日付、時間:2002年9月11日 15:56
氏名: 前田
所在都道府県: 福島
職 業: 会社員
年 齢: 24歳
性別: female
質問:
以前より『若年性歯周病』についてお伺いしていた者です。
今回、全体的に何だか調子がよくないな~と感じたので、思い切って違う歯科(歯科大病院)に行って
みました。すると、今の所(大学病院)ではメンテナンスの過程なのですが、こちらでは一変。全顎
フラップ、クラウンなどによる連結固定、親知らず二本を含む四本の抜歯、矯正、フラップに伴う
歯肉移植、エムドゲインの使用、(骨移植)・・など様々な事を言われました。
改めて自分の病気を突き詰められたようでショックでした。
そこで、三年間診て頂いた大学病院の先生に正直に相談したところ『まだそこまで急ぐ必要はない
と思うけどね・・』と歯科大病院で言われたような積極的な治療は、今の段階ではまだいい。とい
う感じでした。(特に歯肉移植に関しては反対のようです)
ポケットは2〜4ミリの所もあれば6ミリ以上の所もあり、ばらばらのようです。一本の歯でも
ばらつきがあるという事でした。歯の動揺で物が噛みづらいとか、噛むと痛みがあるという事も特
にありません。一応ワイヤーによる固定をしていますが、取れても支障は感じません。
二人の先生共に「動揺は少ないね」とおっしゃっていました。
積極的な治療を受けるべきなのか本当に悩んでいます。
大学病院の先生は、転院を考えている私にも『私にとって一番よい方法を』と大変よく相談にのっ
て頂けるので本当に感謝しています。
様々な技術を駆使した治療を行うべきなのか(歯科大)、まだ歯石除去等のある意味地味(?)な治療で
いいのか、悩みます。
やはり、一人の先生が治療をした方がいいと判断されたという事は、治療を受けた方がいいのでしょ
うか?
おそらく日本一積極的な治療をしてきた私ですが、積極的な治療は嫌いです。エムドゲインも歯肉
移植もムダです。失われたものを回復することができれば理想的ですが、それよりも早いスピードで
失われていく骨を最小限に留める方が実質的な選択です。
基本的に私の治療は、とっても地味です。ただひたすら毎月歯石を取り続けるだけです。その積
み重ねがとんでもない成果をもたらしてくれます。今回、“全体的に調子がよくない”ということが
きっかけだったようですが、問題を感じる部分には必ず歯石をはじめとした原因が潜んでいるはずで
すので、それだけを可及的に排除するべきです。
実態を診ないでアドバイスすることは危険ですが、「動揺は少ないね」といわれるようにお伺いし
た状況や年齢から、積極的な治療は逆効果をもたらすものと思われます。個別に深いポケットが存在
する部位にはもう少し歯石除去を徹底する必要性を感じますが、ワイヤーによる固定には疑問を感じ
ます。
何よりも有効な効果をもたらす方法は、毎月歯石を取り続けることです。
回答:
特定の患者さん…というよりも、目の前にいる患者さんの20年後を保証する程の自信はありません。
私の実績に追随、もしくはそれを上回る研究発表が世の中に見当たらないからです。『地味(?)な
治療』つまりメインテナンスの効果が明らかになるのは10年か20年先になると思いますが、それを
確かめてからだと手遅れになってしまいます。
私が自信をもって申し上げられることは、「騙されたと思って毎月歯石を取り続けてご覧」と20
年前にメインテナンスを開始した患者さんの中で、本当にアバウトでも継続された患者さんについ
ては奇蹟とも思える成果が確実にあがっているということです。その実績からすると、おそらく
メインテナンスを継続されれば、20年後(10年でも勿論)に奇蹟を呼ぶ可能性が非常に高いと確信
しています。
返信:2002年9月18日 11:22
そうですね!言葉は悪いかもしれませんが、ホント『騙された』と思って通い続けてみます。
「地味な治療を長く続ける」という事は、大々的な治療を行うよりも辛抱もいりますし時には「こ
んなんでいいのかな」と不安になる事もあるかと思いますが信じてやっていってみます。
本当に有難うございました。