日付、時間:11/06 TUE 16:47 Japan 2001
氏名:S.U
所在都道府県:オセアニア
職 業:その他
年 齢:26歳
性別: male
質問:
始めまして。藁をもつかむ思いでネットサーフィンしておりましたら、貴医院のページに巡
り合いました。
私は春先に会社を辞め、今年の8月から2年の予定で海外を旅しています。ところが先日、ここ
オーストラリアで奥歯が痛み出し、こちらの歯医者でまず最後に残った左下の親知らずを抜き
ました。
ここまではいいのですが、それより1本手前の歯(左の7)が問題で、根管治療が必要だと言
われました。しかもそれが、きわめて難しい事例で、専門医の治療が必要だと言われたのです。
普通の歯は、歯髄が山高の「ハ」の字状になってますよね? ところが私の歯は、これだけ極め
て山低のハの字状(ハの字のてっぺんが、頂いたレントゲンを見ると歯茎より8mmほど下。隣
り合って映っている手前の歯は、てっぺんは歯茎より上に飛び出しています)になっており、肉
眼ではまったく見えないとのこと。
費用も、ここオーストラリアでは確実に1000$(約7万円)以上するとのこと。
旅も始まったばかりだというのに、目の前が真っ暗になりました。
最後に歯医者に行ったのは3月、会社を辞める前の事で、日本の先生にも「海外に行くから
小さいのも全部治して下さい」と言ったのに、です。
このことをこちらの先生に言うと、「日本人の患者さんはそういう例が大変多い。普通、
ちゃんと治したのなら1年ぐらい痛みが出る虫歯など発生しないものだ。本当に日本の歯
医者はひどい」と言われてしまいました・・・。
さらに「他にも6つ虫歯がある。クラウンの下にもいくつも隙間がある。これは虫歯かどうか
はクラウンをどかさないと分からない」最後に極めつけ、「日本に帰って治すにしても歯医者は
変えた方がいい」とまで・・・
質問させていただきたいのですが、
どうもオーストラリアの歯科医も比較的まともなようですね(実際の技術水準は知りません)
。おっしゃっていることがそのまま正しいように思います。「治療した方が良い歯が6本あり
ますよ」というと「この前健診したばかりです!!」と不信な目でみる患者さんをよく見かけ
ます。日本の健診ってあんまりあてにできないケースが多いように実感しています。
さてご質問に関してですが、治療そのものは保険があれば費用的には大学でしようが開業医
で治療しても抜髄だけですと初診料¥3000を含めても¥6000円程度です。あとの補綴処置も
¥3000程度ですのでトータルで1万円(何れも3割負担)ほどあれば全ての治療が終了する
ことになるはずです。治療も順調にいけば3週間以内で終わる可能性もありますが、問題は
そのように全てが順調に行く可能性が非常に低いという現実です。
抜髄にまつわるトラブルが非常に多いのはこのホームページでも
明らかです。期間に制約がある状態では、折角日本に帰っても目的が達成できるかどうかに
大きな疑問が残ります。時期的には“1mm”あれば数ヵ月〜数年猶予はあるとは思いますが、
確約できるものではありません。一番得策なのは、おそらくオーストラリアではあとの補綴
処置(被せる)も保険外で高くなると思いますので、難しい根管治療は比較的技術のしっか
りしたオーストラリアで治療して、残りは2週間もあれば治療できますので日本に帰った時に
処置するのが最善ではないでしょうか。