日付、時間:Tue Jun 12 21:15:18 Japan 2001
氏名: Y
所在都道府県:静岡
職 業:その他
年 齢:27歳
性別: female
質問:
親身な回答を読んでいて、ぜひ私も悩みを聞いていただきたいと思いました。上の前歯
1、2の計4本のことで悩んでいます。
子供のころから歯が悪く、12歳かそのくらいの時に上記の4本をひどく悪くしてしまい、4本の神経
をとりました(今通っている歯医者さんが言うには、神経を溶かす薬?を、使ったのではないか、とい
うことです)。大人になって、黒ずんできたのが気になり始めたので、悩んだ末に24歳で保険の利く
さし歯を4本入れました。そのころから歯に対する意識も高くなってきたのですが、歯のことを知るに
つれ、神経のない歯がもろいことを知りショックを受けています。先生のおっしゃる平均の「抜髄して
後30年」ということから考えると、私の前歯は30代でダメになってしまうのでしょうか?
さし歯にして後はブラッシングも一本一本していますし、先月フロスの使い方を歯科医院で教わって
からは毎晩のフロスも始めましたが、努力しても寿命を延ばすことは出来ないのでしょうか?
また、さし歯を失う原因としてはどんなことがありますか?
硬いものを食べたり、ぶつけたりして折れてしまうのでしょうか?それとも自然に抜け落ちてしまう
のでしょうか?
また、不幸にしてさし歯がだめになってしまった場合、前歯4本が無髄歯と言う状態で歯を補う方法
はあるのでしょうか?(前歯のみの入れ歯とか、ブリッジなんてあるのでしょうか?)
また、上の親知らずが右だけ出てきていて、問題はないのですが抜いておくことを勧められました
が、親知らずを抜くことできっちりくっついている歯並びが動いたりして、さし歯の支えがなくなって、
ぐらつく、なんてことはないのでしょうか?
現時点での問題があるわけではないですし、残りの歯を大切にしてゆく他に道はないのだと頭では
わかっていても、結婚も出産も未経験なので「こんな歯ではどちらも無理」と、つい将来に悲観的に
なってしまいます。いつも歯の事を考えては、ダメにしてきてしまった悲しさと、失うことの不安と恐ろ
しさで頭がいっぱいになってしまいます。そんな現状を、知識を得て覚悟を決めること、で打破したい
と思い、お便りしました。急ぎではありませんので、時間があるようなときに、ぜひお返事いただけた
ら、と思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ご意見・ご感想:
通っている歯医者さんにもいろいろ聞いているのですが、将来のことで恐れて
いるということまでは言い出せませんでした。家族にも言えない悩みですし、精神科とかに行ったら
不安が無くなるのかな(行ったこと無いからわからないけど…)?とも思ってました。でも正直、聞い
てもらえるってだけで、ちょっとほっとしてます。
メールアドレス: uribouzu@sage.ocn.ne.jp
ホームページURL: http://
“無髄歯の平均寿命30年”には大きなバラツキがあります。抜髄直後〜10年以内に失われる
歯が多い反面、10年以上経過して問題のない歯は更に永く機能する可能性が高くなります。
まして、補綴処置を行ったのが10年以上経過後ということですし、周囲の歯が健全な若い年齢
ですので、再治療をしたその時点から平均寿命30年と考えても良さそうです。
とは言ってもその中でも1本くらいは早期にダメになる可能性もありますが、その場合には周囲の
歯を使ったブリッジが可能です。それ以外にも インプラントという救済
処置もありますので過度な心配は無用です。それよりも、“現在健全”と思われている歯ですら50歳
を過ぎれば喪失の危機にさらされている現状を認識して生涯残すための努力を実践すべきです。
周囲の歯が健全であればさし歯に掛かる負担も少なくなりますので、歯牙破折のリスクは小さく
なりますし、仮に1本くらい喪失しても上記の救済処置にが有効に機能してくれます。二次カリエス
等のリスクを小さくし、以上をいち早く発見して延命するためにも定期的に歯石をとる習慣を身につけ
ましょう。
一方親知らずに関しては、親知らずの抜歯基準に従って適切な対応(この場合専門科からみて
抜歯が適切と判断されているようですね)をとり、それ以外の歯を1本たりとも失わないための努力
が必要です。“歯並びが動いたりして”という懸念よりも“手前の歯まで巻き添えにして”というリスク
の方が高いということです。
返信:
6月12日に質問させていただきましたが、お返事ありがとうございました。まさか、こんな早くお返事
いただけるとは思わず、びっくりしてメールを開けました。回答を読んで、身も心も軽くなる感じがしま
した。
落ち着いてみるとパニック状態の質問文章で、恥じ入るばかりです。困難なときにこのHPに出会え
た偶然に感謝せずにいられません。これからもずっとこのHPで勉強させていただき、歯を守っていこ
うと思っています。同じ悩みを持つ方たちもたくさんおられますし、励みになります!