日付、時間:Tue Jul 10 11:13:46 Japan 2001
氏名: S.K
所在都道府県:東京
職 業:自由業
年 齢:25歳
性別: male
質問:
こんにちは、埼玉上尾の有名な歯科病院に通っている者です。
現在、下顎左第二大臼歯を治療中です。この歯は昔から痛みが取れず、つい一月ほど前に
歯髄を殺しました。本格的な根の治療をする前に、外科の手術が必要とのことなので詳しい
話を伺ったのですが、どうも納得できないというか疑問が多かったので河田先生のご意見を
伺いたく参りました。 話の内容は、
・残っている歯質が少ないので、詰め物にすることはできない。
・しかし、芯を歯の中に立てて差し歯にすると割れる危険性がある。
・その為、うちの病院では歯を外側から全体を掴む金属で被せる治療をしている。
・しかし、全体を掴める歯質が少ないので、歯茎を切除したり骨を若干削ったりして歯を
少し露出させる必要がある。
・しかし、私の場合は歯質が少なく顎全体の骨がすぐ近いということで、歯茎を切除しても掴める
だけの歯質が確保できるかわからない。
・もし確保できない場合、手術中は麻酔が効いているのでそのまま抜歯となる。
というものでした。
わからないのは、何故抜歯にまで話が発展するのか?ということです。素人考えでは、そのよ
うな場合は割れる危険性があるとしても差し歯にして、もし割れてしまった場合に最後の手段と
して抜歯という選択があると思うのです。
そのことを質問してみたのですが、「やめたほうが
いいです」といわれるだけで、何故なのか?がよくわかりませんでした。
歯を抜くということはとても重要なことだと思います。納得できないまま抜かれると一生後悔す
ると思うので、河田先生のご意見を聞かせてください。
それから、もう2つほど質問があります。
手術の予約表の手術内容に「歯周病手術」と書かれていたのですが、このような歯茎の切除も
歯周病の治療内に入るのでしょうか?
それとも保健内で済ますためにその内容で行うとい
うことでしょうか。手術代金は約4万円だそうです。
あと1つは、よく歯医者さんから説明される「神経を殺す薬」と「神経の炎症を静める薬」というも
のは同じなのでしょうか?
現在の病院では「炎症を静める薬」と説明されて薬を詰められたのですが、数日後に薬の交換が
必要だったことや、薬を詰めた当日と翌日は激しい痛みがあったことを考えると、同じような気が
するのです。
麻酔を行えば痛みは無かったので、できれば麻酔抜髄を行って欲しかったのですが、薬で神経
を殺すだけで根の治療は今のところ無いのです。疼くような根の痛み?が時折あるのですが、そ
れを説明しても薬を処方されて根本的な治療をして頂けないので、不信感が募っています。
有名な病院のようなので、私の理解不足ならば良いのですが…
宜しくお願いします。
ご意見・ご感想:
河田先生のページで歯に対する知識が大分ついたように思います。これから
も頑張ってください。
メールアドレス: kazuy@home.ne.jp
ホームページURL: http://
(~ヘ~;)ウーン 分からないことだらけですね。
「神経を殺す薬」と「神経の炎症を静める薬」は全く別物です。炎症が激しく、治療時の刺激が鎮静
作用を上回った結果の痛みが発症し、結果として抜髄に至った経緯は評価できますが、そのあとの
処置及び処置方針には疑問を感じます。
抜髄ギリギリのムシ歯も、抜髄にならなかったら何らかの方法で詰めるか被せる予定だったはずで
す。それが抜髄になったから歯質が薄いということであれば全ての抜髄対象歯が抜歯の対象になっ
てしまいます。「歯を外側から全体を掴む金属で被せる治療」というは特殊な治療のようですので、
その効果や必然性は分かりません。名称が「歯周病手術」というのは、保険治療の歯肉切除手術
と同じようなモノということで便宜上使われているだけのようです。費用が約4万円ということですの
で保険適応の手術ではなさそうです。
さし歯が割れ易いという事実はありますが、大臼歯ですと20年くらいのうちに割れる頻度は1%程
度?ではないでしょうか。割れるリスクを少なくする発想は評価できても、そのために多額の金額を
使い、即刻抜歯のリスクを背負う治療方針は理解できません。私の想像する以外に何か不測の要素
があるかもしれませんので、もう少し納得できるまで説明を求められてはいかがでしょうか。