日付、時間:10/23 TUE 12:14 Japan 2001
氏名:あけみ
所在都道府県:東京
職 業:会社員
年 齢:25歳
性別: female
質問:
私の姉の事なのですが、歯茎が薄くなり、物を食べるのにも苦労しているという
事なのですが、近所の歯医者さんに行った所、歯茎を直接ハブラシでこすってしまった事
による<磨耗>が原因で、考えられる治療としては歯茎の移植しかないと言われたそうで
す。
その上、その移植手術も、薄い歯茎をさらに傷付けたり切ったりし、そこに他の箇所か
ら切り取った歯茎を移植する、という事をしなければならないそうなのです。それもうま
く移植が成功すれば良いが、成功しない場合もあり、成功しなかった場合は傷つけたり切
ったりした部分もそのままで、結果として前より更に状態はひどくなり、やらない方がよ
かった、ということになりかねない、と言われてしまったそうです。
また、姉は生まれつき顎の骨格が細くせまく、また歯骨ももともと薄い為、下の歯が生
えているスペースにも余裕が無く、それも非常に移植手術がやりにくい要素だと言われた
そうです。
このままでは何も食べられなくなると、姉はとても落ち込んでいます。私も、小さい頃
から姉が矯正をしたりして、歯を大切にしていたのを知っているので、何とか力になりた
いと思い、ワラにもすがる思いで、今この文章を書いています。何か良い方法はないもの
でしょうか?
感想:
過去の掲示板も、とても参考になりました。
「やらない方がよかった」というところ以外に大きな認識の誤りがあります。
結論としては、私も歯肉移植手術には反対です。
“歯茎が薄くなり”というのは歯茎の下で歯を支えている歯槽骨の破壊の結果の歯肉退縮で
あり物理的に歯肉が薄くなったものではありません。歯槽骨破壊の原因は、歯石やプラーク
貯留による炎症ですので、歯ブラシによる磨耗と考えるのはお門違い。歯ブラシを遠慮すれば
ますます状況は悪化してしまいます。
現在進行形の歯槽骨破壊をそのままにして、いくら歯肉移植や歯肉移動術を行っても結果は
担当医の説明通り「やらない方がよかった」となることは歴然です。
普通でも50歳ころになれば歯周疾患末期(グラグラの歯槽膿漏)により次々と歯を失ってい
きます。それより更に早そうみたいですので事態はより深刻です。一度破壊された歯槽骨は原則
として二度と再生しませんが、更なる進行を抑制することは可能です。今の破壊程度がどの程度
であるかはレントゲンをみないと把握できませんが、仮に60歳になっても今の状態と同じであれ
ば何も問題はないはずです。そのためには現状維持を徹底することこそ最優先すべきことです。
徹底的な歯石除去と継続した歯石除去!
毎月のスケーリング以外に救う手立てはありません。それと姉妹ということですので、体質的に
似たような傾向があるはずですのであなた自身も同様に注意すべきだと思います。
返信:
この度は、お忙しい中お答え下さいまして、本当に有難うございました。早速姉に話してみよ
うと思います。
ただ、現状で既にご飯粒が入り込んでしまう位、隙間があるような事を言っておりましたので、
何かしらの治療をしなくてはならないのではないかと思うのですが…。
私個人としては、歯茎が磨耗するものなのかどうか、そもそもそれが疑問なのですが、先生の
お返事の中に、「姉妹なので体質が似ている」という一文があり、ドキッとしました。
今後は私も十分に気をつけて行きたいと思います。
本当に有難うございました。
回答:
隙間をふさぐことよりも、今以上隙間が大きくならない努力!
回答:
歯槽膿漏でなくって、歯槽骨が透けて見える?
普通簡単にお目にかかれる症例ではなさそうですね。一度も経験ありません。
考えられるのは、その部分の骨が出っ張っているか、尖っているか。だとすれば歯肉移植
よりも出っ張った骨を削合して平らにするべきですね。いずれにしても歯肉に異常を起こす
べき何かがあるはずですから、それを排除しないで歯肉移植しても無駄だと思います。
反面、「難しく考えなくても試してみたら」とも思います。口腔内の何処か(通常歯肉の
厚い上顎臼歯部・口蓋側)の歯肉を1mm程度削り取って移植したり、人工粘膜(豚皮?)を
用います。最終的には落ち着くべきところに落ち着きますので今より悪くなることもない
かも知れません。
最近審美性の要求により、歯肉移植の講演も多くみかけますが、術後直後の経過は当然の
如く良好ですが、数年後の症例を見かけることがないので何ともコメントできません。前
にも申し上げた通り、「原因の除去こそが全て」と思う私には原因を排除しないままの処置
に対しては否定的にならざるを得ません。
返信:
お忙しいところ、有難うございました。早速姉に伝えました。
また質問させて頂く事もあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。