日付、時間:2002年6月11日 13:15
氏名: Sally
所在都道府県: 石川
職 業: 主婦
年 齢: 30歳
性別: female
質問:
こんにちは。歯科に通いはじめて2ヶ月がたちます。
歯槽膿漏の中度だと診断されました。最初に一通りの検査をして歯石をとりました。ブラッシング
の指導もうけました。先週2回目のポケットの検査があったのですが、少しは状態が改善されたよ
うでした。でも自分でちょっと細いものでポケットの深さを傷つけない程度に測っていたんですが、
特に歯と歯のつなぎ目の谷間になっているところのポケットはまだそれなりにあるんです。そのこ
とを先生に言うと、2回目の検査結果ではかなり浅くなっているんだけど・・・と言ったんです。
実は2回目に検査した助手の人のやり方がおおざっぱだったんです。それに同じ歯でも場所によ
って状態って違いますよね?
なのでそんなことになっているんだと思うのですが、先生は増えたのかな?と言ってました。結局
深さが5ミリあったので先生も驚いていました。
どの病院でも検査や歯石取りは助手や衛生士がやっていますよね?
先生はあくまでもその結果をもとに治療をしていますが、一人一人の歯や歯茎の状態をじっくりは
見ませんよね?
これって歯周病認定がやっている歯科でも同じでしょうか?
やはり歯石取りなどは助手や衛生士の方がやるんですか?
歯茎が引き締まった結果見えてきた黒い歯石や気になる深さのポケットがある部分とかあるんです
けど、先生は患者に付きっきりで検査したりしてないのでカルテや検査結果でしか判断していない
んです。いくら医者でも一人一人の患者を100%見ることは難しいと思うので、患者の方から
治療や見て欲しい部分を言ったほうがいいですか?
今の歯医者はきちんと治療や状態の説明をしてくれますし、こちらの話もきちんと聞いてくれるの
で信頼できる医者だとは思っているんですけど、上記に書いたようなことがあるので、ちょっと不
安を感じています。
これがもし認定医や歯周病を専門とした歯科医ならこちらから言い出さなくても悪い部分を見つけ
てくれるのではないかとも思っていますがどうでしょうか?
よろしくお願いいたします。
盲嚢測定は、測定する人・条件・微妙な位置のズレによって異なります。測定は一般に衛生士
が行います。衛生士よりドクター、一般のドクターよりは認定医の方が信頼おけそうに思われがち
ですが、それぞれ個人の性格や技量・経験によって違いはあります。しかもその優位性は誰が良い
とは言えないのが現状でしょう。
例えばドクターは一切?測定しませんので、たまに計っても要領を得ないけれど、いつも測定し
ている衛生士が計った方が安定した結果が得られる可能性は高いと思います。歯石の除去も衛生士
の仕事ですので、本職の衛生士がやった方が丁寧ということは十分考えられます。これには私の恩
師も随分反発されていました。つまり6年間学業を積んだ歯科医と2年間しか研修していない衛生
士とではおのずと結果が異なるという趣旨でした。確かに卒業したての衛生士はどうかと思います
が、何年もその職に携わった衛生士を熟練といわずしてそれ以上の技術を求めるのは不可能では
ないでしょうか。
私も認定医の一人ですが、アバウトな性格と極端に時間に追われた診療ですので、自分でする
よりも彼女(衛生士)たちの処置に絶対の信頼を置いています。とは言え、スケーリングの場合
誰が行ったとしても、フラップオペなどの手術を行ってみると必ずといってよい程取り残しがあ
ります。手術をして一旦全て取り去って、メインテナンスで毎月歯石除去を行っても10年以上経過
すればほぼ間違いなく歯石沈着が認められます。
歯石をほとんど取ったことのない人でも50〜60歳頃までは保ちます。その程度の歯石除去でも
ちゃんと行えば100年以上長持ちします。今の機械でそれ以上を求めてもないモノねだりではない
でしょうか。「100点(満点)が望ましいに決まっているけど、現実に存在するのは50点〜80点。
0点から見ればどれでも合格。70点と80点は結果に差はなし」って感じでしょうか。
それと私の価値観ですが、盲嚢測定値にはほとんど重きを置いていません。レントゲンでみた
骨欠損状態が全てで、その欠損状態に比例して盲嚢測定値が決まります。盲嚢測定値の縮小は、
歯肉炎症の消退を意味しますが、その結果に関わらず継続した歯石除去が必要ですし、継続した
歯石除去を行ったとしても急性発作的な歯肉炎症が起こります。急性発作的な歯肉炎症が起こっ
たということはそこには歯石が存在するということですので更なる歯石除去が必要です。
そんなこんなを繰り返しながらでも、継続したメインテナンスを行うことにより世間では考えら
れないような奇跡をもたらしているのが現状です。同じ症状を診て、本当に悪い部分を的確に見つ
け出すかが“診立て”の違いであって、資格の有無に関わらず技量の違いは必ず存在しますが、
本当の技量を周囲の目で見極めることは不可能でしょう。何よりも大切なことは、全ての対応を
通して信頼に足りるかどうかではないでしょうか。気になることが言えるかどうかも信頼の度合
いに比例すると考えます。
確かに人間ですから衛生士や先生の性格によって治療、診断も変わってくるかも知れないですね。
どうしても100%を期待してしまいがちですが今の先生を信頼して治療に専念していこうと
思います。