日付、時間:Tue Aug 7 23:33:34 Japan 2001
氏名: AA
所在都道府県:東京
職 業:会社員
年 齢:30歳
性別: female
質問:
ちょうど一年前に上の前歯3本を差し歯にしたのですが、根の治療は中切歯2本は
やらなくて大丈夫と先生に言われ、側切歯1本だけ根の治療をしてから差し歯を入れました。
ところがそれから3ヶ月も経たないうちに左側の中切歯の歯茎の根のあたりが何となく触ると
膿んでるような感じで、皮膚の上から触ってもその感触があったので、先生に伝えたところ、歯
茎に汚れがたまっているからなのかもしれないからよく磨いて様子を見ましょうと言われたり、
或いは噛み合わせがあっていないのかもしれないという事で歯の内側を削ったりしたのですが
一向に治らずついに一年が経ってしまい、しまいには歯の根っこ辺りの歯肉がぷっくり何か入っ
てる様に大きく膨らんできてしまいました。レントゲンを撮ってみるとやはり根の周りが黒い影に
なっていて、「膿みがたまっているので歯肉を切開して悪い部分をとりましょう」と言われてしまい
ました。
歯肉を切ると歯のもちが悪くなると前に別の歯医者で聞いた事があったので「違う方法はない
ですか?」と尋ねると、「あとは差し歯を全部はずして根の治療をしてから新しく作り直す」との事
でした。
保険外で1本10万も払った差し歯で1年も経ってないので先生は「無料で作り直してあげるけ
れど、差し歯をはずす際に根も多少削らなくてはいけないので、また根が薄くなってしまうから、
それよりも歯肉を切って膿みを出してみて、それでも治らなければはずしましょう」と言われました。
そこの先生は歯肉を切開しても歯のもちは悪くならないとおっしゃるのですが、作り直したくない
からそう言われてるのかとちょっと疑ってしまいます。歯肉を切開しても本当に歯のもちは悪くなら
ないのでしょうか?
また、切開で膿を取り除けば根の治療をしなくても済むのでしょうか?
或いは、差し歯をはずして根の治療をするのは、根っこも削らなくてはならないから薄くなってしま
って、歯にとってリスクが大きいのでしょうか?
どちらを選択するべきなのでしょうか?
メールアドレス: yukip@msc.biglobe.ne.jp
ホームページURL: http://
“作り直したくないから”という気持ちはあるでしょうね。その前に切開して治れば儲けモノみたい
な気持ちだと思います。切開→排膿すれば一時的に炎症が治まることはありますが、炎症の原因
を除去しない限り根本的な治癒は望めません。結構多くの歯科医が同じような勘違いをしている
ものと思われますが、考えると恐ろしい現状です。
根尖病巣の原因は、根管内で壊死した歯髄による根尖部の炎症炎症です。根管内に存在する
壊死組織を完全に除去しない限り絶対に治癒は見込めません。従って、選択の余地は
さし歯をはずして根管治療を行うか、さし歯の裏に穴を開けて治療するかであって、切開を選択
する余地は全くありません。
如何なる治療にもそれなりのリスクやデメリットはありますが、不適格な治療ほど歯を傷める
ものはありません。
ご意見・ご感想:
差し歯にしてから1年、ずっと不安のまま過ごしております。早く根管治療をして
この不安から解放されたいです。
“差し歯の裏に穴をあけて治療をする方法”は全てのケースで可能ではない(今回のケースは可
能?)であることと、肝心の根管治療が行い難いことに加えて、高額な補綴物が傷物になってしまう
のが欠点です。問題は根管治療の完成度ですので、信頼のおける先生の下で最小限の出費で治療
するには最も適切な選択だと思います。
責任問題から焦点をあてれば、製作した先生に無料(根管治療の費用は別途)で全てをやり直して
もらうのが最善の方法かも知れません。問題は根管治療の腕前と人間性がどうなのかということでし
ょうね。根管治療後の切開は、状況によってやむを得ない場合もありますが、根管治療を伴わない
切開は医学常識のない治療だと思います。