日付、時間:Mon Jul 12 10:24:09 Japan 1999
氏名: K.N.
所在都道府県:東京
職 業:その他
年 齢:34歳
性別: female
質問:
神経を抜いてしまった「歯」は、脆くなりやすいということですが、神経を取ってさし歯にした
場合、「歯根」が脆くなるということになりますか?
また、虫歯でなく健康な歯をさし歯にする場合、歯列に問題がなければ神経を取る必要なないよう
に思いますが、私のさし歯は歯列的な問題、虫歯の問題も無かったにもかかわらず神経を取って
さし歯にしてあります。(審美的な理由により)私の場合、神経を取った理由はどんなことがあげら
れますか?
今は、なんの相談も無く神経をとってさし歯にされてしまったことが悔やまれて仕方がありません。
もちろん、さし歯にするという決断をしたのは、自分ですが、、、
ご意見・ご感想:
欧米に比べて歯に対する意識が低い反面、歯に対する悩みを抱える人が
多いことは非常に問題だと思います。歯の悩みを持つ人が多い理由として、子供の時からの歯
に対する教育が十分でなく、大人になり、虫歯や歯周病になってからようやく歯の大切さを知る
ことになるからだではないでしょうか?
本当に残念な状況だと思います。そんな中、先生の相談コーナーはとても有益なもので、先生の
アドバイスの恩恵に賜っている人は数知れないと思います。インターネットをしている人以外の方
たちのために、是非本を出してより多くの方を助けてあげたらいいのにといつも思っています。
ただ、本を出すにはかなりの労力と時間がかかるので、ちょっと難しいのかなぁ。。。
先生、忙しいこととは思いますが、これからもずぅーっと元気で頑張ってください!
神経を取ってさし歯にした場合、「歯根」が脆くなります。若くて、周囲の歯がしっかりしている
うちは歯根破折は稀ですが、周囲の歯がなくなったり咬合負担能力が低下してくると“破折”の
危険性はグーッとアップします。
さし歯にするにあたっては、神経のある状態でも治療可能な場合もありますが、知覚過敏や
歯髄壊疽、形成の制限などがあって抜髄した方が無難なことが多いように思います。
歯列的な問題、虫歯の問題があれば当然?抜髄を選択します。反対に、審美的な要求の
ためであれば、“歯の長持ち”と“機能優先”する私の場合、さし歯にすること自体を自粛するよ
うに説得します。それでも審美的な要求の強い場合には、歯の寿命を縮めることを覚悟して
もらった上で治療するかな?(実際には全てお断りしたような気がします)
さし歯にしたことを今更悔やんでも仕方ないので、その歯を含めて全体の機能保全を図ることが
一番重要です。そのためには…結論はいつもこれ!…毎月のプロフェッショナル・トゥースクリーニン
グ。
本を出す話。一応、アメリカで研究している先生と打ち合わせまではしているのですが、
具体的な予定はありません。
返信:
先生、早速のお返事ありがとうございました。
実は、さし歯にする時にいろいろな歯医者に行ったんですが、どこでも断られたんです。
でも、その時に理由は教えてもらえませんでした。ただ、「健康な歯をさし歯にすることは
うちではしません」と言われただけでした。その時に、なぜ「歯の寿命を縮めるからだ」と
説明してもらえなかったのか不思議です。また、さし歯をする時に、「歯の寿命を縮める」
ということも言われませんでした。くすん。
とりあえず、今使っている歯を大切に手入れをしていくつもりです。下の歯並びが少し悪く
かみ合わせもあまりよくないので、全体的に矯正をすることにしています。もちろん、定期的
に歯のクリーニング/スケーリングもして、歯磨きも頑張るつもりです。やっぱり自分の歯で、
おいしいものをよりおいしく食べたいですから! 自分の歯で食べられるってやっぱり幸せな
ことですよね、先生!