日付、時間:2001年11月21日 21:34
氏名:F.W
所在都道府県:広島
職 業:その他
年 齢:20歳
性別: female
質問:
私は、今年の4月ぐらいからご飯を食べるときなどにカクカクと顎におとがなるように
なりました。6月頃には口を開けづらくなったため、かかりつけの歯科に行きました。そ
の時に、奥歯のほうを少し削られたのですが、家に帰ってご飯を食べると噛んだときに今
までと違う感じがしました。
鏡で自分の歯を見てみると、かみ合わせたときに奥から二番目の歯以外は、上の歯と下
の歯がかみ合わない状態になっていました。以前はかみ合っていたのですが、顎が治れば治
るのかと思い、あまり気にしていませんでしたが、半年たって顎の状態は、大きく口を開け
ると時々音がする程度にまで改善したのですが、歯の方が治らないので、気になりだし、歯
科に行ったところ、以前からこうではなかったのか?と言われました。
奥歯のほうのかみ合わせも見てもらいましたが、ちゃんと自分の歯でかんでいるといわれま
した。前に歯を削った時は詰め物のところはさわってないから、そのようになるはずがないと
言われました。それで、矯正歯科に相談にいって、見てくださいと言われ、紹介された矯正
歯科に行きました。その時に、私の歯の状態は開咬というものだといわれました。何だか以前
はかみ合っていたし納得がいかなくて、悩んでいます。
顎関節症で顎が変形すると言うことはあるのですか?
また、そのような場合は手術をしたりしなければならないのでしょうか?
それか、本当に私が気づかなかっただけで、以前からこのような状態だったのでしょうか?
奥歯のほうもかみ合ってないような気がして気持ちが悪いしどうしていいか分かりません。
何か、インターネットでいろいろ見ているとすごく怖くて不安でいっぱいです。私は、手術は
絶対にしたくありません。病院にいくのも怖くて、すごくすごく悩んでます。
上の歯と下の歯の隙間は2〜5ミリの間だと思います。
ある程度は思い込みとか、大げさに捕らえている部分もあるように思いますが、少なからず
事実が存在しているのでしょう。
元々開咬状態の場合、奥歯のかみ合わせを低くすることにより、開咬が著明になることは
考えられます。ただ、咬合調整ではそこまで大量の歯質を削るとは思えません。咬合調整によ
り、感覚としてのかみ合わせの変化はあったと思いますが、それが必ずしも悪いものではなく
症状を改善する調整であった可能性も十分考えられます。
“顎関節症で顎が変形する”というよりはむしろ顎形態に変形があったために、顎関節症様
の症状を呈していると考える方が自然です。顎変形症の究極治療は外科的な手法になりますが、
これは口が全く開かなくて食事もできないというような生死に関わる程重大な局面になって始
めて選択する手法です。顎関節の形態にはリモデリング現象といって自然に形態を修復する機能
がありますので、歯の保存を最優先して咬み合わせを極力変化させないことが重要だと認識して
います。
感想:
すごく、速くお返事を頂けるのでびっくりしました。
回答:
“診断”というものは、稀なものも念頭には置いてはおりますが、一般的なものから採用
していきます。レントゲンも撮っているはずですので、明らかな腫瘍はないはずです。勿論、
レントゲンにも写りにくい腫瘍というものもありますが、そんな稀な疾患を疑う前に 日常
見られる原因があるわけですからそちらを診断として採用すべきです。
治療前の状態がどうであったかは、私には分かりません。臼歯部咬合調整をする以前から
開口もしくは開口傾向のある歯並びは、臼歯部の咬合調整により開口がより鮮明になる傾向
があるという事実を申し上げているだけです。
実際の状況を診ていない私が“何らかの病気や腫瘍”を全く否定するものでもありません。
ただ、その前に日常頻繁に見られる顎の変形を疑って診断し対処する方が優先すべきだという
意見です。