日付、時間:2002年10月2日 16:40
氏名: MY
所在都道府県: 山口
職 業: 主婦
年 齢: 33歳
性別: female
質問:
河田先生、こんにちは。ちょくちょく質問させていただいています。今日は、3歳10ヶ月の
娘の虫歯について教えてください。
現状(乳歯20本)は、上前歯2112(歯と歯の間)と左の一番奥上下が虫歯です。左下奥は、
サフォライドを塗ってもらっていたのが突然大きい穴になっていたので、少し削ってレジンを詰
めています。その何ヶ月か前からサフォライドを塗り様子を見てもらいに月に一度通院していま
す。
そこで質問ですが、毎回サフォライドの塗布だけなんですが、私としては、これ以上虫歯は増
やしたくないし、全体にフッ素塗布をしたほうが良いのではと思うのですが、先生は何もおっし
ゃいませんが必要ないということなんでしょうか?
こちらからお願いしないとできないからですか?
家でのケアは、歯磨きを寝る前にして(歯磨き粉はいやがるのでなし)フッ素洗口液でうがいを
毎日しています。
それと、上の質問とは関係ないですが、歯医者さんの待合室ではあまり情報(ポスターとか関
連記事とか)貼ってないところが多いですがなぜでしょう?
「もっとフッ素塗布を積極的に」とか「月に一度は健診を」とかあってもいいんじゃないかしら
と思います。(抜髄のデメリットなど先生のHPを拝見するまで知らなかったので、いままでの歯
医者さんが教えてくれてたら・・・と感じるときがあるんです。)
感想:
このHPを見るようになって、自分の歯に対する考えが変わりました。感謝しています。
虫歯に対して予防効果があるといわれているフッ素にも、色々と
応用方法があります。その中でも、すでに虫歯になった歯に塗布するサフォ
ライド(フッ化ジアミン銀)は、虫歯に直接反応して真っ黒に変色させて審美的には問題が
あるものの、虫歯進行の抑制には十分な効果が認められています。例えば、全ての乳歯が虫歯で、
どこから治療して良いか分からないような場合にサフォライドを塗ると、口の中(歯)が真っ黒
になってしまいますが、虫歯の進行を完全に抑制してそれ以上崩壊することなく永久歯交換まで
保ち続けることも可能です。
このサフォライド塗布は、すでに虫歯になっている歯に対しては保険でも認められていますが、
日本の保険制度はあくまでも疾病保険ですので、“虫歯”と診断されていない歯には適応されま
せん。無理やり全ての歯に虫歯の病名を付けて塗ることは可能ですが、本人もしくは親の要望が
無い限り歯科医の方から提案されることはないのが普通です。虫歯になっていない歯に塗っても
それほどの抑制効果が認められない?ことと、何といっても歯牙変色による審美的な問題がある
からだと思います。4本以上だと何本塗布しても保険点数が一緒ということも影響してるかなぁ
?? それよりもやっぱり虫歯のない歯に塗るのはちょっと抵抗がありますねぇ
反対に歯牙変色を伴わないフッ素塗布は予防処置ですので、原則として保険適応外です。それ
と、それ程大きな効果が認められるようには思えません。ただし、これらの処置については担当
するドクター間に考えの相違がありますので対応も違います。
ポスターにかんしても医院間でかなりの違いがあると思います。歯科医師会から配布されるポ
スターは比較的優先的に掲示されているようです。その中には「もっとフッ素塗布を積極的に」
とか「月に一度は健診を」(年に1回というのはあります)といったたぐいのがないからではな
いでしょうか。個人で作成するという発想は今でこそコンピュータが発達して障害は少なくなり
ましたが、スペースの問題や景観もあって少ないことは確かでしょうね。でも、ご指摘のような
ポスターを多数掲示していることを売り物にした歯科医院も結構あるみたいですよ。