歯髄炎が確定したら最終的には抜髄せざるを得ません。
虫歯では無い神経の炎症

日付、時間:2002年9月17日 10:30     氏名:  K.K  
所在都道府県: 栃木   職 業: 会社員   年 齢: 62歳      性別: female  

質問:
 初めまして。多忙を極めております一人暮らしの27歳になる会社員の息子に代わりまして お尋ねいたします。
 下の中切歯の激痛の為、近所の歯科医で診察を受けました。結果は神経の炎症との事ですが、 レントゲン検査では虫歯では無いと言う事です。息子は指の爪を前歯で咬む習慣があり、それが 原因でしょうか?
歯髄炎の Q & A を丹念に拝見しましても、殆どの原因は虫歯のようです。虫歯が原因では無く、 歯髄炎を起す原因を教えて頂きたく、又、神経は一度炎症を起すと、元通りの回復は望めず、結 局は抜髄をせざるを得ないのでしょうか?
以上2点についてご回答頂ければ有難いです。

回答
 虫歯が全くなくても、歯槽膿漏の末期では神経が死んでしまうこともあります。しかし、年齢的に 歯髄炎を起こす程の歯槽膿漏は考え難いようですね。
 現在虫歯がなくても、過去に虫歯治療の経験のある歯ということもあります。また、過去に打撲な どの衝撃で歯髄が炎症を起こすこともあります。「指の爪を前歯で咬む習慣」程度で歯髄炎に発展す るとは考え難いけれども否定はできません。私の経験上、過去に2度ほど思い当たる節が全くないの に歯髄炎、もしくは歯髄炎から発展した根尖病巣に遭遇したことがあります。それが不思議なことに 決まって下の中切歯でした。

 原因が分からなくても、歯髄炎が確定したら最終的にはやはり抜髄せざるを得ませんね。打撲など の既往があれば決断しやすいのですが、すぐに抜髄の決断がつかず、経過をみているうちに歯髄が全 く死にきってしまって一旦痛みが遠のいて、半年後にレントゲンで根尖病巣に発展したのを確認して から治療を行ったケースもありました。


返信:2002年9月18日 10:20
 お忙しい中、早速ご回答頂き、本当に嬉しく、有難うございます。
歯槽膿漏も虫歯も無く、過去に打撲の経験も私の知る限りでは無いようです。只、「爪を咬む」 と言うのが「ハンパ」じゃないのです。中学、高校と自宅に居る頃から、食事以外の時間は爪を 咬んでいる状態で大学も研究室に閉じこもりの生活のようでしたし、現在も9:00〜23:0 0ごろまで、コンピューターと向かい合っていて、帰宅後も一人住まいの為、一日中誰とも口を 利かない日が多いと思います(その間ずっと爪を咬む?)。
この事は素人の私でも口中の黴菌の温床になると思いまして、大口を開けて、カラオケなり、コ ーラスなり、やるように勧めてはいるのですが。。。

 でも、もう手遅れなんですね。一度炎症を起してしまうと、神経は回復不可能と伺い、もっと 早く、親が注意をしてやれば良かったと悔やまれます。先生のご回答、早速息子のところに転送 いたしました。保険が適用される分のお薬(鎮痛剤)を頂いて、今はそれで、収まっているよう ですが、再発した場合は抜髄を覚悟するように申し伝えます。
 抜髄の治療は「即日充填」方式が良いと仰ってますので、先生のように技術の優れた方でない と、難しいのではないでしょうか?
現在息子が掛っています歯科医は会社のビルに入ってる歯科医で、経歴など全く分かりませんの で、少々不安です。息子は筑波に住んでいます。明石まで治療に通うのは難しいでしょうね。

先生のお蔭で初めて耳にする歯髄炎について豊富な知識を得られました事、そしてそれに対する、 対処法も納得のいく方法で考えられるよう、お導き下さいました事、本当に有難く心よりお礼申 し上げます。どうぞ、これからも宜しくお願いいたします。

回答:
 「即日充填」は絶対のお勧めですが、ほとんどの医院で行われていません。確実な歯髄除去が行 われさえすれば抜髄処置は成功しますので「即日充填」にこだわる必要はありません。事前に過剰な 心配をされても結果を左右することはできません。抜髄をして経過が思わしくないようだったら、他 の医院を探すくらいの気持ちで臨んでください。
 「ハンパ」じゃない爪を咬む癖については、必ずしもこれが原因と確定したわけではありませんが、 私も良い経験をさせていただきました。

 

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