日付、時間:2002年2月5日 6:01
氏名: SM
所在都道府県:東京
職 業:学生
年 齢:21歳
性別: male
質問:
先日はじめて神経を抜いて現在治療中なのですが、クラウンを被せるのにどれくらい歯を削る
ものなんでしょうか?
前回、型を取ったんですがメチャメチャ削られて、歯の外側は半分くらいの高さは残ってるん
ですが内側はないに等しいです。昔虫歯を治療したところをまたやられてしまったので歯が外壁
一枚の状態になってしまい、歯がかけたりしたらもっと大変なことになるのでたくさん削ったと
は言っていたんですが。このホームページでみなさんが言われているように痛みなどは今のとこ
ろ全く無いのですが、30代くらいの頼りなさげの先生で少し不安になったので質問させていた
だきました。
それとおまけでもう一つお聞きしたいんですが、僕が前に通っていた歯医者に治療してもらっ
た詰め物が3回連続で1ヶ月後に取れてしまったんですが、これはヤブ医者と言っていいんです
よね?
僕はこのことで見切りをつけ、今の歯医者に変えたんです。先ほど抜髄した歯は昔治療した
ところといいましたが、こちらの詰め物は全く取れませんでした。今の歯医者でこの詰め物を取
ってみたところ中から黄色い歯の腐ったものが大量に出てきました。それまでは全く痛みはなか
ったんです。こちらの歯の詰め物もヤブ医者ぶりを発揮してくれればもっと早く気付くことがで
きたのに。なんてことを素人ながらに思っているんですが、技術的に劣っているということでは
なくたまたま3回連続ですぐに取れてしまったということなんですかね。
なんかおまけの質問の方が長くなってしまいましたが、どれ位削るのかっていう質問、よろしく
お願いします。
歯の削除量は必要最低限です。すでにムシ歯に罹患している部分は勿論ですが、罹患部分を
削除して、表面のエナメル質だけが薄く残った部分は強度が全くなく必ず破折しますので削除
して金属等で補うことになります。また、クラウンを装着する場合には対合歯との間に1mm程度
の隙間が必要ですので削除の対象となります。更に今回の削除には該当しませんが、ブリッジ
にする場合には平行性を必要としますので、その必要量は削除対象になります。
一般に歯科医は“必要最低限”を十分心得ていますので、必ず何か理由があるはずです。こ
の件に関して、歯医者は信頼に足りると認識しております。
“詰め物が取れる=ヤブ医者”は多くの場合該当しないと思います。小さなムシ歯は誰が
作ってもほとんど脱離しません。問題は広範囲に広がったムシ歯です。修復物を維持できる
形態が確保できないケースというのが少なからず存在します。もっと削って維持を取りたい
とかすっぽり被せるクラウンにしたいのは山々ですが、そうなると神経を取る必要性が生じ
てきます。できるだけ削りたくない・神経を取りたくないのが歯医者の正義ですので、“
はずれ易いのは覚悟で歯質保存”を優先するのが良医の選択です。その結果が予想以上に
はずれ易いからといってヤブ医者は気の毒です。
ヤブ医者の判断は、根管治療の良し悪しで評価する方が的を得てると思います。