わしい存在ですが、それが否定された今、周囲
の歯の歯髄炎を念頭に入れることは当然の対処だと思います。一方で、近接する上顎洞にも捜査
の手を伸ばす必要もあります。上顎洞に原因があるとすれば単純な上顎洞炎(副鼻腔炎)だと
思いますので、一度耳鼻科で診断を受けられてはいかがでしょうか。