金属からイオンが流出して歯肉を黒く着色するケースもあります。
歯肉の変色

日付、時間:Fri Jun 25 14:06:35 Japan 1999    氏名: K.N.   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:34歳      性別: female  

歯肉の変色
金属イオン流出による変色
(ちょっと極端な写真です)
質問:
今日は、歯茎のことで質問があります。

  1. 差し歯をするとそこの歯茎の色が悪くなるようですが、何が原因なのか、普段はどのような ことに気を付けたら良いのか教えてください。
  2. 先日右下の水平埋伏智歯の抜糸をした時に、隣の7番の歯と歯茎の境から切開したせいで、 7番の歯茎が短くなってしまったのですが(歯が前よりもむき出しになっている)、これから元の ように戻るのでしょうか?
宜しくお願いします。

回答  さし歯の主流は、保険外のメタルボンドか保険の硬質レジン前装冠です。いずれも金属の 上に陶材なりレジンを焼きつけたものですので、下地の金属色が歯肉を通して黒く反映するのが 主な原因です。また、下地の金属からイオンが流出して歯肉を黒く着色するケースもあります。 それを回避するには、ポーセレンジャケット冠やレジンジャケット冠のように金属の裏打ちのない 補綴方法もありますが、強度や適合の問題があってあまり積極的にお勧めできる状況では ありません。
 それと双璧とまでは申しませんが結構問題になるのが、歯肉退縮に伴う審美性阻害と 二次カリエスによる審美性確保の限界です。メタルボンドは半永久的、保険の硬質レジン 前装冠はせいぜい10年の耐久力がありますが、その前に歯周疾患進行に伴う歯牙喪失 や上記の審美性限界(早ければ5年)により存続意義が損なわれます。 普段は必ず訪れるであろう歯周疾患の進行を抑制するための努力が必要です!!

 親知らず抜歯に伴う隣在歯の歯肉退縮につきましては、或る程度は必ず回復します。しかし、 腫れあがった歯肉が健全な位置に安定するわけですから、或る程度の歯肉退縮はやむを得ないと 思ってください。臨床上は多少の歯肉退縮は何らの問題も生じません。


日付、時間:Mon Jul 26 10:00:51 Japan 1999    氏名: K.N.   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:歳      性別: female  

質問:
梅雨が明けた途端、暑く、夜は寝苦しい毎日が続いておりますが、先生は、体調いかが ですか? 夏休みに入り、きっと学生さんが毎日来院してお忙しい毎日をお過ごしのことと思います。
さて、今回は、水平埋伏智歯抜歯糸後のことで伺いたいことがあります。大学病院で若い先生に抜歯 してもらい1ヵ月以上たつのですが、それまではなんともなかった7番の歯茎(切開した部分)を 歯ブラシすると、未だに痛いんです。切開したため、歯茎は以前より後退していますが、他には なんの変化もないように思います。原因はどんなことが考えられるのでしょうか。
このままほっておいてよいのか、いつもどおりの歯磨きを痛さをこらえて続けていていいのか、 どうぞご教示ください。宜しくお願いいたします。

回答:
 本来、20歳代前半に抜くべき智歯を10年ほど遅れて抜歯したのですから、それなりの歯槽骨破壊 とそれに伴う歯肉退縮は仕方のないことだと思います。状況によっては最悪、抜髄も検討しなくては いけませんが、その前に知覚過敏の薬を塗布するとか、歯肉炎症の元となる歯垢・歯石の除去を 行う必要があります。
 “若い先生”にこだわっていらっしゃるようですが、歯槽骨破壊の進行した親知らずを抜くと大なり 小なりそのような障害があります。“日にち薬”がまさにピッタリ。原因とか増悪因子(歯垢・歯石)が ない限り治まってきますので、清潔を保つことだけを心がけてください。

歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色 歯肉変色