全体の歯を保たす努力が個々の歯を助ける。
後続永久歯のない乳歯

日付、時間:2001年12月25日 14:02   氏名:UK  
所在都道府県:大阪   職 業:その他   年 齢:28歳      性別: female  

質問:
 はじめまして。大阪に住む28歳の女性です。私は実は生まれつき上あごの左右の第2 小臼歯と下あごの左の第2小臼歯の全部で3本の永久歯が生えてこないタイプです。遺伝の ようで弟も母も大2小臼歯が生えてこないところがあり、乳歯を抜いたきりで1本歯抜けの 状態です。目立たないところなのでいいのですが、私はなんとか差し歯にしないで年をとり たいと思っています。
 ただし、現状と致しましては、上あごの2本の乳歯はすでに寿命がきているような状態で、 歯茎の近くに深さ2ミリ程ののくびれができています。虫歯にもなっていて内側も陥没した ような状態です。左の乳歯に至ってはひびも入って入るらしいです。前の歯医者さんはそれ でも絶対に神経を抜こうとはせず、うんでいるということもなかったようです。ただ、虫歯 なので全体的にもろくはなっています。

 最近上あごの左の小臼歯が知覚過敏になったので引越し先の新しい歯医者さんに行ったと ころ「左も右もどちらもくびれが神経に達する1歩手前なので神経を抜いて銀冠をかぶせる」 と言われました。それでもって右の乳歯は小さく削られて、神経を細いのを3本とって消毒を してセメントでふたをしているという状態らしいです。しかしながらねじをがりがり突っ込ん だりしているときですら、その歯はもろくもかけたりしているような状態で、こんな歯にかぶ せても根っこがもつのかな?と思わずにおれません。
このままだと左の乳歯も神経を抜いて銀冠をかぶせてしまわれそうだけど、そうした方がいい のかな?と少し疑問です。ブリッジをつけて差し歯にすると、両サイドの歯に負担がかかると いうことですし、上あごの右も左も差し歯なんて考えられないので、多分上あごには第2小臼 歯がない、という状態になってしまいそうな気もします。
 今後、これらの乳歯をどのように処置していくのが一番賢明なのかおしえてください。 先生の所まで伺えなくてすみません。よろしくお願いします。

回答  後続永久歯のない乳歯は、永久歯と全く同じ扱いです。人生80年、その生涯の90%(約70年) を永久歯1本でまかなうわけですが、1本の乳歯で77年ほどまかなわなくてはいけないだけの ことと理解した方が良いでしょう。
 後続永久歯萠出に伴い歯根吸収する乳歯は、通常の根管治療ができないことと10歳頃には 生え変わるという特殊な条件から治療方法も独特です。ところが(通常)歯根吸収のない乳歯 は永久歯同様にムシ歯にならないようメインテナンスを行うことが前提ですが、“神経に達す る1歩手前”ということであれば抜髄もやむなしですし、その後の処置としては銀歯を被せる ということになります。脆くなっているからといっても特別な対処方法があるはずもなく、 現在の条件の中で最善を尽くすしかありません。28歳ともなるとまともに永久歯が生えた人で すら抜歯してしまった人も多く見かけます。

 また、他の永久歯ですら普通にしていれば50〜60歳で喪失してしまいます。それらの歯を 定期的にスケーリングして管理すれば生涯保たすことも可能です。もしそれらが生涯保つの であれば不幸な乳歯が例え早期に喪失したとしても十分ではないでしょうか。

返信:2001年12月25日 18:05
本日付の質問に答えていただきまして、ありがとうございました。乳歯につきましては半分覚悟 をきめ、今ある、健康そうに見える歯を絶対失わないぞ、という気合でもって、これからは歯を 管理していくつもりです。先生のホームページを訪問したことで、歯についての謎が少し解明さ れたような気がします。ほんとにありがとうございました(あと、回答の所についている挿絵を 見て、噴出してしまいました)。    

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