根管治療の基本は根管内の腐敗物を可及的に除去して、親和性の良好な 素材で神経のあった管を閉鎖すること(死腔の閉鎖)です。
抜髄後の痛み

質問 日付、時間:Mon Mar 2 20:09:22 Japan 1998    アクセスポイント:profitsv.tkcnf.or.jp
氏名:   
所在都道府県 福島   職 業その他 年 齢 35     male  

 昨年の5月頃、左上の奥から3番目の歯の歯ぐきの違和感があり、近くの歯科医で診察 してもらいました。根っこから膿みが出でるとゆうことで、神経を取られ根っこの治療をさ れましたが2ヶ月の治療でも症状が治まりません。

不安になり別の歯医者に行ったところ、隣の歯が原因だといわれ、隣の歯の神経を取られました。 ところが抜随後、歯ぐきが腫れ上がり激しい痛みになりました。 その後何回か通院し症状を訴えるのですが何にもいわないので、仕方なくまた別な歯医者に行きました。 そこでは急性歯根膜炎とゆう事で、2ヶ月間治療してかぶせたのですが未だに噛むと痛みがあり 歯ぐきも痛くなります。

最後に神経を取られた歯はもともと自分では何でもなかった歯なので、 このまま駄目になるのは納得が行きません。どうしたらよいのでしょうか?

根尖病巣
抜髄後の根尖病巣
実際にはこれが多い!
回答
 痛みなあった場所からは、歯石または、残留したセメントや蓄積した汚れによる歯肉の炎症の 可能性があります。今からでも徹底した歯石の除去をした方が良いでしょう。 本来の痛みが“歯肉の炎症”である可能性があって、それが為にボタンの掛け違いよろしく“痛みが 取れないから治療する→余計な治療をするから更に痛くなる”と言った悪循環かもしれません。 しかし、一応最初の先生の診断に沿って該当歯の歯髄壊死があったものとして先に進みます。

“根っこから膿みが出でるとゆうこと”ですので、その歯の神経は既に死んでいたのもと思われます (歯髄壊死)。私の医院ですと通常このような状況での根管治療は1日で終わります。しかし、一 般に数回薬を詰め替えて症状の緩和を確認して最終処置(根管充填)を行います。
本来、治療の基本はa 根管内の腐敗物を可及的に除去して、b 親和性の良好な 素材で神経のあった管を閉鎖すること(死腔の閉鎖)です。
いずれの歯科医院でもこのa が不完全だったものと思われます。 元々の痛みは、最初に書いた“歯石等による歯肉炎”の可能性もありますが、現在 の痛みはa または、b が不完全なために引き起こされた歯根膜炎が原因でしょう。

解決策として、根管治療の上手な(丁寧な)歯医者を探して治療してもらうことです。 ただ、問題は上手な歯医者ですね。素人にはなかなか判別不能ですね。 歯科大学の付属病院の“歯内療法科”が最善でしょうが福島には歯科大学はなかっ たですか?医科大学の付属病院でもかまいませんが、これも一律には信頼できません。 街の歯医者でも10人に1人(以上)くらいは上手な歯医者がいますので噂を聞いて根気よ く探すのが良いかも。
「どこも悪くない。気のせい。様子を見ましょう」と言う歯医者はダメ。
「それはお気の毒ですね。何とか努力してみましょう」の歯医者は○。
歯医者に行って、そこのベテランスタッフにこっそり聞くのも良い方法かも? いずれにしても、良い歯医者にあたれば90%以上治る可能性がありますが悲しい 歯科事情ですね。

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