異常を見つけ出す能力と、それを診断して適切な対処をする必要があります。
メインテナンス

日付、時間:2002年8月21日 23:32     氏名:  K.H  
所在都道府県: 大阪   職 業: 主婦   年 齢: 39歳      性別: female  

質問:
 こんにちは。2年前に根管治療をしていただいたH.Kです。その節は大変お世話になりました m(__)mお陰様で、どこの歯科医院でも治療出来なかった患部を河田先生のお力で治して頂き感謝 致しております。さて、今日は、歯周病の件で質問をさせていただきたいと思います。お手数を お掛け致しますが、宜しくお願いします!
河田先生のアドバイスの通り、近所の歯科医院で、1〜2ヶ月に一度のスケーリングを実行して いるのですが、あまり丁寧な感じではなく、見た目が綺麗というだけで、深い部分のスケーリン グは必要ないような事を言われたので、もう少し熱心にしていただける先生を探しておりました。 最近になって以前の歯科医院よりも歯周病に力を入れる先生に診ていただいた所、左上4番だけ がポケット4〜5mmなので、ポケット掻爬術をする必要があるかも・・と言われました。
口腔内が綺麗であるということで、ポケットが深いのは噛み合せに原因もあるということでした。

 私の希望としては、ブロックに分けて、スケーリングとルートプレーニングをして頂き、その 後月に一度、スケーリングをして頂きたいのですが、この場合、ポケット掻爬術は避けられない のでしょうか?
それから噛み合せが原因の場合、治療はどのようになりますか?
それと、プロフェッショナルトゥースクリーニングというのは、スケーリングも含まれているの でしょうか?(今後の毎月のメインテナンスとして、スケーリングだけでは足りないでしょうか?)
河田先生でしたらどのような治療をされますでしょうか?
お忙しい中恐れ入りますが、何卒宜しくお願いします!

回答
 “ポケット掻爬術”といえば仰々しい感じがしますが、本来、麻酔をして深い位置に残った 歯石をとることが目的です。私の医院で一度行っていますので、今すぐは必要ないように思います。  噛み合せが原因の場合、歯や被せを削ったり、被せそのものを作り替えます。一般にかみ合わせの 問題はクローズアップされていますが、ほとんどのケースが該当しないと認識しています。処置方針 が異なりますので、申し上げ難い部分があります。少なくとも言えることは、私なら行わないだろ うと思います。何よりも大切なことは、毎月の歯石除去と虫歯の早期発見・対処です。

 プロフェッショナル・トゥースクリーニングはスケーリングを主体としたトータル的な口腔内 清掃と診査です。スケーリングだけで守れるというとちょっと語弊があります。異常を見つけ出す 能力と、それを診断して適切な対処をする必要があります。


返信:2002年10月9日 23:42
8月21日
いつも丁寧なご回答を下さりありがとうございます!
前回質問をさせていただいた左上4番なのですが、ポケットの深さは6mmということでした。スケ ーリング・ルートプレーニングを施しました(ポケット掻爬術は先生のアドバイスの通り致して おりません)。本日測定しましたら3mmになっているということです。3mmになったというで、 素人の解釈として喜んでいるのですが、現状維持するために今後は毎月のスケーリングのみ続行す ればよろしいでしょうか?
 それから、別の質問なのですが、左上の6番なのですが、小学生の頃に治療して抜髄していると 思われたのが、神経が途中で切れていた状態(?)になっていたようで、根治治療をしましたが、 大きく削っているためか、残っている歯に2ヶ所ひびが入っているということでした。 手鏡で見せていただきましたが茶碗がひびわれたような感じでした。 今後痛みや腫れるようなことがあれば抜歯と聞いています。
クラウンを被せ治療は終わりましたが、今後どのような注意をすればよいでしょうか?
宜しくお願いします。

感想:
こちらのHPとの出逢い・そして河田先生に直接治療していただき、私の歯の関わり方は一転し ました。感謝の気持ちで一杯です!今までの歯やその治療に対する無知さを恐いとさえ思ってお ります。先生のお陰で私の歯は救われました。先生のこれからの益々のご発展をお祈りしており ます。

回答:
 周囲の歯と連結冠で固定して咬合圧の緩和という手法も考えられますが、周囲の歯に対する迷惑 もありますので破折に対する直接的な有効手段はありません。間接的ではありますが「1本たりとも 失わない」を合言葉に、全ての歯を可能な限り保存することが最も有効な手段だと思います。  そのためのメインテナンスということですが、地味な歯石除去を欠かさず続けることでしょうね。 それと、1か月間に感じた異常を報告してその都度原因を突き止めて対処していくことが肝心です。 二人三脚ともうしますか、この積み重ねが将来莫大な利益をもたらすものと確信しています。

 今でこそ、メインテナンスの重要性を強調していますが、元々有効な手段がないと言われながら も、何の見込みも保証もなく、メインテナンスのポイントさえ知らずに手探りで進めてきました。 今から思えばもっと為すべきことがあった様にも思いますが、それでもマクロな目でみれば十分な 成果をあげることができました。
 勝負はメインテナンスの手法ではなく、従来通りのメインテナンスなしとの比較だからこそ得られ た結果ですから明白です。もう少しおおらかに考えて下さい。メインテナンスなしでも60歳近くま では歯牙保存が可能です。メインテナンスを継続さえしておけば80歳くらいなら十分に延命できます。

 私の役目は、メインテナンスを全く知らないひとに、その重要性を説くことやっとです。より効率 的なメインテナンスの手法については、今後の課題であると同時に、次の世代に委ねられる課題だと 思っています。

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