日付、時間:2002年6月19日 20:18
氏名: AW
所在都道府県: 埼玉
職 業: 主婦
年 齢: 39歳
性別: female
質問:
引越しの際に現在の病院を紹介され10月より通っています。右上67根管治療のやり直しの必要
とのことですが、たぶん被せるにしても歯の高さが足りないのではないかという事でその隣の歯ま
で引き出されないように矯正をして歯を3ヶ月ほどかけて被せられる高さまで引き出さなければな
らないでしょうとの事です。費用は矯正装置14万、矯正週1回6000円合計21万位が見積もら
れています。期間も費用もかかるわけですが、必ずしなければいけないものなのでしょうか。また
高さが足りず抜歯しなければならない歯を助けると考えたほうがいいのでしょうか。
被せものをとってみない事には正確な事はわからないですが、レントゲンでは根が2つに分かれ
その先が又分かれ3つに分かれているようになっています。右上7については根の先に膿があり抜
歯の可能性もあるそうです。根管治療は前の医院で9年前にした覚えがあります。ここでは左下67
も5月にも薬が下まで届いていないという事でやり直してもらいましたが、緻密なかんじがして今ま
でとは違うかんじがしました。信頼がおけるので右上も直してほしいのですがそれぞれの考えの違い
もあるのでしょうが、そこまでして治したほうがいいのかどうか迷っています。
あと気になるのは将来この歯が2本なくなると手入れをしていたとしてもブリッジからいれ歯と
いうコースになるのは何年くらいでなってしまうものでしょうか。なるべく歯は1本でも大事にした
いと思うのですが。
“なるべく歯は1本でも大事にしたいと思うのですが”という観点から…忘れてはならないことは、
そのダメになりかかった歯のことよりも、今何とも無いと思っている他の歯こそ大切にケアしていた
だきたいと願います。上手く手入れすれば生涯使える健全な歯ですら、50〜60歳でダメにしている現
状に強い憂いを感じています。
さてさて、根管治療がおぼつかなくて抜歯の危機さえささやかれている歯に対して、高額の費用
と手間のかかる矯正をもちだす心境は私には理解できません。まずは的確な根管治療を行い、根尖
病巣を治癒に導くことが先決であり、以下の治療の基盤になるはずです。その根管治療の成功率や
50%以下?の実態で、仮に治癒したかにみえても将来に大きな不安をかかえています。
根管治療の出来と歯周疾患など周囲の状況によって将来を見通すことは、私自身が行った治療で
さえ予測は出来ません。即刻ダメから生涯機能するまで可能性は全て存在します。少なくとも言える
ことは、周囲の健全歯よりも寿命が短いことだけは確かでしょう。抜髄して9年ということですので、
治療しても5・6年、せいぜい10年保てばという気持ちで望むのが妥当でしょうね。その成否の鍵
を握るのが根管治療とのちのちのケアです。
それらをクリアしたのちに贅沢をいえば矯正も選択肢にはいりますが、私だったらそのまま無理を
して使うか、周囲の歯肉や骨を削って補綴物を製作します。大臼歯ではめったに行いませんが、一旦
抜歯して少し浮かした状態で再植して使うこともあります。過去の経験から、いずれの方法も10年以上
機能していますので遜色のない選択だと思います。