日付、時間:2002年1月23日 10:01
氏名: N
所在都道府県:宮城
職 業:その他
年 齢:40歳
性別: female
質問:
以前('99.10.12)抜歯後一ヶ月の予後不良という件で質問させてい
ただいた者です。先生のご指摘通り根管治療の必要ありということで治療を開始(右下7番)
しました。その時に通院していた所は、抜歯は最終手段だからと言うことで、3MIXとい
うものを数回施行し、2〜3個所ヒビの入っている部位(破折とおしゃっていました)
をセメント(ボンド?)で接着し、歯に動揺が見られないということで、その上からクラウ
ンをがっちりかぶせて一旦は治療が終了しました。
しかし、歯ブラシをあてるとその歯、歯茎が痛むこと、体調によって歯が痛み出すことが
頻繁になってきたため、通院を再開しましたが、レントゲン上何でもないから治療しなくて
も良いと言われたことに納得できず、治療歯科医院を変えました。
現在治療して頂いている先生には、今までの経過を話し治療して頂いています。クラウン
ががっちりとかぶせてあることとボンドで破折部分を接着してあること、何年も根管治療を
数人の先生がしていること等から、クラウンを全部はずすのではなく、クラウンの一部だけ
を削って根管治療をし様子をみることになったのですが、どうも痛みの原因の一つに、
そのクラウンを覆うように歯茎が成長していて、ポケットとなる部分に細菌が住み着いて
痛みを助長させているのではないかということで、伸びている(?)歯肉部分を切除した
りしましたが、一時は痛みが治まりましたが、4ヶ月経た現在では、また元のようにクラ
ウンを覆うように歯肉が伸びてきている状態です。
治療としては、歯石除去、歯ブラシ指導、もう3年位左側中心でしか物を噛んでいないので
(右側でも噛めますが、痛くなることが怖くて満足には噛んでいません。)右上6、7番
の歯が伸びてきているということで、数ミリ削ったり、ポケット部分の洗浄をしたりとい
う治療を受けています。最近では体調にもよるのですが、歯自体の痛みもでてきたり、臭
いも気になるようになってきています。治療してくださっている先生は、「抜歯すること
が今の状態から開放される一番の方法だけど、歯の動揺もないし、まだまだ持つような気
がするし、このクラウンをはずすことだけでも大変になりそうだし、難手術になるから、
できればやりたくない。もう一度、歯肉切除ということも考えてみて。」という意見でし
た。レントゲン上にも明らかな所見が見られないということです。
歯自体の痛みも感じます。この先の治療はどうしたらいいのでしょうか?
私のような場合は抜歯してしまったほうが良いのでしょうか?
右下親知らず抜歯後にできた(?)ヒステルも気になります。クラウンを一部削って治療した
部位の再治療は、必要ありませんか?(今は、セメントで被せてあるだけです。)
何年も根管治療されている方々もたくさんおられるので、私もがんばって治療を続けていき
たいのですが、どういう症状になったら、最終的に抜歯を考えなければいけないでしょうか?
慢性化した、重苦感、腫脹感から開放されるにはどうしたらいいでしょうか?
何も気にせずガブッと固いものも噛んでみたいです。
お忙しいところ恐縮ですが、先生のお考えをお聞かせ下さい。
“2〜3個所ヒビの入っている”という言葉が本当なら回復の見込みはありません。
ボンドで接着し、その上からクラウンをがっちりかぶせて得られた結果が全てです。その
症状が許容範囲であるならば「完全回復の見込みはないけれども使えるうちは使おう」と
いう仮の?治癒形態というものも存在しますが、許容範囲を超えた症状を呈するようだと
追加処置はありません。
出来るだけ歯を残す姿勢は大切ですが、見込みのない歯に固執しすぎるのもどうかと思い
ます。日本一?歯牙保存に執念を持つという自負のある私でさえ、歯根破折は即刻抜歯の対象
にしています。
問題の歯に、炎症を起こすべき原因が何か潜んでいます。それが歯根破折であるならば
あきらめるべきでしょう。破折の位置によってはヘミセクションにより半分だけでも保存も
可能性を模索することは可能です。
それから、全国的に根管治療の技術に問題を感じております。原因が根管治療の不
備であるならば的確な根管治療により回復の可能性を探ることも可能です。そこら辺
の判断は素人では無理ですので信頼置ける歯医者にということになりますね。いずれ
にしても本当の原因を突き止めて、その結果により相応の対処を早くすべきです。
歯を残す努力とはダメになった歯を執拗に治療を積み重ねることではなく、今大丈夫と思
っている歯ですら普通にしていると50〜60歳でダメになってしまう現状を正面から認識して
それらを生涯残すことを目標に手入れすることです。また、手遅れ状態で治療しても所詮
先は知れていることを過去の治療歴から学び、手遅れ状態の治療を今後二度と繰り返さない
ための努力だけが唯一の方法です。