根管充填後、1か月経過をみてから次の行動を考えましょう。
抜髄して6か月

日付、時間:2002年7月10日 12:39     氏名:  Y.K   
所在都道府県: 東京   職 業: その他   年 齢: 31歳      性別: female  

根管治療の実態
質問:
 初めて質問させて頂きます。
2002年1月より前歯4本を歯根治療したのですが、両サイドの歯(2本)がずーっと痛くて 3ヵ月位薬の詰め替えを行った後ゴムを詰めたのですが、ズンズンとした痛みがずーっと続 いたのでまたゴムをはずして薬の詰め替えをしていました。
 その間2ヶ月間にわたって高熱を繰り返し歯の方はその影響もあってよくならないと先生 に言われました。笑うとツッパリがあって鼻の中を押すと痛みがあって仮歯を押すと痛みが あって、という感じでなかなか直りませんでした。6月にはいってようやく痛みがなくなっ たかなっと思い再度ゴムを入れて次の週には金属の土台まで入れました。入れた日から前の ような痛みではないのですが、やはり仮歯を押すと痛みますし、何もしていないときもたま に言葉では表せないのですが、キーンとするような痛みがあります。
 レントゲンを撮っていただいたのですが、レントゲンで見た限り異常はないと言われまし た。金属の土台を立てて2週間たちます。先生は仮歯の位置を変えながら様子を見ましょう とおっしゃっています。歯根膜を圧迫しているかもしれないからもう少し歯を削るようなこ ともおっっしゃっていました。激痛があるわけではないのですがこのままただ激痛が来る日 を待つだけの日々を過ごすのがとても不安です。
 多発性の円形脱毛症になってしまって髪の毛も抜ける一方でなくなってしましました。先 生は仮歯のストレスからじゃないかとおっしゃっていましたがこのまま痛みが続くことを考 えるととても怖いです。土台をはずしてやり直しをした方が良いのではとお聞 きしてもレントゲンでの異常が見当たらない限りしばらく様子をとのことなのです。
歯茎は全然異常はないみたいで痛みもありません。現在、舌で歯を触ると痛み、仮歯を押すと 痛みます。本当に激痛ではないのですがどれ位様子を見るのがよろしいのでしょうか?

今はなるべく歯に触れないように食事を取っています。ちなみに前歯の隙間が気になっては じめた治療です。虫歯ではありません。今は後悔でいっぱいです。先生とはうまくやってい きたいと思っているので強くいろいろ言えません。歯根治療も長期にわたってやっていまし たし、疑っているわけではないのです。ただ本当の差し歯を入れられる日が来るのかいつま でこのままなのか先が見えないのが不安なのです。
1才の子供もいるのでこれ以上長くなるのもと思っております。もう治療を始めて7ヶ月以上 です。ようやく土台までたどりついたのにこの状態です。どうぞ宜しくお願い致します。

回答
 術後の経緯からみても、仮歯のかみ合わせ云々は関係ないでしょう。レントゲン的に問題がない ようにみえても痛みがある限り炎症が存在するわけですし、炎症が存在する限り炎症を起こすべき 原因があるはずです。この場合、一番疑わしいのは根管治療の不備です。おそらく根管内の清掃が 不十分で、根管内に汚物が残っているはずです。
 一旦装着した金属ポストを除去するのは面倒ですし、歯根破折のリスクもありますが、根本的 解決には不可欠です。とはいえ、長引いた根管治療(悪夢の貼薬)の末、やっとたどりついた根管 充填です。過去の薬によって傷ついた組織への刺激が無くなって、回復の可能性もありますので (根管内清掃と根管充填がしっかりしていれば)1か月くらいは経過をみられてはどうでしょうか。 その間、全く改善が認められないようであれば再治療に踏み切るべきでしょう。

 審美のためとは言え、抜髄すれば5%程度は絶対治療不可能な歯がある上に、実質的な抜髄の成功 率が50%程度の現状で、しかも10数年後には必ずといってよい程トラブルの生じる治療の実態 (@ A)が世の中に 公表されていないことが惜しまれます。


返信:2002年7月17日 10:31
 7月10日に神経処置後6ヶ月以上たっても痛みが治まらないことで質問させて頂いたものです。 先日は早速のご回答有り難うございました。気持ちが少し楽になり本当に感謝しております。 本日再度質問させて頂きます。
 先生の回答の中で過去の薬によって傷ついた組織への刺激がなくなって回復の可能性があるとの ことですが、もちろん神経処置の不備がないことを前提に・・・その後医院に行って担当の先生と 話しましたがまた、「時間がかかるが様子を見ましょう」とのことでした。歯根膜炎が慢性化する と痛みが和らぎ感じなくなるがいずれ病巣ができるようになるというようなことが書いてありまし たが(歯根膜炎症状で検索)そのようなことは考えられるでしょうか?
私の場合処置後だいぶ日にちがたっていますので慢性化してしまった可能性はありますか?
担当の先生に聞くともし慢性化した場合はレントゲンに炎症の部分が黒く写るとおっしゃるんです が・・・

 それから、出産後一年がたち4月から仕事を復帰したころから体調を崩し風邪を引いて高熱を繰 り返し今だに風邪がなおらず体調は悪いままです。自分の免疫力のなさにほとほとまいっています。 このようなことは回復を邪魔していることにつながるのでしょうか?
4ヶ月くらい薬の詰め替えを行った後まだ痛みがある(前のような痛みではないのですが)歯に 関しては再治療をしても直らないのでしょうか?
担当の先生の治療を信じて(不備がない)もう少し様子を見るつもりですが、歯根膜炎が慢性化し て痛みがそのためになくなったとしたらそれは自分では判断することができません。そのことを考 えるとやはり一日も早く再治療をお願いしたほうが良いのでしょうか?
2本中の一本はもう押しても痛みはないのですがやはりもう一本は下の歯とぶつかる時と歯を磨い ている時に痛みます。それ以外はほとんど気になる痛みはありません。差し歯をはずして自分の歯 を触るとやはり痛みはありますが・・・先生はその痛みも個人差があるからとおっしゃっていまし た。ただ私の場合4本連結にする為、一本でも痛みがあるとさし歯は入れられないのです。
それから多発性の円形脱毛症と歯の治療とは直接な関係はあるのでしょうか?
実際先生に直接歯を見て頂いているわけではないのにいろいろ質問してしまってすみません。 先生の回答を頂けるととても気持ち的に落ち着くことができました。ご迷惑をおかけしますがど うぞ宜しくお願い致します。

回答:
 “歯根膜炎が慢性化すると痛みが和らぎ感じなくなるがいずれ病巣ができるようになる”は、 症状の推移です。正しくは“根尖病巣になり得る軽微な原因が存在する場合、当初歯根膜炎様 症状を呈しているがそのうち根尖病巣に発展する”ということです。
 慢性化するということは、急激な炎症を起こす程の原因でなければ、痛みを感じることなく 緩慢な成長を遂げるということです。従って、軽微な原因が残っているために緩慢な成長を遂げ ている可能性はあります。問題はその速度です。症状を発するまで成長するのに10年以上必要で あるとするならば、ちょっと苦しいけど臨床上は治癒した(も同然)として扱われます。あくま でも緩慢な成長ですのでレントゲンで確認されるには1年以上必要だと思われます。現実の問題 としては、確認された時点ではおそらくしっかりした上部構造が装着されていますので、即刻治 療という選択ではなく、どうしようもない症状があるようだとその時点で治療しましょうという 選択になると思います。

 “自分の免疫力のなさ”は大いに関係します。治療が全く完璧(現実には無理?)であれば、 免疫力の有無に関係なく治癒するはずですが、現実の治療には必ず何らかの不備があります。 免疫力が強ければ少々の不備はカバーしてくれます。免疫力が弱くても治癒に導いてくれる 様な“より完璧に近い治療”を行ってくれる歯科医または治療方法を探さなくてはいけない かも知れません。
 円形脱毛症との直接の因果関係はないと思いますが、経過が思わしくないことによる悩み が多大なストレスを招いているようですので、そのストレスが免疫力の低下を招いているもの と推測されます。


返信:2002年7月18日 10:31
毎回迅速なご回答、心から感謝しております。本当に有り難うがございました。 解りやすく説明して頂いたおかげで「様子を見ましょう」と言う言葉に少し安心することがで きました。
明日激痛がきたらどうしよう・・とびくびくする事なくもうしばらく様子を見てみようという 気持ちになれたおかげで少しはストレスを解消できるかな、って思います。本当に有り難うご ざいました。またご迷惑をおかけしますが宜しくお願い致します。


返信:2002年7月24日 11:23
 7月17日に再度質問させて頂いたものです。何度も申し訳ありませんがまた質問させて頂 きます。土台を入れてちょうど1ヶ月がたちました。相変わらず歯に触れたり歯磨きをすると 痛みます。土台をはずしてやり直すことになったらこれで3度目になります。今まで以上に時 間がかかると言われました。自分の歯をまた削られてきっとどんどんもろくなっていくのでは ないか、やり直すことによって今以上に痛みが出るのではないか、結局やり直してもダメで抜 歯やブリッチになってしまうのではないか、と考えるとなかなかやり直しをお願いしますとは いえません。
 担当の先生のお話だと「神経を切断したところの炎症が体調も悪かった為になかなか治癒で きないでいるのではないか」とおっしゃっていました。もし体調が悪くて治癒しないのであれ ば4本中2本は同じ治療なのにどうして痛みが無いのかと聴くと「それぞれの歯によって違う」 と言われたのですが、その歯によってこんなにも炎症が長引くことはあるのでしょうか?
そしてもし本当に切断部分に炎症が起きていたとしてそこから細菌感染はおきないのでしょう か(担当の先生はしっかりふさいであるから細菌は入り込めないと言っていました。)?
本当に歯根治療の不備が無ければこの痛みは炎症が治癒していく事とともになくなるのだった ら・・・と信じたいのですがいろいろ前文のようなことを考えるとどうしたら一番良い選択な のか決断できないでいる状況です。
 たとえば(不備が無いことを前提に)このような痛みが続いた歯に関しては寿命はみじか くなるのですか?
そしてどれくらいの確率で病巣ができるのでしょうか?
もしまったく不備が無かったとしても炎症が長引いたり歯根膜炎だったりすると体調が悪くな るとまた痛み出したりするのでしょうか?
またいろいろ質問してしまい申し訳ありません。本当に決断できないでいます。お力お貸し願 います。本当に毎回ご迷惑をおかけしますが宜しくお願い致します。

回答:
 “しっかりふさいであるから細菌は入り込めない”と言う次元ではないんですがねぇ。それな らクラウンを装着すれば絶対感染しないという理論になってしまいます。問題は根管内の汚物を 完全に除去して、二度と貯留しないように完全封鎖することです。この認識のズレが症状に現れ ているし、治療成績の違いに繋がってきます。  余計な薬による組織の障害も無くなったと思いますので、現状は明らかに炎症が存在すること になります。“歯根治療の不備が無ければこの痛みは炎症が治癒していく事とともになくなる” わけですが、未だに炎症が存在するということは“歯根治療の不備”が存在するということです。 従って“不備が無いことを前提に”という質問には答えようもありません。いずれにしてもこの 炎症(=痛み)が続く限り確実に根尖病巣が大きくなり、歯の寿命を縮めることは明らかです。

 その根管治療の不備が、確実に排除できるような状態かどうかは定かではありませんが、少な くとも二度再挑戦をしてダメな先生に治療してもらっても可能性は限りなくゼロに近いものと 思われます。体調の悪いあなたの歯を2本成功させているのですから、治療そのものは極端に悪い とは思えませんが、より治療精度の高い先生を探す必要がありそうです。これは、現状の治療レベ ルからすれば非常に困難な作業ですが、探すしかないでしょうね。

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