補綴物の予後を最も大きく左右する因子は、根管治療。
GESクラウン

日付、時間:Wed Apr 18 17:11:06 Japan 2001    氏名: HS   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:35歳      性別: male  

質問:
はじめまして。前歯のかぶせものについて教えてください。中切歯(自分から見て左上) が歯髄炎と診断され、抜髄の処置をしました。歯は残した状態で、上からかぶせものをする治療の 途中です。かぶせものに選択肢があるとのことで、

  1. GESクラウン(総額15万円程度)
  2. ハイブリッドセラミック(総額8万円程度)
  3. 硬質レジン前装冠(保険治療)
の3つを紹介されました。前歯ということもあり、どうしたものかと迷っています。先生のページでは、 ”メタルボンド”がお薦めなようなので、これが1番のGESクラウンと同じものかと思って聞いてみた ところ、メタルボンドは裏側が金属となり、別のものとのお答えでした。表に出る部分はすべてセラ ミックで、内側(歯の土台と接する部分)については純金で加工するので、すきま等が生じにくいとの ことでした。このGESクラウンというのは、良いものなのでしょうか?
今診て頂いている先生は、上記のような内容もきちんと教えてくれて、また質問等あれば何でも聞 いてくださいとのことで、非常に満足しているのですが、金額も大きいので、客観的なご意見も伺っ てみたいと思いメール差し上げました。奥歯を治療した時も、同様のお話があったのですが、見え ないところでもあったので、保険の治療でお願いをしましたが、今回は前歯なので見た目や寿命も 考慮して、よいものであるならば、出費もやむなしかと考えております。
  1. 今後、すき間から虫歯等が再発する可能性の大小の違い
  2. 変色等に関する違い
  3. 強度に関する違い
以上3点を軸に、GSEクラウンがどの程度のものなのか、ご教示頂けますでしょうか。なお、ハイブ リッドは、先生のページでもあまり良くないとのことのようですし、中途半端な感じがするので、今の ところ考慮しておりません。よろしくお願いいたします。

ご意見・ご感想:
上記の歯髄炎の抜髄時に、先生のページを発見しました。患者の立場に立っ たページで、非常に心強い限りです。今後のさらなるご発展を期待しています。

メールアドレス: h.seki@ntt.com   ホームページURL: http://

回答 補綴物の予後を最も大きく左右する因子は、根管治療の良し悪しと歯周疾患のコントロールです。 一般にそのことが不十分なケースが多い(ほとんど?)ですので、私の医院では様子見に保険の 治療を行ったのちに(5年程で寿命)、次のステップとして保険外を模索されてはと指導しております。 そうするとほとんど(全員?)が次の治療に保険内の補綴物を選択されます。我がことながら金儲け が下手だなぁとあきれ果てておりますが、値段の安さも含めて結構皆さん納得されているように 感じております。

 さて、強度につきましては値段の順番に強くなっております。ただし、歯周疾患による動揺が生じた 連結冠につきましては何を使っても壊れ易いという実態もありますので、如何に歯周疾患のコントロ ールが大切であるかを認識していただきたいと思います。
 変色についても値段の順番です。というか、保険の硬質レジン前装冠だと5年が一つの目安である のに対して、セラミックは永遠に不変といっても過言ではないかも知れません。その中にあって ハイブリッドは長年の実績がないので将来の予測が難しいものの“中途半端”という評価が正解の ように思います。
 最後の二次カリエスですが「良いと言われるからにはそれなりの効果があるのだろうと思いますが、 その良し悪しが判断できるまで保てばお役目ご苦労(15年以上)で、それ以前に他の要因で再治療 になるものが90%以上と推定いたします。メタルボンドの付加価値版で、その付加価値の実態を 知っている歯医者はいないのではないでしょうか。

 「歯のために良いから」ということで無理をなさらずに、ブランド物を身につけることで自己満足 するのと同じ感覚で選択するのが最も裏切られることのない選択基準だと思います。
 最後に、欠損部分の大きさによってはレジン(プラスティック様)を詰めるだけという選択が可能 かも知れません。これは驚く程安すぎるので歯医者にとっては“大はずれ”の結膜です。

返信:
お忙しいところ、非常に素早いご回答をいただき、どうもありがとうございました。 今後ともよろしくお願いいたします。

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