何より大切なことは、現状維持をしっかり図ることです。
骨を再生する手術

日付、時間:2002年8月28日 17:12     氏名:  k  
所在都道府県: 神奈川   職 業: 主婦   年 齢: 38歳      性別: female  

質問:
 こんにちは、わたしの前歯は1本生えてこないで埋まっています。24歳の時たまたま行った 歯医者さんで、すき間があいてみっともないから両脇1本ずつけずって、ブリッジにしないか? といわれやったところ2週間くらいしたら膿が出てきて、ブリッジがぐらぐらして取れてしまい、 別の歯医者さんに行ったらもう抜かなくちゃだめだよと言われ部分入れ歯になってしまいました。
 そのころは良く泣いてました。私は、歯槽膿漏でたまに腫れて膿がでたりして歯医者さんには、 定期的に通っていましたがあまり改善されず先生のホームページをみて近くの歯周病専門医に行 き半年近くなります。ブラッシングはもう言うことなしと言われ次の段階へ、かみ合わせが悪い のですべての歯を3,4本ずつブリッジにしたほうがいいと言われたのですが費用が298万と聞いて 断りました。先生の説明でかみあわせが大事なのは分かるのですが私は,歯の骨を再生する手術 をして欲しいのですが、そこの先生は期待しない方がいいと言うだけです。骨があるうちに手術 をしたいのですが、先生はどう思いますか?

回答
 現在、失われた歯槽骨を再生するために様々な材料や手術方法が開発されていますが、残念なこ とに完全な再生はまだまだ夢のまた夢といっても過言ではありません。厳密にいえば、歯槽膿漏に 侵された部分でも1mm程度、ほんのわずかな再生はありますが、それ以上は回復しないというのが 現状です。
 歯槽骨の厚みは10mmから16mm程度です。平均して13mmとして、10mmが喪失した歯槽膿漏の末期 状態において1mm程度の再生は、現状を維持するための補助になっても、大勢に影響がないので骨 再生は不可能ともいえます。現在の歯科医療のもとでは、歯槽骨の喪失を食い止めて、それを維 持するだけで精一杯だという現実を認識しておく必要があります。

 動揺している歯を固定する方法として、ブリッジや連結冠を用いることはありますが、これに は相当の管理が必要です。しっかりした歯のブリッジや連結冠はそれほど問題はありませんが、 動揺歯の場合は簡単に脱離してしまいます。余程大きく連結しないと簡単に 片側脱離して大切な歯を失ってしまいます。その意味では 298万円の補綴を断ったことは正解です。
 何より大切なことは、歯石を取って、以後二度と定着しないように歯石を取り続けて、現状維持 をしっかり図ることです。造骨がせいぜい1mmに対して、破骨は最大半年で6mmです。平均でも10年 に2mm以上ですので、いかに現状維持が大切か分かっていただけると思います。
 ちなみにコントロールがしっかりできていれば、10年で、0.1mm程度に抑えることが可能です。


返信:2002年8月29日 11:21
 返答いただきありがとうございました。
現状維持をしっかりするしかないのですね。ただ一生懸命ブラッシングしていても、生理前になると 口の中が渇き口臭が気になったり、少し出血したりして気のせいかもしれませんが、生理が来るたび に少しずつ悪くなっている気がしてとても怖いです。

回答:
 “生理前になると口の中が渇き口臭が気になったり”ということ自体が、お察しの通り現状維持が できていない…コントロールされていないことを意味します。そんな状態で骨再生しても、298万円の 補綴をしてもムダです。
 80歳になっても、今と全く変わらない歯があれば何ら不満がないはずです。夢物語のような助言です が、本当に存在しているのですよ。単純には、徹底的な歯石除去と毎月歯石をとりつづけるメインテナ ンスを行うこと。ホームページ全体を通して訴えているつもりですが、なかなか通じていないみたい ですね。

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