今回のことを教訓に二度と抜髄の宣告を受けなくて済むように…。
神経を抜くデメリット

日付、時間:2002年2月13日 12:56   氏名: wata   
所在都道府県:愛知   職 業:学生   年 齢:21歳      性別: male  

質問:
 こんにちは、はじめまして。
2週間前から右上の奥歯が痛み出して病院で診てもらったところ、「神経を抜く可能性がある」 と言われました。最初の検診でそう言われ、先日2回目に行ったところ、1回目にとったレン トゲン写真から「神経まで到達している」とのことでした(1、2回目とも薬を塗っただけで した)。
結果、以降(いつかは分かりませんが)「神経を抜く」ということになりました。でも、正直 「神経を抜く」ということはどういうものなのか分かりません。今まで歯医者にお世話になっ ても薬を塗ってもらうだけですんでいたのですが…

神経を抜くとどのようなデメリットがあるのでしょうか?
また、神経を抜く以外に何か良い方法がないのでしょうか?
唐突なご質問で申し訳ございません。どうぞ、よろしくお願いいたします。

回答  歯髄に痛みを感じる状態を放置しておくと、1か月先には神経が死ぬ直前に“夜も寝れない ”程の痛みが訪れます。更に6か月程経つと、完全に腐敗した神経の刺激により根尖部付近の 骨に激しい炎症が起こります。この根尖部の炎症は、腐った歯(歯髄)が存在する限り10数年 にわたって炎症を起こし続けます。時には顔がパンパンに腫れることもあるでしょう。まっ、 その地獄のような苦しみに比べればあっさり歯を抜いた方が楽という価値判断です。
 抜髄という手法がなかった時代には即刻抜歯だった歯も、抜髄により末永く機能できる可 能性が生まれました。あくまでも可能性です

 未だに抜髄という手法が確立されていない現状では、抜髄しても根尖部に炎症を起こしたり 、折角炎症を起こさないような完璧な治療ができたとしても数(十)年後には脆くなって破折 してしまいます。
 医学の世界と違って、生体の自然治癒能力のない歯の治療はあくまでも修理です。10歳頃 新品だった歯を、10年程で抜髄という大修理を必要とするほどの使い方ですのでいくら修理し てもそれ程長く保つことを期待する方が無理というものです。

 健全歯が生涯機能する可能性があるのに対して、神経を取った歯は即刻抜歯も含めてせいぜ い30年も保たないということが最大のデメリットでしょうね。その辺のことは歯医者も重々承 知していますので、だから薬を塗って何とかとか、もっと早めに治療を呼びかけているわけで す。今からでも3MIX(スリーミックス)を使うなどの回避策もあります。 おそらく抜髄を念頭においた処置であっても、歯科医なら誰しも最後まで歯髄保存を心がける はずです。
 大切なことは「だから神経を抜かないでくれ」ではなく、その歯はすでに健全歯ではなく抜 歯もやむを得ない病んだ歯なのです。その抜歯の前に延命の可能性を求めて抜髄を選択すると いう選択と位置付けてください。今回のことを教訓に二度と抜髄の宣告を受けなくて済む ように普段からのメインテナンスを徹底することです。

 

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