日付、時間:10/16 TUE 13:20 Japan 2001
氏名:Y−INOU
所在都道府県:神奈川
職 業:会社員
年 齢:51歳
性別: male
質問:
10月2日に「8部 水平埋状智歯を抜歯。 その時、抜歯部の横・内側に『骨』が露出。
幅(奥行き)7mm・高さ(上下)8mm位、露出しています。
「2〜3週間、様子を観る」との診断。その後やむなく放置。 今日現在ほとんど変化なし。
まわりは少し赤く腫れてる様です。
解剖学的な位置と形態から、下顎智歯抜歯後に舌側骨が露出することはそれほど珍しい事
ではありません。頻度的には1/100程度ですから年に一度や二度は経験します。7*8mmはちょっと
大きい露出かも知れませんが、放置していても露出した骨は、それこそ細菌感染を起こして
組織破壊により自然吸収して落ち着くところに落ち着きます。
1mm程度の露出であれば、人為的な手を加えなくても自然吸収を待った方が得策な場合が
多いと思います。ところが、7〜8mmともなるとちょっとしんどそうですね。それなら、一層
のこと麻酔をして露出した骨を削ることをお勧めいたします。粘膜の移植は優しそうですが
上手くいかない可能性が高いように思います。
いくら粘膜を移植してもとがった骨が粘膜を突き破ってまたまた露出して同じ結果…もし
くは粘膜損傷が一層悪くなる可能性があります。とにかく生体は落ち着くべきところに落ち
着こうとしますので最終的な治癒形態はどのような方法を講じても似たようなものです。
それならば、人為的に最終形態に近いところに持っていってやるのがもっとも苦痛を少なく
する方法です。
回答:
完全な骨回復には9か月〜1年を要します。ただし、表面的な粘膜回復ですと1〜2か月
もあれば十分回復するはずです。
返信:
重ねてお礼申し上げます。有り難う御座いました。
一時は、『この後一体どうなるのか・・・』と、怯えておりましたが、
1〜2ヶ後には「カロリーメイトと牛乳・ジュースとお粥とビタミン剤だけの
食事から開放されそうだ」と解り、ひと安心しました。
PS:日本の医療を変えようと徳州会病院を設立された、
「命だけは平等だ」の著者:徳田先生を思い出しました。
結果報告:2001年11月21日 16:29
有り難う御座いました。約6週間で粘膜回復しました。
・ | 骨の削り込み=表面がなだらか(尖ってはいない=xlsで絵を添付すれば良かった・・・) の為、保留。 |
・ | 人工粘膜 =肉芽再生の兆候あり保留。(アドバイスに沿って…断るつもりでしたが…) (もちろん、河田先生のアドバイスや、インターネットで調べた…等の話はしていません) |
・ | 最初の4週間はほとんど変化なく、わずかに肉芽再生?の兆候がある?程度。 |
・ | その後、徐々に『肉芽再生』が加速。5mm*5mm位になった以降は1週間位で塞がりました。 |
・ | 骨表面は、「骨の『かさぶた』状」になり、肉芽再生に伴って剥離し、少しずつ剥れ落ちま した(自分で剥がした…)。これは予想もしていなかった事です。肉芽が『かさぶた』の下に潜 り込みつつ成長して来た感じです。 |
・ | レジン(硬質シリコン?)製ガード=役立ちませんでした。 |
返信:
必ず治癒するものと確信はしておりましたが、順調に回復したということで安心しました。
回答:
ミイラ化? 「抜髄もしくは根管治療→根管充填」をしていないということですか?
とんでもない話ですね。
おそらく世間の歯医者からみたら、私が何を言っているのか分からないか、馬鹿にするかも
しれませんが、本当に歯医者は医学的知識がないというか、常識がないとつくづく思います。
事故で打撲して歯が折れても、そのまま押し込んでおけば生体の治癒能力が高ければ稀に
ミイラ化…というか根尖部を自己閉鎖して自然治癒することもあります。でもそれは専門家
のいないところで素人がとっさに行った場合で結果オーライがないとは言えないというレベル
です。
まず第一に根尖部を削り取らなくても完璧な根管治療と充填を行えば治癒するはずです。
それを中途半端に歯根切除すれば根管内が腐敗するのは99%確実?です。腐敗した根管を
そのままにして、いくら抗生物質を飲んでも根本的な解決はありません。当然の如く根管
治療(歯根治療)が必要です。しかし、根尖部が切除されているために完璧な根管治療は
非常に難しくなってしまいます。
いまさら、症状が出てからでも遅くはないでしょうが、見込みはかなり薄いと思いますよ。
・ | 下記=「現在、何となく、その歯がしびれている様で気になります。」を 「噛む時、痛痒いデス」と話したら、神経(歯髄)を取って頂ける事になりました。 |
・ | ひと安心です。 また、この治療で2回通い、次回で3回目ですが、 リーマで根管を拡大しながら『毎回リーマを入れた状態でレントゲンを撮って下さる』ので安心で す。 |
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・ | あとは、充填材=ガッタパーチャ? (最近ではもっと新しい素材が実用化されている ???かは知りませんが・・・) をきっちり根本まで、充填して貰えるのを祈るだけです。 |
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・ | 根管付近が悪化し、例えば「抜歯」等になる前に、処置出来、良かったと思います。 本当に有り難うございました。 |
Q1・・「がまん出来るので、麻酔無しでお願いします」と次回お願いしようと考えますがど
っちが良いでしょうか?
理由:根尖部『貫通』を合図しながら、ガシガシ拡大願いたい。そうでないと、根尖部の奥
まで”ほじくる”率が増える?と思う為。
Q2・・ほじくり過ぎたら、予後はどうなりますか?
アドバイスお願いします。
回答:
治療の仕方が違うので強く申し上げられませんが、基本的には麻酔をして的確に根管治療
を完成させることが重要です。痛みに遠慮して不完全な治療(除去)は全く無意味です。
また、根尖部を突き抜けないのが理想ですが仮に突き抜けたとしてもその傷事態は以後の
処置(根管充填)が完璧であれば問題なく治癒します。問題は突き抜けたために起こる出血
が根管充填の中に混じりこんで充填が不完全になる可能性が生じることです。
麻酔の使用ポイントは、その痛みが突き抜けたための痛みか、突き抜ける以前の残髄部分
の痛みかを見分けて使い分けることですが、これは医師の技量と経験によりますので一律な
回答は不可能です。