日付、時間:Wed May 16 18:32:32 Japan 2001
氏名: R.K
所在都道府県:山口
職 業:学生
年 齢:22歳
性別: male
質問:
上側の左側の側切歯を治療しています。歯の根に膿が溜まっているとの事で穴をあけ、
3週間程穴を塞がずに綿をつめ膿を出す治療を受けました(一週間に一回洗浄)。その後、膿が
枯れてきてるとの事で薬を詰めて殺菌する治療に移り3週間続けました(一週間に一回&薬の
詰め替え)。そして現在、最後に殺菌力の強い薬を詰めると言われて3週間経っていま
す(これも一週間に一回洗浄と薬の詰め替え)。
心配なのは薬を詰める治療に移ってから(特に強い薬を詰めはじめてから)治療している歯の
周りの歯茎が黒っぽくなったままだという事です。先生は、根が奇形で治療に時間がかかってい
る、と仰っているのですが、薬を詰めはじめてから一ヶ月ずっと黒いままなので根管治療がちゃん
と行われているのか、歯茎の黒いのは元に戻るのだろうか…ととても不安です。現状はどう判断
すれば良いのでしょうか?河田先生、お手数かけますがよろしくお願い致します。
質問の補足です。最初の頃に治療中の歯の歯茎にあった膿が出ていた水ぶくれは潰れて、そこ がしみる事はなくなったのですが、薬を詰め替えて数日はズキズキした鈍い痛みのようなものが あります(この鈍痛も特に強い薬を詰めるようになってからです)。後、治療中の歯で噛んだ時に 少し力を入れて噛みにくい感じがあります。
ご意見・ご感想:
知人に紹介され、知人のPCを借りてアクセスしているのですが、自分も含め
ていかに世間一般が歯科に関して無知であるか思い知りました。すぐに現状を変えていくのは難し
そうですが、まずは自分から意識を変えてメンテナンスに気をつけていかなければと感じています。
これまで歯医者で詳しい説明を受けた事がなかったので、そういうものだと思い込んでいたのです
が、河田先生のような素晴らしい方もいると知ってちょっとしたカルチャーショックでした。
私は根管治療に消毒用以外薬は使用しませんので“殺菌力の強い薬”がどのような種類の薬か
想像できませんが、おそらく薬の作用で歯肉が一部壊死状態だろうと思います。最終的に薬の
使用を止めた段階で歯肉も回復するはずです。
ホームページの随所で申し上げている通り、根管治療の基本は根管内の機械的清掃が基本です。
根管内の機械的清掃が十分であれば“殺菌力の強い薬”は必要ありませんし、不十分であればいく
ら“殺菌力の強い薬”を使っても回復は困難です。もうすでに1か月経過しているということですので、
同じ治療を繰り返しても見込みは薄いと思います。
“神経を取るのが上手”という評判の歯医者を探して転院された方がよさそうですね。
回答:
“薬焼けでは無い、膿が出ていた穴が…”ということであったとして、更に強い殺菌力の薬を
使っても根尖の病巣が治癒しないことが歯肉変色の原因です。根尖病巣が治癒して強い殺
菌力の薬を使わなくなれば歯肉の色も回復すると思います。
問題は根尖病巣を治すのに必要なものが何かということです。私の考えでは、殺菌力ではな
く根管内の清掃が全てです。方法や時間はともかく、根管内の清掃が完璧に行われた時点で
回復に向かいますので、今の先生でも何時かは清掃が完璧に達成される日もあるかもしれませ
ので、次を探しながらもう少し気長に治療を続けるのが現実的な対応かも知れません。