審美のための処置はあとで代償を払う結果になる。
引っ込んだ側切歯

日付、時間:Wed Apr 18 10:21:39 Japan 2001    氏名: M.M   
所在都道府県:東京   職 業:主婦   年 齢:29歳      性別: female  

質問:
はじめまして。現在、上の前歯の歯並びの治療を考えております。今、その判断に とても悩んでいます。
 私の上の前歯の状況は、中切歯は少々前に出ているものの、2本共普通に並んでいます。 しかし側切歯が2本共、斜めになり後ろに引っ込んだ形をしており、犬歯も2本共、八重歯の 状態で少し前に出ている形をしています。歯並びについてはとても気になっていて、一時期矯 正治療も考えましたが、矯正治療には長い時間と必ず調整に通う時間が必要なので、仕事で 忙しかったり、退職後は結婚しましたが転勤族になり、腰を据えてきちんと矯正治療ができな いまま今日まで来てしまいました。
 過ぎてしまった時間は後悔しても仕方がないので、現在近くの歯科医に矯正をしないで歯並 びを治す方法を相談したところ、治療手順として方法

  1. 後ろに引っ込んでいる側切歯を2本共を抜歯する(または、根を残して切る)。→中切歯と 犬歯を神経を傷つけない範囲内で削り、この2本を柱としてブリッジする。
  2. 最も気になる(凹凸の激しい)側切歯2本だけを前に出す形に加工をする。
Aの方法はあまりすすめられない方法と言われ、現時点で側切歯を抜歯しブリッジする方法が 良いと言われました。しかし、ブリッジについて自分なりに調べてみると、柱になった隣の健康な 歯が虫歯になってしまうと言う話を聞くと、はたしてブリッジ治療をするのが良い方法なのかどうか 悩んでしまいます。ブリッジは、何年もつかは本人次第(定期点検を怠らない等)で分からないと いわれ、ブリッジの欠点や、良い点が分からず悩んでいます。ブリッジ治療を提案され、自分の中 では、なるべくなら自分の歯で一生過ごしたいという思いが強くなり、矯正も考えはじめています。
 しかし、その一方で年齢的な事もあるので、妊娠・出産も考えている時期でもあります。もしも 矯正をするならば、矯正期間中(約3年〜5年間)は、妊娠・出産は考えてはいけないことなので しょうか?
歯の治療は、結婚や妊娠・出産の前に行っておくべき事だとは重々承知しておりますが、矯正と 妊娠・出産は、同時には行ってはいけないものなのでしょうか?
お忙しい中大変申し訳ありませんが、ご回答の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ご意見・ご感想:
歯は一生付き合っていく体の一部なので、大切にしていきたいと考えていま す。歯の治療について、とても真剣に悩んでいる時に出会ったHPで、相談コーナーを拝見させて 頂きましたが、私のように歯について悩んでいる方が多く、実際に歯科医院に行っても時間に制 限があるのが現実で、多くのことを質問できずに疑問をたくさんかかえている人も多いと思います。 先生のHPは、歯の悩みを持つ人達にとって、とても心強い存在だと思います。

回答  まず第一に言えることは「何れの方法を選ばれたとしても、審美のための処置はあとで代償を 払う結果になる可能性が高い」ということです。

 一見、矯正が理想的に見えますが、矯正を行うに当たって第一小臼歯を抜歯することになります。 歯周疾患に比較的抵抗力の強い小臼歯を抜くくらいなら、内に入った側切歯を抜いて矯正した 方が良いのではないかとも思います(犬歯が中切歯の横に来るので審美性には問題あり)。
 かといって健全な31|13を削ることにも抵抗を覚えます。側切歯を抜髄して、小さめの歯 を全面に出して(多少不満が残るかもしれませんが)審美性を回復する方法が現実的な選択では ないでしょうか。側切歯がダメになった時点で抜歯してブリッジか矯正かという選択が可能です。

 側切歯のスペースによっては、側切歯を抜きっ放しで放置しておけば3年後くらいには許容範囲 まで隙間が閉鎖する可能性もありますが、“全面に出す”という提案があることを思えばかなりの スペースのようですので選択肢にはいらないかも知れません。

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