日付、時間:Tue Jul 10 1:24:08 Japan 2001
氏名: m.o
所在都道府県:東京
職 業:その他
年 齢:2歳
性別: male
質問:
2歳の幼児です。中切歯2本ともがひどい虫歯で、時折痛がります。半分欠けて(溶けて)
小さくなっています。今日根管治療しましたが、まだ痛がるようであれば、抜歯をするほうがいいと
いわれました。
以下の質問によろしくご回答お願いいたします。抜歯はできるだけ避けたほうがよいのか、永久
歯への影響はどうか、明日返事をすることになっています。よろしくお願いいたします。
ご意見・ご感想:
大変ありがたく拝見いたしております。親の責任を痛感しております。
メールアドレス: mb3m-ooj@asahi-net.or.jp
ホームページURL: http://
実際の口腔内を診ないで言うのも何ですが、結論から申し上げますと「抜歯した方が良さそう」
と思います。と言いますのが、乳歯の根管治療がある程度確実に出来るのは歯根部分の完成
した3歳頃だけで、その後も永久歯萠出に伴う歯根吸収により根尖部に病巣を作ります。
歯根完成前の2歳ということですので満足な根管治療はほとんど不可能です。仮に一旦炎症
が治まったとしても再び炎症を起こしつづける可能性が非常に高いと推測します。今から永久歯
萠出までの4年間ほどを無事に過ごせる見込みはなく、常に炎症の存在する環境が永久歯に
与える影響と抜歯することによるデメリットを比較した場合、抜歯の方に軍配があがる可能性が
非常に高いと判断します。
乳歯にしても永久歯にしても、歯根完成時期以前に抜髄しなくてはならない程のムシ歯にして
しまうこと事態とんでもない状況です。過去のことは今後の反省材料にして、今後萠出してくる
歯が二度と同じ悲劇を繰り返さないよう努力して下さい。
後続永久歯の先天性欠如とか重大な欠陥がある場合を除いて、永久歯は萠出してくるもの
と思われます。“綺麗に”と聞かれると“?” 根尖病巣の存在する乳歯を残せば、病巣部を
避けて意外な方向に萠出してしまう可能性があります。抜歯すれば周囲の歯が移動してきて
正常な永久歯萠出余地を失って、永久歯が乱杭状態になる可能性があります。
ただでさえ日本人は、顎骨の割に永久歯が大きいので乱杭状態になる傾向が高いのでその
リスクは一層高くなります。出来ることなら少しでも永く乳歯の保存を試みて、根尖病巣の悪影響
が懸念されるようだと抜歯を決断すべきでしょう。根尖病巣のある乳歯を長々と置いておくと、
後続永久歯の正常な萠出が行われないために何時までも自然脱落がないケースを多く見かけま
す。