日付、時間:2002年3月5日 15:38
氏名: AT
所在都道府県: 群馬
職 業:その他
年 齢: 24歳
性別: female
質問:
右下5番について質問します。5番と6番の間を糸楊枝で掃除していたら、ひっかかって
しまい気になって見てみたら、インレーのところでひっかかっていました。あまり気にせず
にほっておいたら、4ヶ月前にちょっと冷たいものが凍みる感じがしたので、歯医者さんに
かかりました。そしたら、虫歯かもしれないけど少し様子をみようと言われてそのままにし
ておきました。
最近になって、あったかいものが凍みるようになりました。それが、いつもじゃなくて、
凍みる日と大丈夫な日があります。あったいかいものがしみるのは、もう神経がだめになっ
てるから、抜髄になっちゃうと聞いたことがあったのですが、やはり抜髄になるのでしょう
か?
もうひとつ質問です。5月に海外旅行をする予定なのですが、10時間以上飛行機に乗っ
ていたら、気圧の関係で親知らずが痛くなってしまったという人がいました。ほんとにそんなことが
あるのですか?私は、以前治療した所が気圧で痛くなったらどうしよう・・・・と心配にな
ってしまいました。
ムシ歯が原因だったとすれば“ちょっと冷たいものが凍みる”という時点でおそらくアウト
だったと思います。ただその時点では、歯石を始めとした汚れの貯留による歯肉炎からくる
知覚過敏(歯髄炎)の可能性も考えられますので、歯石除去や知覚過敏用の塗り薬で様子を
見るという方向に進めることは往々にしてあります。
しかし“あったかいものが凍みるようになりました”という状態では抜髄は避けられない
ものと思われます。
気圧との関係においては実際にあり得る話です。但し余程炎症のヒドイ状態でないと簡単
には起こりません。事前に異常の起こりそうな歯を治療しておくことが重要であることは言う
までもありません。例えば今回の右下5番のような歯をそのままにしておけば、とんでもない
痛みに襲われる可能性が十分考えられます。
回答:
「できるだけ神経を取らない方が良い(歯周疾患末期は別)」ことは確かです。しかし
それは神経を取らざるを得ない状況になる前に治療しましょうという意味で、神経を取る
べき状態になったものは神経を取らざるを得ません。
ギリギリの治療の先行きは誰にも予測できません。気圧の変化を特別視することはない
と思いますが、例え神経を取ったとしても根尖病巣に発展する可能性もありますので決し
て安心ではありません。何をしても…何もしなくても…飛行機に乗る・乗らないに関わら
ず可能性は残ります。
「神経は見えてないから」という状況を踏まえて最善と思われる処置方針を決定された
わけですから、結果については見守るしかないでしょう。絶対という治療が存在しない現
状で特殊な要因を持ち出して念を押されると本来の方向を見失います。
例えば今回の気圧、他にも「正月の間痛くならないように」とかの条件をつけられます
とその条件だけを満たすために「神経を取る」とか「抜歯する」という処置方針
に傾きます。その結果、トータル的には更に歯を失うとか他の損失が生じるなどの不利益
が生じることも考えられます。診断や処置方針は、通常の条件下で考えるべきではないで
しょうか。