情報の共有はこれからの医療のあり方。
情報とリスクの共有

日付、時間:2002年10月2日 23:28     氏名:  しん   
所在都道府県: 新潟   職 業: 会社員   年 齢: 39歳      性別: male  

質問:
 こちらのHPを拝見させていただいて,たいへん参考になっております。私も下歯の根管治療を 3ヶ月ほど続けていますが,叩いて響くような感じが未だ取れません。主治医も「膿もでていない し,ちょっと直りが遅いですねぇ」と言っています。
根を削るのは2回,あとは洗浄などの治療を受けていますが、ついに昨日「これ以上やっても駄目 なら抜歯しかない」と言われました。そこで,こちらに掲載されているような抜歯以外の治療(根 元を削る,等)を主治医に相談してもよいものなのでしょうか?
丁寧な対応をして下さる先生なので,かえってこちらからは言いにくくて・・・でも治療中は,全 く痛みがないくらいなほどなので,どうしても未練があります。水曜日とはいえ遅い時間にすいま せん。

回答
 根管治療の状態や痛みの原因が文面だけでは特定できないので確信的な回答はできません。 しかし、抜歯は勿体無いと思いますねぇ。
打診痛や不快症状が全く無い完全治癒が理想的ですが、するだけのことはしたという根管治療に自信 があれば、「もうこれ以上は無理」多少不満や不安があっても使えるところまで使おうという選択も あっても良いと思います。そのような提案を患者さんからされると救われることもあります。
 また、ヘミセクションやその他の処置方法についても、インターネットの 普及で情報が得られる時代ですので積極的に提案されてもいいと思いますよ。

 全く知識のない患者さんに、一から説明するのって現実問題とんでもない労力です。あげくの果て に「ごちゃごちゃ説明しないで先生の思うようにして」なんて言われることもあって、ついつい無口 になりがちです。そうなると治療の選択肢は確実にせばまりますねぇ。あとで患者さんからの不満が 極力ない方法が選択されがちです。多少リスクのある方法や確率の低い方法は敬遠されます。
 その点、患者さんに多少の知識があって提案された方法については非常に説明し易く、決定も容易 です。決して責任転嫁ではなく、リスクの共有という形で選ばれる選択肢の中には有効な手段が多く 含まれています。情報の共有はこれからの医療のあり方ですので、積極的に提案されることをお勧め いたします。

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