痛みがないということは重要な診断基準です。
根管治療の予後

日付、時間:2002年4月23日 20:53   氏名:   W.H.  
所在都道府県: 埼玉   職 業: 会社員   年 齢: 36歳      性別: male  

質問:
 「治療に多少不満」で質問させていただいた者です。いつも大変 興味深く拝見させていただいています。以下また長文で大変ご迷惑をおかけします。
a病院で上の前の左右2本計4本をさし歯にしました。その後、親知らずを別な病院で抜歯し  ました。そのときのレントゲン写真にさし歯の左1と2の間に、かなり大きく丸い黒いかげ があり驚きました。a病院での最初の治療前のレントゲンではそんなものはなかったと記憶し ています。
 心配だったので、さらに別な病院で見てもらったところ、「問題ないです。」とのこと。 そのときのレントゲンでも同様でした。素人の自分が見ただけですが、根の方には達してい ないようです。歯の間の歯槽骨の吸収でしょうか。それとも何かの問題でしょうか。
a病院で最終的にさし歯を装着したときに、その歯茎との接合部分から血が出て痛みがあり、 1週間程でひけました。a病院での治療にかなり期間(9か月)がかかり、先生との信頼関係 が今一つできておらず、せっかく終了して、それも痛くもないのに「レントゲンを取って調べ てください」とどうしても言いにくいです。

回答  まず第1点、時代は変わりました。歯石除去こそが最善との意見が 小泉首相に伝わったのか2002年4月の保険改正により 毎月の歯石除去が保険制度に適応され市民権を得る事になりました。積極的に活用して歯牙保存 に努めてください。

 さて今回の質問ですが、治療に9カ月を要したことと治療直後の痛みには多少問題を感じます が、元々根尖病巣が存在していたものを治療した直後の出来事として捕らえてみた場合、例え 治療が成功していたとしてもレントゲン的に治癒が確認できるのは1年以上先の話です。それも かつてのレントゲンと比較して縮小しているから“良し”とする程度です。更に症状もなく数年 を経過して治療の成功を確認できるのが通常です。
 その間に経過を知らないドクターがレントゲンを見ると「何か異常があるかも知れない」とい う見立てになるはずです。痛みがないということは重要な診断基準です。とりあえずは心配し ないで経過を待ってください。それとは別に「痛みはないけれど治療後の経過はどうでしょうか」 ということでレントゲンを撮ってもらうことは一向に構わないと思いますよ。
 もし経過が悪かった(再び症状が現れた)としても、その時点で的確な治療が行われれば、 確率はともかくもう一度治癒に向かう可能性があります。

 問題の歯の経過もさることながら、問題ないと思っている歯だって放置しておけば数年単位で 悪くなってしまいます。そちらの手入れ方々メインテナンスを実行して、ついでに問題の歯の 経過を観察するような姿勢こそが最善の治療だと思います。


返信:2002年4月23日 23:52
 お忙しいなか、メールの質問をわずか2時間でご回答いただくなんて驚くと同時に本当に感謝 しております。
治療の期間が長かったせいか、かなり気にしすぎの感がある私です。そこの歯はしばらく様子を 見ることにします。今後はその思いを4本の歯ばかりでなく、他の歯の保存の方にも向けて参り たいとおもいます。
 大変あつかましいですが、今後も何かわからなかったときに、質問をさせて頂 ければ幸いです。

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