日付、時間:11/07 WED 13:19 Japan 2001
氏名:のりこ
所在都道府県:東京
職 業:自由業
年 齢:40歳
性別: female
質問:
こんにちは、私は現在40才になる女性です、2年前から「歯周病」と診断されており、
他の虫歯の治療と合わせて、歯石除去や歯磨き指導を受けて来ました。
仲々納得の行く診療が受けられず、歯科医を3回変ったのですが(強引に自由診療を迫
られたり、インフォームドコンセントが得られなかったりで)、3件とも「支払明細」を
求めたのですが、ことわられました。 頂けたのは合計額が書かれているだけの、領収書
でした。
そこで以下の事を質問させて頂きたいのですが、
感想:
時々お邪魔して、勉強させて頂いています。 中々歯科医の方に面と向かって聞きにく
い事も、このHPで情報を得る事が出来(特にQ&A)、とても助かります。
支払い明細書は難しいでしょうね。コンピュータカルテの場合は出す気になれば簡単なこと
ですが、ほとんどの医院が手書きカルテです(保険請求はコンピュータでもカルテは手書きが
多い)。手間もさることながら、4重・5重にも及ぶ点検・診査と厳しい規則がある限り、
本音としては絶対明細書を発行することは不可能です。
勿論、悪意・悪用という側面もありますが、一応そのような意図がないものとして話を進め
ます。私の場合、効率の良いコンピュータカルテを
使用していますが、それでも1日の診療時間に占める記載時間は1/3以上になります。治療の流れ
と経過から対処すべき事柄と将来の展望を考えながら、実際に治療を行うにあたって規則に沿っ
た方法・手続きを行い、患者さんの状態・必要なメモ・実際の治療行為などを書き込みます。
そのような状況ですので、記載間違い・記載漏れは日常茶飯事です。「アッ、レントゲン
1枚分書き忘れた!」記載直後に気付くこともしばしばです。月末のレセプト点検時に「病名
と処置の不一致」というメッセージが出れば修正が必要です(勘違いや記載ミス)。そののち、
保険審査・保険者の点検があって何かと修正が必要になります。当然、お金のもらい過ぎもあ
りますが、少ない場合もあります。カルテはコンピュータ管理されていますので、気がついた
時点で患者さんとのお金は清算されます。お金を返す分にはさほど問題はありませんが、その
反対の場合はそれなりの言い訳をしなくてはいけません。
「トータルでアバウトに合ってればいいでしょ」という気分です。普通の商売ってそこまで
チェックが厳しくない分知らずに済ませる部分もありますが、チェックが厳しい分だけ正確?
に記載することが難しくなります。
それともう1点。規則が本当に正しく実態を反映して、
しかも実態に応じて融通が利くものなら問題はないのですが、本当に規則通り治療した
とすれば色々なところで摩擦がおこります。このホームページに寄せられる医院対応の不満
の中には、規則に従っただけでドクターは悪くないという事例はたくさんあります。休み中
に治したいとか、こんな手順で治して欲しいというような希望に応える余地はほとんどない
と言っても過言ではありません。
「お役所仕事って融通が利かない」と思いませんか。融通を利かすこと=規則に反するこ
となのです。一般商店ですと社内規則に反しても罰則はありませんが、罰則を伴う規則に反
することって嫌ですね。「医の倫理に照らして決して悪いことではない」ことであっても
融通を利かすことは罪になりますので、できるだけ闇に葬りたくなります。
まだまだ言い足りない部分や腑に落ちない部分もあると思いますが、他に類を見ない保険
制度の下ではトータルの領収書を出すのが精一杯という実情を理解してください。