日付、時間:2002年9月25日 20:32
氏名: H.T
所在都道府県: 福井
職 業: 会社員
年 齢: 25歳
性別: female
質問:
これからの処置の方法で悩んでいます。
私は4年前に若年性歯周病と診断され、定期的に歯科医に通っています。
今までの処置として、歯茎を何箇所か切除して溝の深さを若干浅くする治療、定期的な歯茎のお
掃除、下の前歯4本をワイヤーで固定という事を行ってきました。この処置の結果、今のところ、
歯肉はだいぶ下がってしまい、歯の間に隙間が出来ていましたが、溝の数値が極端に悪くなると
いう自体には陥っていません。
現在の症状は、上の犬歯から犬歯までが、かなりぐらついていて、下の犬歯から犬歯は固定して
いるので動揺はないのですが、歯茎がかなり下がってしまっている状態です。この2箇所はレント
ゲンを撮ると骨の部分がだいぶとけてしまって、支えている部分がほとんどなくなってしまってま
す。また、噛み合わせが深いということが関係してか、噛み合わせるたび、歯がどうようして、そ
れも進行させる原因になっているかもしれないと診断されました。上の犬歯から犬歯の動揺は2まで
進んでいます。それと奥の第1大臼歯だと思うのですが、こちらは動揺こそないものの、溝はかなり
深くなってきています。
最終的な判断は自分でしなければいけないというのは分かっているのですが、今まで付き合って
た歯のこと。少しでも長く大切にしたいとどうしても思ってしまい、抜くのも悲しくて、しかし、
そのままにすることで他の歯まで影響することが怖くて、なかなか決断することが出来ません。ま
た、言葉を使う仕事をしておりますので、これ以上隙間が出てくると発音に問題が起こるのではな
いかという心配があります。私はどの方法をとるのが良いのでしょうか?それとも他に方法はある
のでしょうか?
お忙しい時に、つらつらと長い文章を書いてしまって本当に申し訳ございません。
でも、どこにどう相談していいのか分からなくて、先生のホームページを見つけて本当に救われた
気持ちになりました。どうか、お力をお貸しくださいませ。お願いいたします。
25歳で動揺があるということは、かなり深刻な状態のようですね。直接診て診断すべきことですが、
私の臨床経験から言えることは「或る一定以内(歯槽骨破壊1/2以下)のものについては、永遠に?
現状維持は可能」ということです。おそらく抜歯を見当されている前歯部と第一大臼歯を除く歯が
該当すると思います。とにかく徹底した歯石除去を行ったうえで、毎月歯石を取り続ければ、驚く
ほど現状維持が図れます。1/2以上進行したものについても10年〜15年ほどは保存可能だと思います。
他院でワイヤー固定されている例をみますと、動揺を食い止めているだけで歯石除去が徹底され
ていません。「かみ合わせが」ということも言われていますが、何よりも大切なことは歯石除去です。
私の場合、ワイヤーによる固定は一切行いません。それよりも、そこまで歯槽骨が破壊された歯に
ついては…抜歯も検討されるような歯…、最後の手段として抜髄の上手術を行い補綴物による連結固定
を行います。勿論、的確な抜髄処置が前提です。そうしておかないと、知覚過敏が発展して神経を腐ら
せてしまい根尖病巣を作って、わずか半年もしないうちに自然脱落してしまうからです。
“進行している歯”の処遇については、早急に抜く必要はありません。周囲に悪影響を及ぼすのは
自然脱落寸前になってからです。そうなるまでには、処置の方法によって10年以上保たせることが可能
ですので、その方向で考えて下さい。
とにかくポイントは、どれだけ歯石除去が徹底されているかに尽きます。想像する進行状況から、
まだまだ助かる歯が一杯ありそうですので歯石除去を徹底してくれる歯科医院を探すことが先決
ではないでしょうか。
徹底して歯石除去を行ってくれる医者・・・ということですが、そういった歯科医の先生をどの
ように見つけたらよいでしょうか?
私は以前富山県に、現在私は福井県に住んでいます。今の先生は、富山県で知り合った歯科衛生士
の方に紹介していただいた医科大の先生の紹介という事でお世話になっております。現在の先生は
色々と処置法を提案してくださっているので、何となく、「歯石除去のみの処置でおこなってくだ
さい。」というのが言いにくいのですが、お医者様側からすると、それは失礼にはあたらないでし
ょうか?
本当にお忙しい時にこんなことばかり申し訳ありません。今回は、本当に救われました。ありがと
うございます。これからも少しでも、歯を残していけるように、頑張っていきたいと思います。
ありがとうございました。
回答:
そうですね。色々な考え方があるというよりも、私の考え方がちょっと特殊ですのでそのまま要望
を伝えても担当する医師の信念に引きずり込まれてしまうでしょうし、素人の誤った考えと一蹴され
てしまうかもしれませんね。それではいけないと思って、私も年内に出版を予定していますが、ちょ
っと間に合いそうもありません。一層のことこのページを印刷して持っていったらどうですか。少な
くとも、歯周病の専門家の意見として取り扱っていただけると思います。